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☀ 七不思議の怪  作者: 雪*苺
一二日目 【 金曜日 】
33/38

✒ 傍観者達 6


──*──*──*── 体育館


 [ 体育館 ]には無事(正常)な生徒達がぞく(ぞく)と集まっている。

 シュンシュンとオレのクラスメイト達も[ 体育館 ]に避難していた。


厳蒔眞勇

「 無事な生徒達を[ 体育館 ]に集めてなにする気なんだろうな。

  助ける──とは思えないけど…… 」


厳蒔惷囹

「 犯人が姿をあらわしたら、びとに生徒達を守らせてやる。

  マオは魔法をブチ込んでれ!

  生徒達は[ 体育館 ]のすみに集めてやるから、思いっ切りな! 」


厳蒔眞勇

「 分かった 」


 しばらくすると、[ 体育館 ]のスライドドアが自然にまる。

 館内に「 キィィィィィン── 」とマイクの電源がはいったおとが響く。

 壇上に誰かが立っている。


 制服を着ている男子生徒だ。

 見覚えの無い男子生徒は講演台に置いてあるマイクを使い、なにかを喋り始めた。

 あいにくなにを喋っているのか分からない。


厳蒔眞勇

「 シュンシュン、あれってにっぽんじゃ無いよな?

  の言葉だろうな? 」


厳蒔惷囹

「 …………異形の言葉か怪異の言葉じゃないのか?

  異形にも怪異にも特殊な言葉が多いからな。

  なにを言ってるのか僕にも分からん 」


 喋り終えた男子生徒がおもむろに両手を「 バッ 」と広げると[ 体育館 ]の天井からミノムシほどの大きさの “ なにか ” が大量に落ちてた。


 女子生徒達から悲鳴ががる。

 シュンシュンがやみじゅじゅつで陰陽陣を出すとびとが出てた。

 [ 体育館 ]の床から召喚されたびと達が、落ちてる大量のミノムシっぽい “ なにか ” を払い退けては生徒達を守ってくれる。


 オレはアミュレットのちからを借りて、セロが得意なサンダー魔法マジックを両手にまとわせる。

 そのまま壇上にる男子生徒へ向けてサンダー魔法マジックはなつ。

 講演台のマイクがおとを拾い、男子生徒が舌打ちをしたおとが聞こえた。


 オレのはいからこえが聞こえる。

 シュンシュンのこえだ。

 オレが講演台から離れるとはいから式神があらわれる。


 右側の式神は男子生徒へけて、くちから強力な光線をはなつ。

 左側の式神は男子生徒へけて、強力な連続りを繰り出している。

 もよりもさっっているのか、ながねんちくせきされたシュンシュンへの恨み(怨み)つらみを一気にほうしゅつしているかのように見えて、ものすご


厳蒔惷囹

「 マオ──、奴を逃がすなよ!

  こおりけにしてらえろ! 」 


 シュンシュンに言われてアイス魔法マジックを使う。

 天井からと壇上からとアイス魔法マジックの鋭いひょうさきが男子生徒へ伸びる。

 壇上も講演台もメチャクチャだ。


 さっって興奮している式神達は、御構い無しに男子生徒へ無慈悲な攻撃を続けている。

 シュンシュンにめる気配はない。

 このまま攻撃を続けたら死んじゃわないか??


厳蒔惷囹

どっぜっ──、い! 」


 シュンシュンが新たな式神を召喚すると、さっっていた式神が消える。

 全身が燃えるように赤い物騒きわまりないおにと全身がくろで白いやしたかんろくの有るおにだ。


 ≪ にっぽんこく ≫ではかる事の無い容姿をしているって事は、≪ こく ≫にときにでも使えきした妖怪なんだろう。

 ≪ こく ≫に存在している怪異のたぐいってのは、マジでヤバいレベルなんだと改めて知った。

 さっきの2体の式神よりも危険度が高いんじゃないのか??


 おにの容姿をしてるから余計に見えるだけかも知れない??

 どちらの式神も鋭いトゲトゲの出ている鉄棒を持っている。

 さっしょうりょくが高そうな凶器だ。


厳蒔惷囹

「 おい、死にたくなければミノムシみたいなヤツを消せぇ!

  生徒の首から離れさせろ! 」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン── 」


男子生徒

「 クックックッ──。

  残念だがね、それは出来ない。

  アレはヒルと言って── 」


 男子生徒の説明は以下だ。

 生徒達の首に引っ付いているミノムシほどの “ なにか ” の名前は、“ ヒル ” と言って、人間に寄生し、異常行動をさせるせいぶつらしい。

 とんでもないせいぶつだ。


 したから細いクダせきずいへ伸ばして身体からだを操り、うえから細いクダを脳へ伸ばして脳ミソをチューチューと吸い、栄養ぶんにしてきるんだとか。

 無理矢理に引っこ抜こうとすると、細いクダから毒を脳内へ注入し、寄生した人間をゾンビ寄りのびとへ変貌させてしまう。

 変貌すると狂暴化して、人間を襲うようになり、人間をらうとするんだとか。


 だから、ヒルを無理矢理に引っこ抜くと大惨事が起きねないから、現状はにしとくしかない。

 校内にバラかれていているみたいだ。

 ちなみにシュンシュンとオレは異形だからヒルの寄生対象にははいらないみたいで、被害を受けないみたいだ。


 男子生徒がの《 高等学校 》を選んだ理由は特に無いらしい。

 別に学校や生徒に対して恨みとかは無く、クジを作って選んだら、たま(たま)この《 高等学校 》だっただけなんだとか。

 人間側からすれば、すこぶる迷惑きわまりないはなしだ。


 ちなみに身体からだの持ちねしである男子生徒はすでに死んでいて、肉体をうつわとして使っているだけらしい。

 じつ身体からだの持ちぬし──男子生徒の名前ははしわたると言って、1週間以上きゅうがくちゅうだった、学級委員長である事が判明した。

 ちなついでに朝から姿を見ていない副学級委員(柯楠八惠)身体からだすでに、コイツの仲間がうつわとして使っているらしい。


 コイツは異形の一種で、たましいの抜けた人間の身体からだもぐり込んできる種族らしい。

 例の特異体質の怪異をみ出したのもコイツわざらしい。

 怪異は操れないが、暴走したしろに異形や怪異をわせては、かずを増やしていたらしい。


 特異体質の怪異は影の中にひそんでいて、【 プール集団溺死事件 】も【 屋上の集団首吊り自殺事件】も生徒達の上半身と下半身が壁に同化していた奇妙な【 集団壁同化事件 】もすべてが、コイツのが関与していて、コイツが犯人だと判明した。


 《 高等学校 》で好き勝手してくれた犯人は判明したけど──、残念な事にゆいいつ特異体質の怪異の姿を見る事が出来るキギナが不在の状態だ。

 肝心なときにキギナがないなんて、さいあく過ぎる。

 この場で男子生徒の身体からだを拷問して痛め付けても、息の根をめてころしても、身体からだうつわとして使っているコイツはダメージをわない。


 今のシュンシュンとオレには、コイツを倒す事は出来なくて──、コイツらえる事しか出来ない。

 《 高等学校 》の敷地内には、セロが古代エンシェント魔法マジックで結界を張ってくれているから、心配する必要は無いんだけど──、コイツが影の中にひそませている特異体質の怪異が、《 高等学校 》から出てほうはっぽうへ散らばってしまったら──って考えるとゾッとする。


 コイツは、ある日をさかいに《 高等学校 》から出られなくなった事を不思議がっている。

 オレがセロに泣き付いて、古代エンシェント魔法マジックで結界を張ってくれている事をわざ(わざ)教える必要は無いよな。

 どうやら影の中を移動する特異体質の怪異も結界のそとへは出られないみたいだから、古代エンシェント魔法マジックは凄いな。


 男子生徒の身体からだから両腕と両足が無くなっていて、動けない状態になっていた。

 両腕と両足はおにくちの中にはいっていて、式神の2体は今もくちをクチャクチャとさせている。

 まるでガムを噛んでるみたいだ。


男子生徒

「 《 高校 》の敷地内から出られなくなったのは大きな誤算だ──。

  だが、この《 高校 》の生徒も教師も── 」


厳蒔惷囹

「 黙れ。

  勝手に喋べるな 」


男子生徒

「 おぉ、怖い怖い──。

  クックックッ── 」


厳蒔惷囹

「( チッ、完全に舐められてるな──。

   どんなに強力な式神を出しても、制限されてる僕のほうりきでは── )」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン? 」


 どうしたんだろう。

 シュンシュンの様子が少し変だ。

 もの生意気な余裕さが感じられない?


 今のオレ達には出来る事が限られている。

 これじゃあ、見てるだけでなにもしない傍観者と同じじゃないか──。

 なにか──、なんとか出来ないのかな?


 キギナ──、なん今日きょうに限って休んでるんだよぉ!!

 オレはこころの中で、天をあおぐ。

 セロ──、オレ達はいんだ?

◎ 訂正しました。

  にっぽんこく ─→ にっぽん

  ミノムシっぽい “ なに ” を ─→ ミノムシっぽい “ なにか ” を

  おに神 ─→ おに

  使 ─→ 使えき

  ミノムシみたいな奴を消せぇ! ─→ ミノムシみたいなヤツを消せぇ!

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