✒ 昼休み
──*──*──*── 昼休み
マオキノとセノコンが手作りしてくれた力作の重箱弁当をシュンシュンと一緒に舌鼓を打ちながら食べ終わった後──、シュンシュンと一緒に[ 教室 ]を出て、1階に在る[ 職員室 ]へ移動する。
因みにキギナはと言うと、4限目の授業が終了したら、直ぐ様[ 教室 ]から出て行った。
弁当も食べずに1人で何処へ行ったんだか──。
──*──*──*── 廊下
厳蒔惷囹
「 全く、キギナの奴は集団行動もまともに出来ないのかよ。
これだから死神って輩は── 」
シュンシュンは不満をブツブツと吐きながら、オレの左隣を歩いている。
厳蒔眞勇
「 キギナは自由だからな~~。
【 奇蹟調査検証部 】に入部した事は、放課後にでも伝えれば良いさ 」
厳蒔惷囹
「 お前はキギナに寛大だな。
僕にも寛大になってくれよ 」
厳蒔眞勇
「 十分過ぎる程、寛大だろ……。
これ以上、寛大にはなれないからな。
大体な、オレの事を “ お前 ” 呼ばわりしてる時点で、シュンシュンは既にアウト!
人生を詰んでる自覚が無いんだから…… 」
厳蒔惷囹
「 そうかぁ?
そいつぁ悪かったな? 」
厳蒔眞勇
「 何で疑問系だよ? 」
厳蒔惷囹
「 ほらほら、[ 職員室 ]に着いたぞ。
で──顧問先生の名前は何だった? 」
厳蒔眞勇
「 えぇと──遲野細倫先生だよ 」
厳蒔惷囹
「 あ゛?
奥の細道ぃ??
それって松尾芭蕉とか言う歴史的人物の── 」
厳蒔眞勇
「 全然違うから!
これが名前の漢字な 」
厳蒔惷囹
「 この教師の両親はイカれてたのか?
子供に “ ほそみち ” なんて変な名前を付けて馬鹿だったのか?
名前の所為で子供が “ クラスメイトに苛められる切っ掛けになる ” 可能性を考えられなかったのか?? 」
厳蒔眞勇
「 色んな親が居るからな。
キラキラネームを付ける事に妙な拘りを持つ変な親も居る事だし──、学校に通って集団行動をする事になる子供の未来なんて頭に浮かばないんだろ。
キラキラネームに執着し過ぎて、名前を変更したい子供にガチ切れするぐらいだしな 」
厳蒔惷囹
「 最悪な毒親だな 」
厳蒔眞勇
「 名前の変更が原因で母親から親子の縁を切られて絶縁状態になった家族も居たらしいし?
子供の名前を決めるって事は、子供の人生を大きく左右する事にもなり兼ねないから、軽い気持ちで安易に付けるもんじゃない──って事だな。
“ 名付け ” ってのは、責任重大な大役だよ 」
厳蒔惷囹
「 ネームセンスが皆無なマオは、可能な限り名付け親にはならない様に注意しないとだな! 」
厳蒔眞勇
「 シュンシュン、酷ぉ~~ 」
厳蒔惷囹
「 で──、その肝心の遲野細倫先生は[ 職員室 ]に居るのか? 」
厳蒔眞勇
「 担任の先生は──居ないみたいだな。
あの赤いジャージを着てる先生に聞いてみよう 」
そんな訳で、シュンシュンとオレは「 失礼します 」と言ってから[ 職員室 ]に入室した。
──*──*──*── 廊下
厳蒔眞勇
「 [ 部室 ]の場所を教えてもらえて良かったな。
放課後、行こう 」
厳蒔惷囹
「 そうだな……。
やたらと煩い教師だったな。
赤いジャージを好んで着る奴は、大体あんな感じなのか?
話を聞いてただけで疲れたぞ…… 」
厳蒔眞勇
「 まぁまぁ……シュンシュン。
元気で明るい先生じゃないか。
声は無駄に大きかったけど、ハキハキと言えるのは好感が持てたよ 」
厳蒔惷囹
「 “ 大きい ” を通り越して、デカ過ぎるんだよ……。
近いんだから声の調節くらいしろよな!
教師なのに生徒への配慮が欠けてたぞ! 」
厳蒔眞勇
「 体育系ぽかったよな。
保健,体育の担当だったりしてな~~ 」
厳蒔惷囹
「 赤ジャージが【 奇蹟調査検証部 】の顧問先生じゃなくて、マジで安堵した……。
赤ジャージが顧問先生だったら、入部は断固拒否るつもりだったぞ! 」
厳蒔眞勇
「 ははは……。
赤ジャージ先生とシュンシュンは波長が合わないみたいだな 」
厳蒔惷囹
「 合って堪るかよ! 」
ブツブツと文句を言いながら歩くシュンシュンと一緒に[ 教室 ]へ移動する。
厳蒔惷囹
「 くそぉ~~。
赤ジャージの所為で5限目に遅刻したら、どうするんだよ! 」
厳蒔眞勇
「 聞く先生を間違えちゃったな。
御免な、シュンシュン…… 」
厳蒔惷囹
「 別にマオの所為じゃないだろ!
悲観するなよ 」
厳蒔眞勇
「 シュンシュン……(////)
そうするよ 」
厳蒔惷囹
「 それにしても、5限目が移動教室じゃなくて良かったな 」
厳蒔眞勇
「 本当だな── 」
後10分で5限目の開始を告げるチャイムが鳴る。
廊下は走るのが禁止されてるから、シュンシュン共々早足で速度を上げて歩いた。