⭕ こんにちは事件 2
──*──*──*── 放課後
──*──*──*── 奇蹟調査検証部・男子部・部室
厳蒔惷囹
「 然し、まさかホッチの死体が[ 中庭 ]で発見されていたとはな~~。
落下死だってぇ? 」
厳蒔眞勇
「 過って窓から落下したんじゃないか──って、警察は見立ててるみたいだけど……、過って窓から落ちる様なドジッ子感はホッチからは感じなかったよな。
仮に犯人が居たとしてもさ、高身長で体格もそこそこなホッチを廊下の窓から落下させるなんて、難しいと思うんだよな 」
厳蒔惷囹
「 [ 屋上 ]は在るが、転落してもホッチの死体が発見された[ 中庭 ]には落下しないからな。
仮にホッチが[ 屋上 ]から落下したなら、校舎側の花壇の中か、花壇の付近に死体が落ちて無いと不自然だ 」
厳蒔眞勇
「 ………………人間の仕業じゃない……か。
女子生徒を襲ったのも怪異だもんな。
ホッチを[ 中庭 ]に落下させたのも怪異……の可能性は有るよな 」
厳蒔惷囹
「 だろうな。
“ 七不思議の怪 ” と関連が有るかは分からないが、怪異は関わってる筈だ。
結局、ホッチの影に何が潜んでいたのか──。
それの解明が出来ずじまいなのが悔やまれて止まないな 」
厳蒔眞勇
「 そうだな…。
[ 中庭 ]も立ち入り禁止になったし、ホッチの遺体も警察に回収されたもんな。
夜中にこっそり侵入して調べるしかないよ 」
厳蒔惷囹
「 ホッチを落下死させた犯人を見付けないとな。
それとだ──、生徒達を[ プール ]で溺死させた犯人もな! 」
厳蒔眞勇
「 そうだよ!
[ プール ]だよ!
[ プール ]に30人もの生徒の死体が浮いてたって、どゆことだよ!?
何で30人の生徒が[ プール ]で溺死させたりなんて── 」
厳蒔惷囹
「 知らないねぇ。
だが、溺死していた生徒達が全員、寝間着姿だった──って事だ、1度は自宅に “ 帰宅していた ” って事は確かだろう 」
厳蒔眞勇
「 そ…うだよな……。
眠っていた生徒達が夜な夜な学校に来て、自分から[ プール ]に飛び込んで溺死した──なんて、誰も考えないんじゃないか? 」
厳蒔惷囹
「 30人の生徒の中には交通機関を利用して登下校をしている生徒が含まれているし、県を跨いで通っていた生徒も数人居るらしいからな。
自宅で寝付いてから、徒歩で学校へ来るとか──常識的に考えても不可能だな。
寝間着姿で夜道を歩いていた生徒の目撃情報でも有れば別だろうがな。
まぁ、目撃情報は皆無だろう。
警察が調べた死亡推定時刻は約4時間 ~ 8時間だ。
最低でも発見される4時間前には既に死亡が確定している事になる。
午前3時頃には30人の生徒達が仲良く[ プール ]の水面でプカプカしてた訳さ 」
厳蒔眞勇
「 ………………怪異に学校の[ プール ]まで運ばれた──とか? 」
厳蒔惷囹
「 有り得るだろうな。
犯人の怪異を見付けるには骨が折れそうだろうがな 」
厳蒔眞勇
「 幾ら何でも死者が多過ぎるよ。
31人の生徒と1人の教師が怪異の被害を受けて──。
オレ達が転校初日の日にだぞ 」
厳蒔惷囹
「 僕等の転校日に死んだのは、女子生徒の1人だけさ。
ホッチと30人の生徒達は、日付が変わってから死んだんだ。
其処は間違えるな 」
厳蒔眞勇
「 ご…御免…… 」
厳蒔惷囹
「 それから、昨日の放課後にマオとキギナが体験したっていう怪奇現象も解明する必要が有るぞ。
放っておいたら他にも被害者が出るだろうからな 」
厳蒔眞勇
「 そうだよな。
下りても下りても階段が終わらない奇妙な怪奇現象だったよ。
この奇妙な怪奇も “ 七不思議の怪 ” と関連が有るのかな? 」
厳蒔惷囹
「 さぁな。
全てはこれからさ 」
厳蒔眞勇
「 そうだ!
キギナが行ってた青い蝶が付いてた生徒達も探さないとだよな。
青い蝶が “ 七不思議の怪 ” とも関連が有るのかも調査しないと── 」
厳蒔惷囹
「 能力が封じられてなければ、こんなまどろっこしい事をする必要は無いってのに──くそっ! 」
厳蒔眞勇
「 式隸,式,式神と死乃人を有効活用して何とかするしか無いよな…… 」
厳蒔惷囹
「 要らん出費が増えて腸が切れそうだ…… 」
厳蒔眞勇
「 シュンシュン、そればっかだな~~。
ところでさ、女子生徒を襲った怪異の件は、どうだったんだ?
『 式隸にする 』って意気込んでたけどさ── 」
厳蒔惷囹
「 逃げられた……。
彼奴は鏡を往き来する怪異だったな。
捕まえるなら、先ずは校内に取り付けられている鏡を外して、出入り口を1つにする必要がある。
鏡の前で待ちぶせて、真名を奪い、言霊で縛ってしまえば、晴れて僕の式隸さ 」
厳蒔眞勇
「 鏡なら3階と4階の間にデカい姿見が飾られてるよな 」
厳蒔惷囹
「 あぁ。
あの鏡以外の鏡を全て取り外す必要が有るんだが──、3人でするには無理が有る。
生徒や教師が残っている時間帯にやる訳にはいかない。
となると、夜間に忍び込んでからの作業になる 」
厳蒔眞勇
「 不法侵入かぁ。
楽勝だな!
シュンシュンの転移陣で来れるし、鏡の取り外し作業と取り付け作業はマオキノかセノコンの分身体に頼めば良いもんな。
順調に進めば、今日中に解決出来そうだな 」
厳蒔惷囹
「 イレギュラーな事態を想定しても明日の午前6時には終わらせられるだろうな 」
厳蒔眞勇
「 よし!
帰宅したらマオキノとセノコンに相談してみよう! 」
厳蒔惷囹
「 セノコンもマオキノもスマホを持ってるんだから、LINEしとけば読むだろ 」
厳蒔眞勇
「 あっ、そっか──。
じゃあ、LINEしとくな 」
オレはスマホを取り出すと、セノコンとマオキノのスマホへLINEを送った。
◎ 補足です。
部活は中止となっています。
霄囹の転移陣を使い、無断で部室を使っています。
部室の外に声が漏れない様に、防音結界が張られています。




