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☀ 七不思議の怪  作者: 雪*苺
三日目 【 水曜日 】
20/38

✒ 七不思議の怪 3


──*──*──*── 校庭の隅


──*──*──*── 祠


キギナ

「 ねぇ~~。

  このぎたなくて、ボッチいのがほこらなのぉ?

  ガタガタじゃないのよ 」


マオ

「 …………ほんとうだな。

  随分とまつな扱いをされてるみたいだ 」


 [ 正面玄関 ]から出たオレ達は、シュンシュンのやみじゅじゅつで姿を消してもらった状態でほこらまえに立っている。

 ちなみに死神族のキギナは自身で姿を消す事が出来るから、やみじゅじゅつちからは借りていない。


マオ

ほこらってさ、しんぶつたま──れんれいまつってたりするんだろ。

  これはそうとうばちたりなんじゃ…… 」


霄囹

「 そうだな。

  世間一般的にはあらたまにぎたまさちたまくしたまれかがさいされている筈だな。

  本来ならば、そのしんれいが守護のちからを示されるもんだ。

  だが──、残念な事にほこらからは、しんぶつたま──れんれいちからを感じない。

  中身はからっぽだろうな 」


キギナ

「 ねぇねぇ、けてみましょうよ。

  けたら中になにはいってるのか分かるじゃないの? 」


マオ

「 勝手にけて大丈夫なのかな? 」


霄囹

「 問題無いだろ。

  こんなにボロいし、放置されてるほこらだからな、なにはいって無いかも知れないぞ。

  けてみよう 」


マオ

ほこらってさ、“ 七不思議の怪 ” に関連あると思うか? 」


霄囹

「 どうだろうな 」


 シュンシュンが今にもこわれそうなほこらに手を伸ばす。

 小さな扉はりょうびらきするみたいだ。

 引っ掛けて鍵を掛けるタイプの簡単でまつな鍵をはずしたシュンシュンは、ほこらの扉をしずかにけた。


 ほこらの中には小さな布団ぶとんみたいなのが置かれていて、真ん中にはヒビのはいった球体の石がはいっていた。

 見事な迄に球体の石のうえには、ぞろいの星のマークが7つかれている。

 赤ペンでかれているのを見ると、誰かの悪戯いたずらきかも知れない。


キギナ

「 これってド◯ゴ◯ボ◯ルの真似してるわよねぇ。

  興味本意でほこらけたら、丸い石がはいってたから、おもしろがってしたんじゃないのぉ。

  馬鹿な生徒のわざじゃないの?

  まさか教師が子供みた低レベルな悪戯いたずらきなんてしないんじゃない? 」


マオ

ひど悪戯いたずらだな。

  落書きしてるさいちゅうにでも、誤って地面に落としたんじゃないのか?

  それが原因で石にヒビがはいった──って感じか? 」


キギナ

「 謎ね!

  赤ペンでかれてる星はいろせているから、かなりまえき込まれたかも知れないわ 」


マオ

「 シュンシュン、さっきから黙り込んでるけど、どうしたんだ? 」


霄囹

あきれて言葉を失ってるんだ。

  この球体の石は、そんじょに転がってるような石じゃない。

  これはしんりゅうが持つ “ にょほうじゅ ” をイメージして、職人がたましいを込めて作った作品だ。

  国宝級の芸術ひんでもある 」


マオ

「 国宝級の芸術ひん?!

  この球体の石がぁ??

  信じられないな…… 」


キギナ

「 ヒビ割れてたぎたない石なのにね!

  ところでぇ、にょほうじゅってなんなのよ? 」


霄囹

「 意のままに願いを叶える能力ちからを秘めたほうじゅだ。

  妄想の産物だな。

  しんじゅうしょうとか呼ばれているせいりゅうも “ にょほうじゅ ” を持っていると言われているんだ。

  “ 功徳がある ” と信じられているほうじゅでも有るから、しんぶつしんれい宿やどしんとしても有名で── 」


キギナ

「 余計なウンチクはらないから!

  ようは人間に都合の過ぎる御都合主義的な “ ねがだま ” って事でしょ?

  それを割らかしたばちたりな馬鹿と落書きをした馬鹿がるって事でしょ 」


マオ

「 キギナ、言葉がわるいぞ。

  ほこらはいってる球体の石は、たま宿やどっているしんとして昔は “ まつられてた ” って事だよな? 」


霄囹

「 そうだな。

  事情がなんであれ、しんが割れてしまった事が原因で、しん宿やどっていたしんぶつたま──れんれいが抜けてしまったんだろう 」


キギナ

れんれいって勝手に抜けるもんなのぉ?

  パチこいてんじゃないでしょうねぇ 」


霄囹

「 あのなぁ、まつにされてる場所に迄もとどまる訳がないだろ。

  このほこらさまを見てみろよ。

  修理も修繕もされた形跡も無いし、掃除もされていない。

  埃まみれで、屋根は鳥の糞でよごれてるぞ。

  ったらかしで、御供えすらされていない。

  ばちたりなひどさまじゃないか。

  信仰心のかけも皆無な高校の片隅に忘れ去られたように放置されているほこられんれいまでもとどまってる訳ないだろ。

  れんれいに見限られたんだよ 」


マオ

「 じゃあ、本来はれんれい能力ちからで守護されている筈の高校なのに、現在はまったく守護されてない状態──って事か? 」


キギナ

「 じゃあ、不可思議で不可解な怪奇事件で生徒と教師が死んだのは、守護されて無い事に依って、“ 起きるべきして(物事が必然的に)起きた(発生した) ” って事かしら? 」


霄囹

「 信仰心を失った人間が知らず知らずにまねいた “ 同情する余地の無い ” 残念きわまりない事件かもな。

  因果応報ってヤツだ 」


マオ

「 被害者達は因果応報の受けて(らって)しまった──って事になるのかな?

  可哀想だよな……。

  クズ教師は別として── 」


キギナ

「 そうね。

  女の敵なクズ教師は自業自得よ!

  ●●●を中身からませて、2度と使えなくしてやりましょ★ 」


マオ

「 中からませる?

  そんな事が出来るのか?? 」


キギナ

「 知らないわ。

  そんな病気も有るんじゃないのぉ?

  病気っていろんな種類が有るじゃない。

  人間にはかかる病気を選べないでしょ 」


マオ

「 そうだな。

  どんな病気にかかるかは──、かぞえ切れないほど存在している病気の中からしんぶつがチョイスするからな。

  なんで沢山ある病気からわざ(わざ)その病気を選ばれたのか──、理由はチョイスしたしんぶつにしか分からないから、質問(御伺い)して、しんぶつしゅを教えて頂くしかないんだよな…… 」


霄囹

「 おぃおぃ、こくな事を言うなよ。

  ≪ にっぽんこく ≫には “ とうらいぶつ ” はしゅっせいしてないんだぞ。

  セロフィートが≪ にっぽんこく ≫から出て行かない限り、 “ とうらいぶつ ” はしゅっせいしないんだ。

  しんぶつ質問(御伺い)して、しんぶつしゅを教えて頂くなんて、ファンタジーな事は出来ないんだぞ 」


マオ

「 分かってるよ 」


キギナ

「 セロフィートに頼めば、●●●を使えなくする病気にかからせる事なんて簡単でしょ★

  マオ、任せたわよ♥️ 」


マオ

「 オレに丸投げするんだな…… 」


霄囹

「 ──このほこら、どうやら場所をうつされてるみたいだな。

  は本来の場所じゃないみたいだぞ 」


マオ

「 そうなのか? 」


霄囹

ほこらを移転させているさいちゅうしんを落とした可能性も有るかもな。

  移転させたのが、業者か教師か生徒かは分からないが── 」


マオ

「 最初はに設置されてたんだろうな? 」


霄囹

「 さぁな。

  しきれいに調査させてみるか。

  待ってろ 」


 シュンシュンはしきれいを召喚すると、ほこらが移転されるまえの場所を突きめるように指示を出した。

 シュンシュンの場合は、命令した──かな?

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