⭕ 暗闇でドキっ 2
──*──*──*── 階段の踊場
鏡から怪異が出て来た!!
何か…何か…何か…………小汚ないっ!?
怪異が鏡から出て来た途端、踊場に汚臭が広がるぅ~~~~!!
マオ
「 ぐぇっ!!
くっさぁぁぁぁぁ~~~~ 」
霄囹
「 確りしろ、馬鹿!
根性と気合で堪えろ! 」
マオキノも分身体も至って平然としている。
この汚臭が気にならないなんて、キノコンの嗅覚って…どうなってんの?!
シュンシュンは顔を歪めているから臭いんだろう。
マオキノは怪異を無視して姿見にブラックテープを貼り付ける作業に入っている。
マオキノの邪魔をさせない為にも怪異の気を逸らさせないとだ!
分身体達も隙間無くきっちりと防波堤となってくれている。
オレは鞘から魔具刀を引き抜くと宙に浮いている怪異に向かって斬り込む!
怪異はダメージを受けたのかバランスを崩す。
怪異は危害を加えたオレの方へ敵意を向けて来た!
怪異は完全にオレをロックオンしてくれたみたいだ。
オレと怪異が対峙して睨み合っている間、シュンシュンは大量の御札を陰陽術で強化すると怪異に向けて放つ。
御札は鎖みたいに怪異に巻き付つくと、動きを封じる。
宙に浮いていた怪異は巻き付いた御札に妖力を吸われているのか、ドサッと音を立てて床に落ちる。
鎖みたいに巻き付いている御札から逃げ様としてるのか、激しくもがいている。
もがけばもがく程、御札は怪異に食い込んで締め付けて行く。
霄囹
「 どうだぁ!
僕の渾身の一撃は!
妖力を吸い付くして瀕死状態に追い込んでやる! 」
マオ
「 シュンシュン、すっかり悪役だな。
真名を奪って式隸にするんじゃないのか?
臭いから式隸にするのは止めるのか? 」
霄囹
「 式隸にするが、弱らせてから真名を奪うんだ。
瀕死状態に追い込んで、生死の境を敢えてさ迷わせてから使役するんだ。
そうするれば、どっちが主人かハッキリ刻む事が出来るからな!
マオ、手が止まってるぞ。
ちゃんと怪異を攻撃して体力を減らしてくれよ 」
マオ
「 鬼畜だな、シュンシュン。
容赦無い事してるから、式神や式隸から殺意を向けられてるんだな 」
霄囹
「 殺意がどうした。
僕に下された時点で、そいつ等は詰んでるんだ。
永遠に死ねずに僕の駒として生き続けるのさ!
名誉な事だから、光栄に思われて当然なんだがな 」
マオ
「 そう思ってるのはシュンシュンだけだろ… 」
身動きの取れなくなった怪異に対して、オレは魔具刀で怪異を叩く。
鋭い刃が怪異にザクザクと刺さるから、ちゃんと怪異の体力を減らせていると思う。
御札に妖力を吸い取られている怪異はグッタリとしている。
シュンシュンは御札を持って陰陽術を使っている。
今度は何をする気なんだか。
マオ
「 シュンシュン、次は何をするんだ? 」
霄囹
「 使役したら強制的に隸属契約が発動する様にしてるんだ。
言霊だけで縛ると弱いからな、累ねて隸属契約をする事で、縛りを強化させるのさ。
一種の保険だな 」
マオ
「 エグい事するなぁ…… 」
霄囹
「 切れない強固な手綱が必要なんだ。
──よし、そろそろ良いな 」
シュンシュンは手に持っていた御札を怪異の額に貼り付けると、闇呪術を使い、怪異から強制的に真名を奪い取る。
命の次に大事な真名をシュンシュンに奪われてしまった怪異は大人しくなった。
霄囹
「 よし、成功したぞ。
これで、女子生徒を襲った犯人を捕まえれたな 」
マオ
「 やったな、シュンシュン!
お疲れ! 」
霄囹
「 マオもな 」
シュンシュンの式隸になった怪異からは、鼻が曲がる様な汚臭がしない。
はぁ~~~~良かったぁぁぁぁぁ(////)
◎ 訂正しました。
真名 ─→ 真名
生きるのさ! ─→ 生き続けるのさ!




