表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☀ 七不思議の怪  作者: 雪*苺
一一日目 【 木曜日 】
31/38

⭕ 傍観者達 4


──*──*──*── 2階


──*──*──*── 教室


柯楠八惠

が困ってる先輩のクラスよ。

  私は塾に行かないとだから帰るわ。

  頼んだからね! 」


 そう言うと副学級委員(柯楠八惠)きびすを返して廊下を走って、階段を掛けりて行った。


厳蒔キギナ

「 面倒ごとを私達に押し付けて帰っちゃったわね。

  な感じねぇ~~。

  手抜きしちゃう? 」


厳蒔眞勇

「 手抜きは駄目だろ。

  ちゃんと調べないと。

  だよな、シュンシュン 」


厳蒔惷囹

「 怪異の気配はしないな 」


 シュンシュンはすでに誰もなくてガラン──としている[ 教室 ]にはいって調査を始めていた。


厳蒔キギナ

「 じゃあ、怪異のわざでは無いって事かしら? 」


厳蒔眞勇

「 怪異が関与してないならな。

  シュンシュン…… 」


厳蒔惷囹

「 奇妙な行動もせいも一種のかみしばの線が高いかもな 」


厳蒔眞勇

かみしばか──。

  さっきシュンシュンが副学級委員(柯楠八惠)に話してたな。

  全部、セロの受け売りだけどぉ~~ 」


厳蒔惷囹

「 フン!

  陰陽師の僕が言ったほうが、っぽいだろ 」


厳蒔キギナ

かみしばって事になると、説明がむずかしくなるんじゃないのぉ?

  セロフィートいわく──、れいばいいぬがみたぬきれいりょうりょう,魔物,悪魔がいたとか、稲荷様(神様)の乗り移りって、く観察,注意すれば、かみしばって事が理解が出来て、さとれるらしいけど──、信仰心が薄っぺらい人間に話してつうじるの? 」


厳蒔眞勇

「 “ く事は無い ” って事がまぎれもない事実なんだから、相手が納得しなかろうが、信じなかろうが、事実を伝えるしかないよ。

  嘘を教える訳にはいかないしさ 」


厳蒔惷囹

「 セロフィートいわく──、いぬがみも実際には存在しないんだろ。

  陰陽師の僕としては耳が痛い限りだが──、“ きもの ” っていう邪説は、陰陽道,密教の影響を多分に受けていて、ずもしんどう,稲荷信仰,密教信仰のさかんな地方にきものの説が多く、きもの落としの祈祷が多いって事だ。

  稲荷様に関してもあやまった知識が広まっているしな 」


厳蒔キギナ

「 狐でもなければ、神様の使いでもないんでしょ。

  稲荷様は “ 神様そのもの ” だから、狐扱いしたり、神様の使い扱いして、ぞんざいな言葉で追い使うような言いかたをするのはばちたりなのよね 」


厳蒔眞勇

「 神様をぼうとくする不敬,不謹慎なせんじょうおこないになるから、逆に厳しいいましめを祈祷師のほうが受ける事になるんだ。

  きもの落としのじゅじゅつや祈祷やはらいをしたり、こうじんすいじんさわり落としの祈祷をしたり、方角け,としまわりのはらい,星祭り除災の祈祷をする事は、に合わない事で、正しい信仰の仕方じゃないって事も言ってたよな 」


厳蒔キギナ

「 神様のたたりも無いって言ってたわよね。

  こんじん様,こうしん様,あらがみ様,埋めた井戸のすいじん様のさわり、たたりは絶対に無いって。

  こんじん様の方角でのいみさいも邪説なのよね 」


厳蒔惷囹

たたりは無いが、の人に迷惑を掛ける飲料水の汚染行為やこうかいを汚染するような公害や不衛生に対しては、厳しいいましめ,さとし,ばちしんぶつから与えられる事が有るから、単なるさわり,たたりとは全然意味が違うって事を理解して人間のほうが悟らないといけない。

  禁漁区に出掛けて密漁したさいに、漁が少ない,網をやぶる,漁具を流失するなどの損害が起こる事は、明らかに公律を守らず社会秩序を破壊する行為に対するしんぶついましめ,ばちだって事を認識し、人間がこころれ替え改める必要がある 」


厳蒔眞勇

れいばい一寸ちょっと見れば、ほんとうの御先祖の霊みたいに見えるけど、これもしんぶつしばだから、真実の御先祖の霊じゃないんだよな 」


厳蒔惷囹

「 あぁ。

  わずかだが、実際とがっしない、真実でない、道理に合わない事柄が織り込まれているから、冷静にく注意し、観察しないとコロッと騙されてしまうんだ。

  鳥の霊がいた とか魚の霊がいたとか言って祈祷するのと同じたぐいで真実のそうじゃない。

  信仰の形式としては、ていが低くて原始的未開宗教のごりで、しんぶつひと(びと)の先入知識を利用してあらわしているほう便べんだ。

  ちがった先入知識にこだわっていると、しんぶつから真実を教えてもらえないままだ 」


厳蒔眞勇

「 邪説や邪教をいて、邪行の祈祷をするぎょうしゃ,法師,神官,僧侶はだ修行未熟,修行そくものだから、しんぶつほう便べんちからの実相を知らないで、しんぶつほう便べんしゅを正しくふんべつの出来ないせんしきもの言いぶん、邪法だから真実じゃないんだよな。

  だから、だまされて後悔しないようこころしないといけないんだ 」


厳蒔惷囹

「 どんなときでも冷静さをかさず、しっかりと考えてみれば、誰にでも不合理,矛盾を発見する事が出来るんだ。

  呼吸するかのように邪道,邪教,邪行,邪法をおこなやつのカモにされない為、だまされない為には、自分で自分を守るしか無いのさ 」


厳蒔キギナ

しゅんれいに依頼するカモも減るわねぇ~~ 」


厳蒔惷囹

「 僕は本物だぞ!

  依頼者カモが減る事はないさ! 」


厳蒔眞勇

「 以上の事を踏まえたうえで考えると──、奇妙な行動をしたり、せいをしていた生徒に関しては、わるなにかが “ いてる ” って事は無くて、しんぶつが “ なにか ” を伝える為にわざ(わざ)かみしばをさせてるって事になるよな。

  クラスメイトに迷惑を掛ける役として使われてる生徒は、たいごうしゅうって事だな 」


厳蒔キギナ

「 肝心なのは、しんぶつが生徒を使って “ なにを伝えようとしているのか ” よねぇ?

  私達には解明は出来ないわよ。

  どうすんの 」


厳蒔惷囹

「 問題はなんだ。

  本来ならば、奇妙な行動をしたり、せいを発する生徒の事象をとおして、しんぶつに質問しないといけない。

  此方こちらの質問に対してしんぶつから、今の自分に出来るぜんの積みかたが分かるしょほうせんを頂けるんだが──、≪ にっぽんこく ≫にはとうらいぶつないから、それ(質問)が出来ない。

  だから、しんぶつから与えられた “ 知らせ ” をてもしゅだんも無いんだ。

  しゅだんが無ければ、しんぶつしゅまと実践(実行)が出来ないから、事象の謎を解明する事も出来ず、解決させる事も出来ない。

  よって、生徒はもとの正常な生徒には戻れないままになるだろう。

  改善するきざしが無く、今よりもあっするなら、精神病院へれられる可能性も有る 」


厳蒔キギナ

「 完全に詰んじゃってるわね。

  私達って、とことんりょくね♥️ 」


厳蒔眞勇

「 じゃあ、このままなにも出来ないままで終わるって言うのか? 」


厳蒔惷囹

「 そうだな。

  気休めにしかならないが、一時的に効果の得られるはらい,祈祷をする手も有るには有るが──、所詮はいっときの事だ。

  ときてば別の形で戻ってるぞ。

  原因を解明し、解決させない限り、終わりはなくいたちごっこが続くだけだ 」


厳蒔眞勇

「 草抜きと同じだな。

  現象を草としたら、原因は根っ子だ。

  ──根っ子をく引き抜く事が出来れば、草はえてこない。

  原因を解明して解決させる事が出来れば、用事の無くなった現象もまる。

  ──土のしたに伸びてる根っ子を残したまま、うええてる草だけを抜いても、根っ子がきてる限り、草はえ続ける。

  原因を解明する事もなく、はらい,祈祷なんかをして、一時的におさまったからと安心していたら、おかと違いで事象は形を変えて再びあらわれる。

  ──根っ子を残したまま草を引く抜くほど間抜けなはなしはないよな。

  原因を解明しないままはらい,祈祷なんかしても、一時的な処置だから解決しないんだ。

  たしかに終わりの見えないいたちごっこだよ 」


厳蒔キギナ

「 眷属ってことわりからはずれた存在なんでしょ。

  自称 “ 本物の陰陽師 ” のしゅんれいが祈祷やはらいをしてあげらいじゃないのよ。

  カモをゲット出来るしいっせきちょうじゃないの 」


厳蒔惷囹

「 誰が “ 自称 ” だって馬鹿野郎──。

  たしかにことわりからはずれた存在だから、仮に僕がはらい,祈祷をしたとしてもしんぶつからいましめられたりばちをもらう心配は無いわけだが── 」


厳蒔眞勇

なにか問題が有るのか? 」


厳蒔惷囹

はらい,祈祷に対する依存度ががるんだ。

  なにか起これば、取り敢えず『 はらい,祈祷をしとけばなんとかなるだろう 』ってな具合にあんな思考に走ってしまうのさ。

  それじゃあ、本末転倒だろ。

  祈祷師は収入源の確保が出来るし、もうけられるから嬉しくて喜ぶんだが── 」


厳蒔眞勇

「 た…たしかに── 」


厳蒔キギナ

いやねぇ~~。

  なにいまさらぜんにんぶってんのよぉ。

  しゅんれいキャラじゃないでしょ! 」


厳蒔惷囹

「 おまえ、ガチで失礼や奴だよな 」


厳蒔キギナ

「 はぁ~~?

  失礼なのは御互い様でしょ~~。

  しんぶつ意思(意志)つうが出来ないんだから、仕方無いじゃないのよ。

  それともなにもしないで、精神病院へ収容される生徒を見送ってあげるつもり? 」


厳蒔惷囹

「 怪異が絡んでない以上、僕は生徒が精神病院へ収容される事になっても別に構わないねぇ。

  僕には関係無い生徒の人生だからな 」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン…… 」


厳蒔惷囹

「 マオ、僕は主人あるじの意見に従う。

  お前(マオ)は僕になにしてほしいんだ 」


厳蒔キギナ

「 マオに丸投げしやがったわよ、コイツぅ~~ 」


厳蒔惷囹

なんとでも言えよ 」


 シュンシュンは生徒に対しての判断をのか──、オレにたくしてた。

 く逃げるんだから、もぅ~~~~。

 今日きょうの事をセロに相談してから決めようと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ