⭕ キギナを探せ!
──*──*──*── 階段
厳蒔眞勇
「 ………………おかしいな。
階段が終わらない?
4階から下りて来たんだよな。
3階の廊下に着いても良い筈なのに── 」
さっきからずっと階段を駆け下りてばかりだ。
校内で一体何が起きてるんだ??
厳蒔眞勇
「 もしかしたら、キギナとホッチ先生も今のオレと同じ様な状況に陥ってて[ 職員室 ]に行けれないのか? 」
1度、4階に戻ろうと思う。
ひたすら階段を上がって行けば、4階へ戻れるかも知れない。
多分…………そうであってほしい。
──*──*──*── 4階・廊下
厳蒔眞勇
「 ──戻って来れた?! 」
一旦階段から離れて廊下を見ていたら、開いてる[ 部室 ]に青い制服を着ている鑑識が出入りしている。
刑事も来ていて、悲鳴を上げて[ 部室 ]から逃げ出した円基先生も居る。
校長先生,教頭先生,担任教師の名央先生の姿も有る。
厳蒔眞勇
「 マジで戻って来れたんだ……。
でも何で…… 」
オレには原因がさっぱり分からない。
怪異の仕業だろうけど、女子生徒を襲った怪異が関連しているかもオレには分からない。
第1発見者でも有るし、オレは[ 部室 ]に向かって歩く。
???
「 ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…………やっと戻って来れたわ……。
全く…………酷い目に遭ったわ…… 」
厳蒔眞勇
「 キギナ?!
何処に行ってたんだよ。
探してたんだぞ 」
厳蒔キギナ
「 マオっ!
良かったわぁ~~。
ちゃんと戻って来れたみたいね。
ふぅ…………ところで何で教師と警察が来てるの? 」
キギナはオレの腕に抱き付きながら、[ 部室 ]を見ながら言う。
余っ程な思いをしたのかも知れないな。
厳蒔眞勇
「 警察に通報してもらったんだよ。
キギナが[ 職員室 ]へ行ったきり全然戻って来なかったから、オレが[ 職員室 ]へ伝えに行ったんだ。
[ 職員室 ]に居た教師にキギナの事を聞いたけど、『 来てない 』って言われて驚いたよ。
何してたんだ?
校内で迷子になる程の方向音痴じゃないだろ? 」
厳蒔キギナ
「 聞いてよ、マオ!
この高校、変よ、変!!
階段を下りたけど、全然1階に着かないの!
どんなに階段を下りても階段が無くならないのよ!
もぅ、戻れないかとヒヤヒヤしたわ 」
厳蒔眞勇
「 そうだったのか……。
実はオレもなんだ。
女子生徒を襲った怪異はシュンシュンに任せる事にして、オレはキギナとホッチ先生を探す為に3階へ下りようとしたんだ。
そしたら階段が続いてばかりでさ──。
駄目元で上に上がったら、4階へ戻れたんだ。
キギナもなんだな 」
厳蒔キギナ
「 マオなのもね!
私達、ちゃんと校内から出れるのかしら? 」
厳蒔眞勇
「 階段を下りても1階に着けないなら、窓から外に出るしかないかもな。
オレ達は第1発見者だから、教師と刑事の所へ行こう 」
厳蒔キギナ
「 事情聴取を受けるって事ね。
第1発見者って、殺人犯に仕立て上げられ易いんでしょ?
有りもしない罪を付けられて犯人にされたりしないわよねぇ? 」
厳蒔眞勇
「 今のオレ達は未成年の学生だからな、大丈夫だろ。
死体を見る限り、人間の仕業じゃないってのは馬鹿でも分かるさ。
人間の仕業に見せ掛けるにしても無理が有る。
況してや未成年の学生──転校初日の転校生のオレ達に何が出来るってんだ?
【 地域ボランティア部 】なんて、赤ジャージ先生から聞いて初めて知ったんだぞ 」
厳蒔キギナ
「 それもそうよね。
疑われて誤認逮捕されなきゃ良いわ 」
腕を絡めたまま離れてくれないキギナと一緒に【 地域ボランティア部 】の[ 部室 ]へ移動した。
──*──*──*── 生徒指導室
【 地域ボランティア部 】の[ 部室 ]では鑑識が捜査をしている為、立ち入り禁止のイエローテープが張られていた。
キギナとオレは1階の[ 生徒指導室 ]で事情聴取は受ける事になり、担任教師,赤ジャージ,刑事と一緒に1階へ下りたんだ。
刑事
「 ──それで、今はホッチ先生……遲野細倫さんが未だ見付からないと── 」
厳蒔眞勇
「 はい…… 」
厳蒔キギナ
「 先生が校内で迷子になるなんて事、先ず無いわよね。
帰っちゃったのかしら? 」
担任教師:名央
「 それは無いと思うわ。
下校チャイムが鳴った後、速やかに生徒を帰らせて[ 部室 ]を閉めたら、[ 職員室 ]で会議をするの。
全員参加の会議だから、終わらないと帰宅は出来ないの 」
厳蒔キギナ
「 じゃあ、ホッチ先生は未だ校内の何処かに居るって事? 」
赤ジャージ先生:円基
「 遲野先生の車は未だ駐車場に有るそうだから、帰ってはないぞ。
[ 職員室 ]で待機してくれている先生に頼んで駐車場を確認してもらった。
確認してくれた先生の話では、車のタイヤがパンクしているそうだ。
誰かが遲野先生の車のタイヤを態とパンクさせたのかも知れないぞ 」
厳蒔眞勇
「 車のタイヤがパンクしてたら、ホッチ先生は乗って帰れないよね。
じゃあ、ホッチ先生は未だ校内の何処かに── 」
厳蒔キギナ
「 教師の車のタイヤをパンクさせるなんて、酷い事するわね。
犯人を見付け出してタイヤの修理代を弁償させてやりましょ! 」
厳蒔眞勇
「 ははは……。
その犯人探しは警察に任せよう。
オレ達はホッチ先生を探さないと 」
担任教師:名央
「 それは駄目よ。
もう日が暮れてるんだから、今日は下校しなさい。
パトカーで自宅に送ってもらえるみたいだから 」
厳蒔キギナ
「 えぇ~~?
何も悪い事してないのにパトカーに乗せてもらえちゃうのぉ?
ラッキーね、マオ♥️
惷囹に自慢してやりましょ! 」
厳蒔眞勇
「 ははは……。
シュンシュンを校内に残しては帰れないよ。
キギナはパトカーで送ってもらえよ。
オレはシュンシュンと下校するからさ 」
厳蒔キギナ
「 えぇ~~。
私1人でパトカーを貸し切りしちゃえるって事ぉ?
素敵ね!
良いわよ、1人でパトカーを堪能してあげるわ♥️ 」
担任教師:名央先生
「 駄目よ、厳蒔君。
君もキギナさんと一緒にパトカーに乗せてもらって帰りなさい!
男の子だから“ 襲われない ” なんて考えは古いのよ。
今は、男の子を襲って監禁する変態犯罪者だって普通に居るんだからね!
未成年が夜道を歩いて帰るなんて駄目よ、駄目っ!!
担任とて見逃せないわ! 」
厳蒔眞勇
「 わ…分かったよ。
名央先生の言う通りにします…… 」
厳蒔キギナ
「 じゃあ、惷囹は別のパトカーで送ってもらえる──って事ね 」
厳蒔眞勇
「 そうなるのかな 」
担任教師の強い意向でキギナとオレはパトカーに乗せてもらって帰宅する事になった。
経緯をシュンシュンのLINEに入れとかないとな。
気付いて見てくれると良いんだけど──。
◎ 訂正しました。
3階へ降りようとしたんだ。─→ 3階へ下りようとしたんだ。
良いんだけどな──。─→ 良いんだけど──。




