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☀ 七不思議の怪  作者: 雪*苺
一〇日目 【 水曜日 】
25/38

✒ 登校日 2


──*──*──*── 1階・廊下


厳蒔キギナ

「 結局、日直(萩原君)まりさんはに行ったのかしらね? 」


厳蒔惷囹

「 どうでもいだろ。

  それよりもだ、マオとキギナが体験した怪奇の謎を解明するぞ 」


厳蒔眞勇

「 階段が終わらない怪奇だな。

  3階と4階のあいだでしか起きないのかな? 」


厳蒔惷囹

「 それを今から検証するんだ 」


厳蒔眞勇

「 今から? 」


厳蒔惷囹

「 当たりまえだろ。

  とは言え、教師がるから見付かると面倒だ。

  姿を消して検証するぞ 」


厳蒔キギナ

「 そうなるわよねぇ? 」


 シュンシュンは陰陽術を使って、オレの姿を消してくれる。

 キギナは死神の能力ちからで姿を見えなくしたみたいだ。


──*──*──*──階段


厳蒔キギナ

「 やっぱり怪異のわざかしらね 」


厳蒔惷囹

「 いや、違うみたいだな。

  しきれいじんもんしたが、そんな能力ちからを持つ怪異はないとさ 」


厳蒔眞勇

ごうもんしといて “ じんもん ” って言ってないよな? 」


厳蒔惷囹

「 おい、マオ。

  僕をなんだと思ってるんだ!

  さいを “ しんゆう ” と読んでも、ごうもんを “ じんもん ” と読む訳ないだろ 」


厳蒔眞勇

「 そうかな?

  シュンシュンなら言いそうだけどな 」


厳蒔惷囹

ひどい奴だな。

  そもそもだぞ、ごうもんなんてなまぬるい事するかよ 」


厳蒔眞勇

「 どっちがひどいんだか…… 」


厳蒔キギナ

「 普通に4階へ着いちゃったわね 」


厳蒔眞勇

ほんだな。

  1階へりたら、こんは別の階段でも試してみよう 」


厳蒔惷囹

「 校内の地図マップならしきれいにパクらせといたのが有るから使おう 」


厳蒔眞勇

「 パクらせた?

  しきれいに泥棒さたのか? 」


厳蒔惷囹

「 安心しろよ。

  使うのはコピーした地図マップだ。

  コピーするのに地図マップは必要だろ。

  一時的にはいしゃくしただけさ 」


厳蒔眞勇

まぎらわしい言葉の使いかたしない! 」


厳蒔惷囹

「 “ はいしゃく ” も “ パクる ” も同じ意味だろ。

  “ はいしゃく ” って言葉は、盗みを肯定,正当化したい馬鹿が使いたがる言葉だぞ。

  僕は盗みを肯定も正当化もしないしょうじきものって事さ! 」


厳蒔眞勇

「 セロにも言っとくな~~ 」


厳蒔惷囹

「 セロフィートにチクるなよ!

  MBK(魔法のブラックカード)を没収されたらどうするんだ! 」


厳蒔眞勇

「 ………………はぁ…… 」


 シュンシュンが出してくれた校内の地図マップを広げる。

 1階から4階へがり、4階から1階へりた階段には(バッテン)を付ける。

 検証の結果、の階段を使って4階へがり、1階へりても階段ばかりが続く怪奇は発生しなかった。


厳蒔眞勇

「 どういうこっちゃだ?

  なんで今回は階段ばかりにならないんだ?? 」


厳蒔キギナ

「 今は放課後よ。

  このまえも放課後だったわ。

  …………事件が起きないと発生しないとか? 」


厳蒔惷囹

「 なら、事件を起こして試してみるか 」


厳蒔眞勇

なんで事件を起こす前提で話すんだよ。

  オレ達が事件を起こしたら駄目だろ。

  オレ達は依頼を解決する立場だからな 」


厳蒔惷囹

「 分かってるさ。

  故意に事件を起こしたりしやしないって── 」


厳蒔キギナ

「 ねぇ、見てみなさいよ。

  教師達が総出で[ 中庭 ]の穴を埋めてるわよ。

  結構ふかく掘ってたから、穴を埋めるのも一苦労ね 」


厳蒔眞勇

ほんだな。

  みんな、ジャージに着替えてるな 」


厳蒔惷囹

「 結局、警察はなかったんだな。

  折角、ブツと写真をプレゼントしてやったのに、とんだ怠慢だな! 」


厳蒔眞勇

「 ははは……。

  警察も忙しいからな 」


厳蒔キギナ

「 なんてたって “ 犯罪都市 ” の米●町だものね。

  でも事件が起きるんだもの。

  手が回らないんでしょ~~ 」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン、どうする?

  階段の怪奇は後回しにして、ほかの怪奇の調査をするか? 」


厳蒔惷囹

「 そうだな。

  [ プール ]と[ 屋上 ]どっちを調べたい? 」


厳蒔キギナ

「 どっちも怪異のわざなんでしょ。

  しきれいは犯人の怪異を目撃してないの? 」


厳蒔眞勇

「 残念ながら、してないんだ。

  でも怪異のわざなのはたしかみたいかな 」


厳蒔キギナ

「 ふぅん?

  しゅんれいやみじゅじゅつあぶり出せないの?

  こういうときにこそ、やみじゅじゅつかしなさいよ。

  使えないわねぇ 」


厳蒔惷囹

お前(キギナ)が言うなよ。

  それより、お前(キギナ)が見たって言うあおい蝶はなんだよ。

  今でもあおい蝶に付きまとわれてる生徒はるのか? 」


厳蒔キギナ

「 そう言えば──、今日きょうだ見てないわね。

  へ飛んでったのかしら? 」


厳蒔惷囹

お前(キギナ)、いい加減だぞ。

  家族に相談してないのかよ 」


厳蒔キギナ

「 はぁ?

  なんで相談しないといけないのよぉ 」


厳蒔眞勇

「 キギナにはあおい蝶に見えるけど、家族にも同じ蝶で見えるとは限らないんだよな? 」


厳蒔キギナ

「 そうよ!

  相談するだけ無駄なのよ 」


厳蒔惷囹

「 人生の先輩に聞くんだぞ。

  無駄では無いだろ。

  影の中に潜む “ なにか ” の事も有るし、謎を謎のままにするなよ。

  マオと僕には見えない存在なんだからな! 」


厳蒔キギナ

「 そんな事、言われてもね── 」


 シュンシュンとキギナが言い合いを始めるとからか悲鳴が聞こえた。

 1人の悲鳴じゃなくてすうにんの声が重なった悲鳴だ。

 なんだろうな?


厳蒔眞勇

「 どうしたんだろう? 」


厳蒔キギナ

「 事件かしら? 」


厳蒔惷囹

「 [ 校庭 ]の調査をさせていたしきれいからだ。

  ──なにも無かった筈の壁から突如、人間の身体からだが現れたらしい。

  壁と一体化しているみたいだ 」


厳蒔キギナ

なによ、その怪事件!

  ぐに行きましょ! 」


厳蒔眞勇

「 めっちゃ嬉しそうだな…… 」


厳蒔キギナ

「 だってぇ、こんこそ “七不思議の怪 ” かも知れないじゃないのよ! 」


厳蒔惷囹

「 どうやら、壁と一体化してるのは生徒らしいぞ。

  きてるみたいだ。

  悲鳴のぬしは壁と一体化してる生徒らしい 」


厳蒔眞勇

「 急ごう!

  今なら助け出せるかも知れないし 」


厳蒔惷囹

「 行ってやるか。

  しきれいに案内させるから付いていよ 」


厳蒔厳蒔

がてう」


 キギナとオレはシュンシュンの案内── 正確にはしきれいだけど ──で、1階の廊下を走り出した。

 下駄箱の在る[ 正面玄関 ]をして走るけど、までっても[ 正面玄関 ]に着かない。

 もしかして、キギナとオレが体験した “ ループ階段 ” と同じ怪奇現象か!?


厳蒔キギナ

「 嘘でしょう?!

  階段じゃなくて、こんは廊下なのぉ~~ 」


厳蒔眞勇

「 これって “ ループ廊下 ” ってヤツかな。

  一体どういう仕組みでなるんだよ? 」


厳蒔キギナ

しゅんれいっ!

  アンタのやみじゅじゅつなんとかしなさいよぉ!

  これ以上、無駄に走りたくないのよ 」


厳蒔眞勇

「 こんなときにキノコンがてくれたらな…… 」


厳蒔惷囹

「 ──そういう事か。

  ほどねぇ…… 」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン?

  急にどうしたんだよ 」


厳蒔惷囹

たしかに、この現象は怪奇だ 」


厳蒔キギナ

一寸ちょっとぉ、1人で納得してないで説明しなさいよぉ! 」


厳蒔惷囹

「 この怪奇現象はしばらくすればもとの廊下に戻るさ。

  に動かないほういぞ。

  階段の怪奇現象と異なるからなぁ。

  今から結界を張るから出るなよ。

  あと、はぐれたとき用に持っとけ 」


 簡単に結界を張ったシュンシュンは、黄色系の紐が複雑に編み込まれた1本の紐を陰陽陣から出す。

 キギナとオレの右手首に紐を巻き付けてくれた。


厳蒔眞勇

「 シュンシュン、この紐は? 」


厳蒔惷囹

「 迷ったときぐちを教えて案内してくれる紐だ。

  貸し出し料金、70万な 」


厳蒔眞勇

「 シュンシュン、こんなときに商売するなってば 」


厳蒔惷囹

「 買うと100万するんだぞ!

  良心的な僕に感謝しろ。

  それが無いと “ ループ現象 ” から脱出する事は出来ないんだぞ 」


厳蒔キギナ

「 どういう事よ 」


厳蒔惷囹

「 この怪奇現象を起こしてる犯人は怪異だが、普通の怪異じゃないって事さ。

  さま(ざま)な怪異や異形を取り込み吸収して誕生した特異体質の怪異だ 」


厳蒔眞勇

「 特異体質?? 」


厳蒔惷囹

「 あぁ──。

  この怪奇現象を起こしてる犯人(怪異)は、制御がかなくなり暴走したしろが、術師(術者)を呑み込みらった事で、自由に動き回れる肉体を得る事が出来た。

  その暴走したしろは怪異や異形を取り込み吸収した事で、肉体だけでなく知能も手にれた。

  知能が有るんだから自我もえているだろうな 」


厳蒔眞勇

「 それが特異体質の怪異…… 」


厳蒔惷囹

「 そうさ。

  厄介な事にコイツはか、死神のキギナにしか見えない存在って事だ 」


厳蒔眞勇

「 えっ?

  シュンシュンとオレには見えないのか? 」


厳蒔惷囹

「 あぁ、見えないねぇ。

  だから、コイツに関しては姿を見る事が出来るキギナが頼りとなる 」


厳蒔キギナ

一寸ちょっと待ちなさいよ!

  なんで “ 私にしか見えない ” って分かるのよ?

  おかしいでしょ! 」


厳蒔惷囹

「 僕に聞くな。

  特異体質の怪異の仕組みなんて知るか。

  つかまえて研究だの実験だのしないと真相は分からん。

  これはながねんつちかってた陰陽師としての勘だ 」


厳蒔眞勇

「 大人しく待っとけばほんもとに戻るのか? 」


厳蒔惷囹

「 あぁ、これは特異体質の怪異が移動したあとに起こる現象だからな。

  一時的なものだ 」


厳蒔眞勇

「 “ ループ階段 ” のときは4階にがる事で戻れたんだよな。

  [ 教室 ]に戻ろうとすれば戻れるんじゃないのか? 」


厳蒔惷囹

「 素人はあんに動き回るもんじゃない。

  結界の中で待ってればいのさ 」


 そう言うとシュンシュンは、使えきしているしきれいと会話を始めた。

 ブツブツとつぶやきながら、細かく指示を出しているみたいだ。

 早くもとの廊下に戻って、悲鳴の聞こえた場所に向かわないとだ!

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