⭕ 傍観者達 2
厳蒔眞勇
「 そうそう、日直と副風紀委員の2人が被害者の中に入ってなくて安心したよ。
無事だと良いけど…… 」
厳蒔キギナ
「 そう言えば居なかったわね。
何処に居るのかしら?
ちゃんと帰宅はしたのかしらね? 」
厳蒔惷囹
「 下駄箱の中に靴が入ったままだからな、帰宅はしてないかもな。
校内の何処かに居るか、≪ 異界 ≫をさ迷ってるかだな 」
厳蒔キギナ
「 ≪ 異界 ≫に迷い込んでるなら助からないじゃないの。
放っといて良いの? 」
厳蒔惷囹
「 未だ≪ 異界 ≫の出入り口が見付かってないんだ。
どうしようもないのさ 」
厳蒔眞勇
「 シュンシュンの闇呪術で無理矢理≪ 異界 ≫への入り口を開けれないのか? 」
厳蒔惷囹
「 法力を大量に消費する事になる作業だから、今の僕では自分以外の≪ 異界 ≫を抉じ開ける事は出来ないんだ。
地道に式隸に探させるしかないのさ。
式神と死乃人には≪ 異界 ≫の感知は出来ないから、どうしても式隸頼みになるんだ 」
厳蒔眞勇
「 へぇ、式神と死乃人には感知の出来ない≪ 異界 ≫を探せるなんて、式隸って凄いじゃんか 」
厳蒔惷囹
「 ザコにはザコなりの使い道が有るって事だな 」
シュンシュン,キギナと喋りながら話していると、背後から声を掛けられた。
誰かと思ったら副学級委員だった。
柯楠八惠
「 一寸あなた達、さっきらから随分と物騒な話をしてるじゃないのよ 」
厳蒔キギナ
「 あらぁ、副学級委員じゃないの。
お弁当なら分けてあげないわよ 」
柯楠八惠
「 べ…別に要らないわよ!(////)
4段重ねの重箱弁当なんて、良い身分ね… 」
厳蒔惷囹
「 食べ盛りだからな。
3段のおかずは、和風,洋風,中華風の3種類を楽しめて、1段はご飯だ。
おにぎり,いなり寿司,巻き寿司,ちらし寿司だったりな。
良いだろぅ~~~~ 」
厳蒔眞勇
「 弁当自慢は止めろよ。
共働きで主婦業を放棄してる忙しい主婦には作れないんだからさ 」
厳蒔キギナ
「 主婦業を放棄してる主婦を “ 主婦 ” って呼んで良いのかしら?
完全に主婦失格者じゃないの。
仕事に現を抜かして、最愛の子供は保育所へポイして赤の他人へ丸投げ放置。
お母さんの風上にも措けない最低な母親よねぇ 」
厳蒔惷囹
「 産んだ子供を育てられないからって、安易に赤ちゃんポストへ我が子をポイする無責任なクズ親よりはマシじゃないか。
赤ちゃんポストを悪用する股も頭も緩い無責任な馬鹿女が増えるけどな 」
厳蒔眞勇
「 キギナもシュンシュンも言い過ぎだぞ。
確かに赤ちゃんポストを悪用する無責任な母親も確かに居るけど──、赤ちゃんポストが設置される事で、ゴミ捨て場や公衆トイレ,寺や神社,教会の前,駅の待合室,ロッカーの中に捨てられる子供を減らす事も出来て、尊い命を助ける事が出来るんだ。
悪い事ばかりじゃない筈だろ。
1番悪くて罪深いのは、避妊をしないで楽しむ無責任な男女の方だし。
避妊をしたからって100%妊娠を防げる訳じゃないけど、御互いにちゃんと意識し合って、きちんと注意もし合って、確認を怠らずに気を付けさえすれば、望まない妊娠も堕胎も防げる犯罪だよ 」
厳蒔惷囹
「 マオも言うじゃないか。
望まない妊娠も堕胎も犯罪ねぇ。
まぁ、確かに “ 女性の権利 ” を振り翳し、堕胎を肯定,正当化するのは犯罪者寄りの思考と言わざる得ないよな。
神佛から授かった尊い命を身勝手極まりない都合で、宿った胎内から摘出して、ポイするんだもんなぁ。
2度と命を授かれない身体になれば、2度,3度,4度と堕胎されて終わらされる儚い命も減るだろうよ。
欲しい時には命を育めない身体で、好きな男と好きなだけパコリ合えば良いのさ 」
厳蒔キギナ
「 キャハハハハ(*≧∀≦*)
何それ、サイコぉ~~~~★
子供が欲しくない時には “ 女性の権利 ” を散々利用しては堕胎しといて、いざ子供が欲しくて産みたくなった時には子供を授かれない身体になってるなんて、超絶ウケるぅ~~。
まぁね、宿った命を自分の都合で捨てる女は、母親になる権利を持ってても、資格なんて無いわよねぇ。
平気で堕胎しといて、悪びれもなく性に乱れた生活してた女に、子供だって育てられたくないんじゃないのぉ?
“ 女性の権利 ” で堕胎を肯定,正当化する様な女に育てられた子供は、幸せになれるのかしらね? 」
厳蒔惷囹
「 自分が産まれる前に、兄姉になったかも知れない存在を身勝手な都合で堕胎しといて、平然と母親面して育てられている事実を知った子供は、母親を尊敬は出来なくなるだろうし、幻滅もし兼ねない可能性も無いとは言えない。
だが、そんなのは子供次第だ。
母親が逮捕されないだけの前科持ちのクズでも立派な人格者に育つ子供は稀に居るんだ。
決して見習ってはいけない,なってはいけない大人として反面教師に出来る子供に育つと良いよなぁ。
副学級委員もそう思うだろ? 」
柯楠八惠
「 …………私の母親はシングルマザーよ!
私の為に仕事に励んで此処まで育ててくれたのよ。
私は母親を1人の女性としても尊敬しているわ。
働き方改革が改善されて、女性が社会進出をし易くなった御蔭で、女性も楽しく生き生きと働ける様になったのよ。
母親も喜んでるわ 」
厳蒔惷囹
「 女性が社会進出して生き生きと働ける社会にはなったが、その代わりに犠牲者,被害者を大量に生産してる事実から目を逸らさない事だ。
≪ 日本国 ≫の未来を担う為に産まれた宝でもある子供達が被害を被ってるって事実をな!
3歳児神話を根拠が無いと否定し、産まれて間もない我が子を当然の様に他人へ預けて、“ お母さん ” で居る事より、子育てから逃げる為に仕事を選び、子育てを放棄する母親が増えたんだ。
母親らしい事は放棄してるくせに、母親ぶっては子供に自分の理想を押し付け、勝手に未来を決め付け、支配しようとする。
子供が切なる気持ちを伝えただけで、我が儘呼ばわりしたり、親にとって都合の良い “ よいこ ” を押し付ける。
口答えをしたり、反発したりすれば、やれ不良だのやれグレたと言っては子供を責め、貶しては見下し、勝手に失望する。
副学級委員の母親はどうだったんだ?
ちゃんと娘のSOSに気付いて、同じ目線で接してくれたのか?
理想の子供像を母親から植え付けられなかったか?
寂しい思いをしたり、我慢を強いられたりしなかなったのか? 」
柯楠八惠
「 そ…そんなの──厳蒔君達には関係無いでしょ!!
私は──男性社員と肩を並べて仕事に生きるバリバリのキャリアウーマンな母親を尊敬しているのよ!
変な事を言わないで! 」
厳蒔キギナ
「 嫌だぁ~~。
確りと母親に洗脳されちゃってるわね。
御愁傷様だわ 」
厳蒔惷囹
「 子供は無条件で母親を崇拝する信者みたいなもんだからな。
自分を虐待して危害を加える母親を庇い、母親が不利にならない様に嘘まで吐いて母親を守ろうとする。
母親への依存力は馬鹿に出来ないぞ。
幼い子供が頼れる相手は、腹を痛めて産んでくれた “ お母さん ” だけだ。
子供にとって自分を守ってくれる尊い存在は誰でもない “ お母さん ” だ。
無条件にすがれて信頼の出来る唯一無二の味方は “ お母さん ” しかいない。
にも関わらず、母親になったと言うのに “ お母さん ” である事を嫌い、我が子の世話を他人へ任せ、幼い子供に孤独感を植え付け、信頼を裏切っている。
嫌だねぇ──、そんな母親を子供は “ お母さん ” として敬い感謝しないといけない。
何故だかわかるか、副学級委員さん。
子供は母親に “ 産んでもらった恩 ” が有るからだ。
子供が望んで産まれて来なくても、この世に生まれて来た以上、“ 産んでもらった恩 ” っていう事実は消えやしない。
両親が死のうが自分が死のうが、子孫が絶えない限り、“ 産んでもらった恩 ” ってのは消えずに残る。
先祖と子孫を繋ぐ唯一無二の証だからな 」
厳蒔眞勇
「 先祖と子孫を繋ぐなら、先祖代々続く戸籍もだろ。
女性の社会へ進出は悪い事じゃないし、否定もしないけどさ、家庭や家族を壊す事に少なからず貢献してるって事──。
幼い子供が犠牲者,被害者になって寂しくて辛くて孤独な想いをさせてるって事──。
父親と母親は忘れちゃ駄目だよな。
専業主婦を否定したり、専業主婦を役立たず,お荷物扱いしたり、悪に位置付けて減らそうとする活動は間違ってるよ。
専業主婦っていう縁の下の力持ちが、未来を担う子供達を世の中の役に立てる,人の役に立てる人間に育てる努力を惜しみ無くしてくれるから社会が成り立つんだ。
国家を支えている1番の功労者は、子育てに奮闘して頑張ってる全国の専業主婦なんだ。
それを忘れて、専業主婦を減らそうとしたり、寄生虫だの穀潰しだの金食い虫だの散々な事を言っては専業主婦の役目を蔑ろにする様な奴等が──、家庭を壊して、家族をバラバラにして、≪ 日本国 ≫を解体させる政策に加担してる事に気付かないで笑ってるんだよな 」
厳蒔キギナ
「 家庭が壊されて、家族がバラバラになって、≪ 日本国 ≫が解体されたとしても、私達には関係無い話だけどね~~ 」
厳蒔惷囹
「 その通りだ!
僕等にしてみれば、好都合だからな 」
厳蒔眞勇
「 シュンシュンもキギナもキノコン達みたいな事を言わないでくれよな……。
かなり脱線しちゃったな。
副学級委員はオレ達に用でもあるの? 」
柯楠八惠
「 そうだったわ!
アンタ達に── 」
副学級委員が用事を言い掛けた時、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
副学級委員は「 放課後に話すわ 」と言って、自分の席へ戻って行った。
一体何を言い掛けたんだろうな?
◎ 訂正しました。
式隸 ─→ 式隸




