表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でも僕はアナボりたい!!  作者: 狐月 かぶと
第三章
17/19

夏といえばバカンスだよね。

 ……暑い。


 暑い暑い!暑過ぎるよほんと。


 夏ってのは、本当に暑い。


 この世界にも、前世と同じように四季が存在する。春は暖かいし、夏は暑い。秋は涼しくて、冬は寒い。日本では当たり前だった四季が、ここにもある。


 そして現在は、夏だ。僕は、そんなに夏が好きでは無い。暑いし。トレーニング中に、何度もぶっ倒れた事があるからだ。筋肉の事になると、歯止めが効かなくなる僕には、夏の気温は合っていないのだ。


 ということで、憂鬱な夏が来た訳だが、こちらの世界にも夏には長期休みがある。僕の通っている学園では二ヶ月ほどの休みが設けられており、皆その間に、実家に帰ったり夏のバカンスを満喫したりするのだ。


 王女誘拐事件の一件で、またもや王様からご褒美をいただけることになり、夏なのもあって、リゾート地に案内してもらう事になったのだ。そのリゾート地が水の都ルプーという、年中夏の国らしい。せっかくの長期休みなので、パァーッと遊んできなさいと提案してくれたのだ。もちろん、お金は国持ち。


 というわけで、僕とマイナ、そしてベリーも同行する事になった。レイヴィアスも誘ったんだけど、


 「バカンスだぁ? 俺は行かねえぞ、トレーニングがあるからな!」


 と断られてしまった。レイヴィアスも筋トレに目覚めたのだろうか。なので、僕たちは三人で、水の都ルプーに向かう事になった。


 フロンタル王国から、馬車と船を乗り継いで半日ほどかかり、周りが海で囲われている島国だ。ルプーの海は、海底が透けて見えるほど透き通っており、まさに絶景だ。

 

 到着した僕達は船を降り、国王が予約しておいてくれたホテルに着いた。このホテルがまた、城かと思うほどの大きく、部屋はなんとスイートルーム。めちゃくちゃ広い。とても三人じゃ使い切れない広さだ。


 「やっと着きましたわね、水の都ルプー! ここには、様々な娯楽や出店などがいっぱいありますの。いくら過ごしても飽きませんわよ!」


 テンション上がりまくりのベリー。元々アクティブだから、こういう場所が好きなんだろうな。


 「でもこの部屋、私達で使うには広すぎないかしら?」


 全くその通りだよ、マイナ君。気合い入れすぎだよ、国王様。


 「この部屋だけでも、様々な娯楽が楽しめる様になってますの。ボードゲームに、室内で出来るスポーツも楽しめるんですわよ! 後でやりましょう!」


 ベリーが指差した先には、見覚えのある細長い台に、しゃもじみたいな形をした板が置いてある。この世界にも、卓球ってあるんだ……。旅館とかに置いてあるイメージだけど、まさか部屋の中に置いてあるとはね……。


 「荷物も置けた事ですし、早速遊びに行きましょう! わたくしが案内しますわ!」


 ベリーに連れられるまま、ホテルを後にした。


 街の方に出ると、大勢の観光客で賑わっていた。リゾート地というだけあって、栄えている。すると突如、目の前に馬車が止まった。扉が開き、男の人が降りてくる。


 「ようこそ、おいで下さいました。私は、ルプー観光案内をしております、ガイドと申します。よろしくお願い致します。」


 案内人まで付けてくれるなんて太っ腹だな、あの人。


 「馬車にお乗り下さい。これから、我が国自慢のルプーランドにご案内致します。」


 僕達は馬車に乗り込み、10分ほど揺られた。そこには、屋外プールや観覧車などのアトラクションがあった。一種のアミューズメントパークのようだ。


 「ここでは、様々なアトラクションやプールをお楽しみ頂けます。さらに、ルプーランド名物のジェットスライドコースターも御座います。夕方頃にお迎えに上がりますので、それまで目一杯お楽しみ下さいませ。」


 そう言ってガイドさんは去った後、早速ベリーが、


 「それでは皆さま! わたくしに着いてきてくださいましー! まずは、プールですわよ〜!」


 「ちょっとちょっと! 着替えないと入れないわよ。」


 「そうでしたわね! 楽しみすぎて、先走ってしまいましたわ〜!」


 いつにも増してテンション高い。確かにこう言うとこ来ると、テンション上がるよね。


 「それでは、マスル様。わたくしたちは着替えて参ります! 男性の更衣室はあちらですので、マスル様も着替えて下さいまし!」


 「うん、わかった〜。」


 各々、更衣室に入っていった。


 女子更衣室にて。


 「さあて、着替えますわよ〜! よいっしょ、よいっしょっと」


 どんどん服を脱いでいくベリー。上着を脱ぐと、立派な胸部がマイナの目に映る。


 「(嘘!? ベリーってこんなに大きかったの!? 制服の上から見ても、それなりに大きいとは思っていたけれど、まさかこれ程とは……。それに比べて私は……。)」


 マイナは、自分の控えめな胸部を見て、ため息を吐く。


 「あら、どうしましたの? ため息なんて吐いて。」


 マイナは、ベリーの揺れる胸部を見つめながら、


 「な、なんでも無いわ……。似合ってるわね、その水着。」


 ベリーは嬉しそうに、


 「そうでしょう! わたくしのサイズに合う可愛い水着がありませんでしたので、特注オーダーメイドにしましたの〜!」


 「グゥッ!」


 再び、マイナは心の中で血反吐を吐いた。


 それにしても、二人とも遅いなぁ〜。女の子は着替えに時間がかかると聞くけど、男は楽でよかった。下履くだけだし。今日は肌を露出するから、僕のマッスルスタイルをお披露目できる! 


 日常生活では、身体が大きすぎると不便だから普通の見た目にしてるけど、今日は違う。出せるとこはぜんぶ出して、皆んなにこの美しい筋肉達を見せびらかさないと! 


 ……とはいえ、『ノーマルビルダー』でも三メートルはあるので、それより少し身長を落とした『マッスルスタイルスモールビルダー』で今日は楽しむとしよう。ポージングを決めながら待っていると、


 「マスル様ぁ〜! お待たせ致しましたぁ〜!」


 ベリー達が更衣室から出てきたようだ。ベリー達が出て来るなり、周りの男達が


 「「オオオオー!!!!」」


 と歓声を上げながら、腰を引っ込めていた。中には鼻血を出すものまでいた。確かに二人とも凄い美人だし、注目されるのも無理はないね。


 「おかえり、そんな待ってないよ。」


 「よかったですわ〜。ところでマスル様! どうです、わたくしの姿!」


 ヤケに胸を張ってドヤ顔をしてくるベリー。


 「うんうん、似合ってるよ。」


 すると頬赤らめて、


 「そう言って頂けて嬉しいですわ〜!」


 ベリーと話していると、マイナが僕の前に立って目を塞いできた。


 「ちょ、マイナ! 何するのさ!」


 「見過ぎよ……。貴方には目に毒だわ。」


 なんだか怒った様子で、マイナが呟いている。見るだけで毒になる事なんてないでしょうに。


 「私は……どうかしら……。」


 「この手を退けてくれないと見れないよ!」


 そう言うと、パッと視界が開けた。マイナは恥ずかしいのか、モジモジしながらこちらをチラチラしている。


 「マイナも似合ってるね。」


 「そ、そう? なら良いのだけど!」


 あれ、またなんか怒らせたかな? 何はともあれ、夏を満喫している僕達だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ