✒ 七不思議の怪 3
──*──*──*── 校庭の隅
──*──*──*── 祠
キギナ
「 ねぇ~~。
この小汚なくて、ボッチいのが祠なのぉ?
ガタガタじゃないのよ 」
マオ
「 …………本当だな。
随分と粗末な扱いをされてるみたいだ 」
[ 正面玄関 ]から出たオレ達は、シュンシュンの闇呪術で姿を消してもらった状態で祠の前に立っている。
因みに死神族のキギナは自身で姿を消す事が出来るから、闇呪術の力は借りていない。
マオ
「 祠ってさ、神佛の御魂──御神霊を祀ってたりするんだろ。
これは相当な罰当たりなんじゃ…… 」
霄囹
「 そうだな。
世間一般的には荒御魂,和御魂,幸御魂,奇御魂の何れかが祭祀されている筈だな。
本来ならば、その御神霊が守護の力を示されるもんだ。
だが──、残念な事にこの祠からは、神佛の御魂──御神霊の力を感じない。
中身は空っぽだろうな 」
キギナ
「 ねぇねぇ、開けてみましょうよ。
開けたら中に何が入ってるのか分かるじゃないの? 」
マオ
「 勝手に開けて大丈夫なのかな? 」
霄囹
「 問題無いだろ。
こんなにボロいし、放置されてる祠だからな、何も入って無いかも知れないぞ。
開けてみよう 」
マオ
「 祠ってさ、“ 七不思議の怪 ” に関連あると思うか? 」
霄囹
「 どうだろうな 」
シュンシュンが今にも壊れそうな祠に手を伸ばす。
小さな扉は両開きするみたいだ。
引っ掛けて鍵を掛けるタイプの簡単で御粗末な鍵を外したシュンシュンは、祠の扉を静かに開けた。
祠の中には小さな座布団みたいなのが置かれていて、真ん中にはヒビの入った球体の石が入っていた。
見事な迄に球体の石の上には、不揃いの星のマークが7つ描かれている。
赤ペンで描かれているのを見ると、誰かの悪戯描きかも知れない。
キギナ
「 これってド◯ゴ◯ボ◯ルの真似してるわよねぇ。
興味本意で祠を開けたら、丸い石が入ってたから、面白がって描き足したんじゃないのぉ。
馬鹿な生徒の仕業じゃないの?
まさか教師が子供染みた低レベルな悪戯描きなんてしないんじゃない? 」
マオ
「 酷い悪戯だな。
落書きしてる最中にでも、誤って地面に落としたんじゃないのか?
それが原因で石にヒビが入った──って感じか? 」
キギナ
「 謎ね!
赤ペンで描かれてる星は色褪せているから、かなり前に描き込まれたかも知れないわ 」
マオ
「 シュンシュン、さっきから黙り込んでるけど、どうしたんだ? 」
霄囹
「 呆れて言葉を失ってるんだ。
この球体の石は、そんじょ其処い等に転がってる様な石じゃない。
これは神龍が持つ “ 如意宝珠 ” をイメージして、職人が魂を込めて作った作品だ。
国宝級の芸術品でもある 」
マオ
「 国宝級の芸術品?!
この球体の石がぁ??
信じられないな…… 」
キギナ
「 ヒビ割れてた小汚ない石なのにね!
ところでぇ、如意宝珠って何なのよ? 」
霄囹
「 意のままにあらゆる願いを叶える能力を秘めた宝珠だ。
妄想の産物だな。
四神,四獣,四象とか呼ばれている青龍も “ 如意宝珠 ” を持っていると言われているんだ。
“ 功徳がある ” と信じられている宝珠でも有るから、神佛の御神霊を宿す神器としても有名で── 」
キギナ
「 余計なウンチクは要らないから!
要は人間に都合の良過ぎる御都合主義的な “ 願い玉 ” って事でしょ?
それを割らかした罰当たりな馬鹿と落書きをした馬鹿が居るって事でしょ 」
マオ
「 キギナ、言葉が悪いぞ。
祠に入ってる球体の石は、御魂が宿っている神器として昔は “ 祀られてた ” って事だよな? 」
霄囹
「 そうだな。
事情が何であれ、神器が割れてしまった事が原因で、神器に宿っていた神佛の御魂──御神霊が抜けてしまったんだろう 」
キギナ
「 御神霊って勝手に抜けるもんなのぉ?
嘘こいてんじゃないでしょうねぇ 」
霄囹
「 あのなぁ、粗末にされてる場所に何時迄も留まる訳がないだろ。
この祠の有り様を見てみろよ。
修理も修繕もされた形跡も無いし、掃除もされていない。
埃まみれで、屋根は鳥の糞で汚れてるぞ。
放ったらかしで、御供えすらされていない。
罰当たりな酷い有り様じゃないか。
信仰心の欠片も皆無な高校の片隅に忘れ去られた様に放置されている祠に御神霊が何時までも留まってる訳ないだろ。
御神霊に見限られたんだよ 」
マオ
「 じゃあ、本来は御神霊の能力で守護されている筈の高校なのに、現在は全く守護されてない状態──って事か? 」
キギナ
「 じゃあ、不可思議で不可解な怪奇事件で生徒と教師が死んだのは、守護されて無い事に依って、“ 起きるべきして起きた ” って事かしら? 」
霄囹
「 信仰心を失った人間が知らず知らずに招いた “ 同情する余地の無い ” 残念極まりない事件かもな。
因果応報ってヤツだ 」
マオ
「 被害者達は因果応報のとばっちりを受けてしまった──って事になるのかな?
可哀想だよな……。
クズ教師は別として── 」
キギナ
「 そうね。
女の敵なクズ教師は自業自得よ!
●●●を中身から膿
マオ
「 中から膿
そんな事が出来るのか?? 」
キギナ
「 知らないわ。
そんな病気も有るんじゃないのぉ?
病気って色
人間には罹
マオ
「 そうだな。
どんな病気に罹
何
霄囹
「 おぃおぃ、酷
≪ 日
セロフィートが≪ 日
神
マオ
「 分かってるよ 」
キギナ
「 セロフィートに頼めば、●●●を使えなくする病気に罹
マオ、任せたわよ♥️ 」
マオ
「 オレに丸投げするんだな…… 」
霄囹
「 ──この祠
此
マオ
「 そうなのか? 」
霄囹
「 祠
移転させたのが、業者か教師か生徒かは分からないが── 」
マオ
「 最初は何
霄囹
「 さぁな。
式
待ってろ 」
シュンシュンは式
シュンシュンの場合は、命令した──かな?




