⭕ 暗闇でドキっ ３
マオキノ
「 マオ様、鏡に貼ったブラックテープを剥がす作業に取り掛かりますエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノ。
頼むよ 」
霄囹
「 さてと、お前には幾つか聞きたい事がある。
正直に話せよ 」
シュンシュンは怪異に校内で起きた事件の事を聞いている。
１つ目は［ 駐車場 ］に停められていたホッチ先生の愛車のタイヤが４つ共パンクしていた事──。
犯人は、この怪異じゃないみたいだ。
怪異の話だとホッチ先生の愛車のタイヤをパンクさせた犯人は人間らしい。
この学校の生徒で、柄の悪い不良達が数人で、ホッチ先生の愛車に悪戯していたみたいだ。
捜査中の刑事に情報提供しないとだな！
２つ目は一昨日の放課後から行方知れずだったホッチ先生の事──。
昨日［ 中庭 ］で遺体が発見されて帰らぬ人になってしまったけど、ホッチ先生を落下させて死亡させたのかも聞く。
これに関しては、別の怪異が関わっているみたいだ。
ホッチ先生を落下死させた怪異は、ホッチ先生の影に潜んでいた怪異らしく、その怪異は影の中を進んでは校内を移動しているらしい。
人間の影の中に潜んでいても特に悪さをする事は無いらしいけど、気紛れに人間を落下死させて楽しむらしい。
次の人間の影へ移動して潜んでは気紛れに落下死させる──を繰り返す怪異なんだとか。
マオ
「 “ 七不思議の怪 ” と関係してるか分からないけど、放ってはおけない怪異だな。
キギナに協力してもらって捕まえないと！ 」
霄囹
「 次の質問だ 」
３つ目は【 帰宅部 】の女子生徒を無関係な【 地域ボランティア部 】の［ 部室 ］の中で襲った理由と、どうやって［ 部室 ］の鍵を開けたのか──。
怪異の話では、［ 部室 ］の鍵を開けた犯人は怪異じゃなくて人間らしい。
生徒じゃなくて教師みたいだ。
怪異の話では、女子生徒は［ 部室 ］の鍵を開けた教師と逢い引きをしていた関係だったらしい。
【 地域ボランティア部 】が校外で部活動する日は、［ 部室 ］が使われる事は無い。
誰もが【 地域ボランティア部 】の［ 部室 ］は “ 鍵が掛かっていて閉じている ” と思っているから、邪魔者も来やしないって事もあってか、お股が緩くてガバガバな女子生徒との “ 禁断の恋愛ごっこ ” を楽しみたいクズ教師が悪用していたらしい。
一昨日もクズ教師が女子生徒を［ 部室 ］で待たせており、ちちくりあう予定だったんだとか。
だけど、どうした事か一昨日はクズ教師が［ 部室 ］へ来る事は無かった。
たった１人でクズ教師を待っていた女子生徒が泣き出したのを見ていた怪異は、来ないクズ教師の代わりに女子生徒と遊んであげる事にしたらしい。
この怪異からしてみれば、何て事ない “ 善意の行動 ” だったらしい。
泣き出したから “ 遊んであげた ” だけで、其処に悪意は欠片も無かったんだと怪異は訴えて来る。
だからって、両腕や両足を捻るのは──なぁ？
おまけに首から上も喰べちゃってるしぃ～～。
怪異曰く、女子生徒の頭は美味だったそうだ。
人間の脳ミソと眼球は美味いんだとか。
来る筈だった教師が誰なのかは、怪異が明日教えてくれる事になった。
名前は知らないけど、顔ならガッツリ見ているから、［ 職員室 ］で教師を見れば分かるらしい。
これで【 地域ボランティア部 】の［ 部室 ］の鍵を勝手に開けて、【 地域ボランティア部 】の［ 部室 ］の無断で使っていた犯人が判明する訳だ。
教師の誰が犯人なのか、楽しみだったりする。
自分達が校外で地域住民と協力してボランティア活動に精を出していた時に、無断で［ 部室 ］が使われていて……教師が女子生徒と “ 禁断の恋愛ごっこ ” を楽しんでいたなんて事を知ったりしたら──、【 地域ボランティア部 】の部員達は、ショックを受けるかも知れない。
死人が出ちゃった［ 部室 ］だから、もう使えないんだけど……。
だけど、警察の捜査では “ 無断で持ち出しされた形跡は無い ” って判断されてるんだよな。
どうやって犯人は保管場所から鍵を持ち出したんだろう。
其処等辺の謎に関しては警察に丸投げしようと思う。
警察の事情聴取で明らかになるだろうしな。
夢見がちで騙され易い女子生徒をタブらかしてちちくりあっていたんだから、教師生命は完全に終わるだろうけど、自業自得だよな。
誰もクズ教師に対して、同情はしないだろう。
霄囹
「 全く……何処にでもクズ教師は居るもんだな。
社会的な制裁は警察と世間に任せるとしてだ、『 女子生徒を殺した犯人は怪異でした 』と公表しても遺族は決して納得しないだろう 」
マオ
「 そう…だよな。
やりきれない思いだけが残って、遺族を苦しめるだろうな…… 」
霄囹
「 其処でだ。
このクズ教師を女子生徒を殺害した殺人犯にする！ 」
マオ
「 は？
どゆことぉ？？ 」
霄囹
「 犯人が居なければ作ってやれば良いのさ！
未成年の女子生徒を騙し、弄んでズコバコ楽しんでいた最低のクズ教師が、嫌がり抵抗した女子生徒を殺っちまった風にでっち上げてやるのさ。
良くある痴情の縺れってヤツだ。
娘を殺害した犯人が人間なら、遺族もクズ教師が生きてる間は退屈しないだろ 」
マオ
「 うわぁ……。
警察にクズ教師を誤認逮捕させる気かよ。
酷い事するなぁ。
でもさ、どうやってクズ教師を殺人犯に祭り上げるんだ？ 」
霄囹
「 セロフィートに女子生徒の生首を〈 テフ 〉で構成させたら、クズ教師の車のトランクの中へｉｎしてやるのさ。
クズ教師の指紋をベッタリと付けてな！
駐車場で捜査している刑事にクズ教師の車のトランクを開けさせれば──、クズ教師が女子生徒を殺害した犯人に出来るだろ 」
マオ
「 やけに生々しいな。
生首はセロに任せるとして、そのままトランク中に置く訳にはいかないよな。
毛布でも使うのか？ 」
霄囹
「 確実にクズ教師を殺人犯として裁かせる為には、クズ教師が日頃から使っているバスタオルか、衣類にくるませると真実味も出るだろ。
血塗れの首を包めさえすれば良いんだ。
キノコンならクズ教師の自宅に侵入し、パクって来るぐらい朝飯前だろ 」
マオ
「 徹底的にする気かよ。
マオキノ、どうかな？
殺害犯に仕立てあげる事になっちゃうけど……協力してくれるかな？ 」
マオキノ
「 霄囹ちゃまの案、キノコンとしては嫌いじゃねぇですエリ。
マオ様に免じて、キノコン一同協力させて頂きますエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノぉ～～。
犯罪の片棒を担がせる事になるけど、御免な 」
マオキノ
「 ドンマイですエリ、マオ様。
復讐の対象が人間の方が、別の意味で遺族も救われますエリ。
これは大切な子供を理不尽な理由で奪われた遺族への手向けですエリ 」
マオ
「 物は言い様だな。
でも、これで殺害された女子生徒の事件は解決の方向へ誘導出来そうかな 」
霄囹
「 良かった良かった。
一件落着って事で、終わらせるぞ 」
クズ教師には申し訳ない事になったけど、殺人犯として逮捕された後は、《 刑務所 》の中で、自分が女子生徒に行った最低で愚劣な行為に対して、確り悔やんで心の底から反省してほしいと思う。
まぁ、期待は出来ないけどな……。
女子生徒とズコバコして楽しんでいた事は認めても殺してはいないんだから、無実を訴え続けて冤罪と戦うんだろう。
クズ教師、南無ぅ～～～～。
◎ 訂正しました。
縺れってヤツだ。─→ 縺れってヤツだ。
構成させたなら、─→ 構成させたら、
