表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

戦闘訓練2

 カチャカチャ、カチャカチャと食器にはしが触れる音がする。


「うん、うまいな! おかわりっ」


 差し出された茶碗を無言で受け取り再びご飯をよそう。私の目の前で食事をしているのは古場さんだ。なんでこの人は私の家で一緒に食事をしているんだろうか。


 午前中の戦闘訓練を終え、昼食を食べるために家の中へと入ると、なぜか古場さんも後をついて家の中へと入ってきた。


「な、なんですか?」

「いやそれがな? 昼飯のことをすっかり忘れてここに来ちまってさ…すまんが分けてもらえないか?」

「はあ…」


 ということだ。それはいい、仕方がないから。だけど…


「これで最後にしてください。じゃないとお金取りますよ」

「お、払えばまだ食っていいのか?」

「はあ…」


 そう言うことじゃないんだけどと思いながら私は茶碗を手渡した。


「よし、午後の訓練を始めるぞ」


 …もう? 今食べ終わってお茶を飲んでいたところだ。古場さんはお茶を一気に飲み干し机に置いた瞬間にそういった。まだ食器を洗ってもいないし、少しくらいは食休みが欲しい。今まで食後にすぐ動き回ったことがないから胃が痛くなりそうなんだけど。


 私は流石にその言葉は無視して食器を洗う。後ろから古場さんが覗き込んできて納得したのか黙ってまた座り込む。いい身分だと思ったのはきっと私だけじゃない。


「終わったか、じゃあ行くぞ」

「はあ…」


 どうやら私は1日戦闘訓練をすることになったらしい。そんな話は聞いていないんだけどな。


「今度はこいつだ」


 手渡されたのは短剣と盾。どうせなら最初はこっちの方がよかったんじゃと思わないでもない。木刀は結構最初重かった。じゃあ盾は重くないのかと言われると困るが、今渡された盾は木で出来ていて軽い。多分それほど防御力はないと思う。まあ扱う短剣も同じく木で出来ているのだ、切れることはない。あくまでも練習用ということなんだろう。


「右利きなら短剣は右、盾は左。左利きなら逆に持ってくれ。短剣は剣よりリーチがなく、軽くて小回りが利くことを頭に置いて扱ってくれ」


 まあ見ただけでわかることだ。わかっていても無意識でやるよりちゃんと確認してからの方が扱いやすくなるのかな。とりあえず軽く短剣を振ってみる。うん、軽い。


「よし、ちょっと打ち合ってみるか。まずは俺の盾に打ち込んできてみてくれ」


 盾を左手に、短剣を右手に持って古場さんの盾に向かって突き刺すように打ち込んだ。


「うぉおおおおい!! 強すぎだっ」


 古場さんの持っていた盾に縦に亀裂が入る。思ったよりこの木は脆かったみたい。


「あのな、基本の動きを確認するんだ。頼むから壊そうとしないでくれ。じゃあこっちから打ち込むから盾を使ってまずは防いでくれ」


 中々めんどくさい…こちらとしてはさっさと『迷宮』に入れるようになって成長しすぎないうちに壊してしまいたいのに。そんなことを考えながらも古場さんの振るう短剣の動きを見ながら盾を動かす。


「よしいいぞ~ そのまま今度は隙あらば俺を切りつけてこい。刃はないから気にせずやってくれ」


 古場さんが右側へ打ち込んできたので盾を右へ寄せて耐える。続いて左へ…すると古場さんの盾が古場さんの腕に遮られているので、私はチャンスと見て私から見て左側、古場さんの右側へと短剣を叩きこむ。もちろん私も同じような腕の配置になっているが、盾で短剣を右へと受け流し、すぐ盾を自分の左側へと戻したのち、だ。すると古場さんは短剣を繰り出した動きを利用し、その場でクリルと体を捻りすぐさま私の盾を受け止める。初めて見る動きにちょっとだけ驚いた。


「どうだ? 出来る動きはなんでもやれ。相手はモンスター当てなければ倒せない。遠慮した動きをしていると、ダメージを受けるぞ?」


 なるほど…襲ってくるモンスター相手に遠慮はしてはいけない、と。言われてみたらそうだ。私だって死にたいわけじゃない。大人しくやられるわけにはいかないのだ。


「おっ おっ?」


 短剣を振る速度をあげどんどんと打ち込んでいく。古場さんはその動きにすべて対応し盾で受け止めていく。まれに古場さんからの打ち込みもあるが、私は盾で受け止めたりそのまま躱したりもした。短剣と盾を使った動きにも慣れてきたころ、私はしゃがんで古場さんの足元へと足払いを試す。


「そうきたかっ 確かに獲物が小さいから他の動きも取り入れやすいな!」


 それを軽々とかわし何もなかったように再び打ち合いが始まる。短剣を繰り出しながら振り抜いて肘で攻撃してみたり、左右に体を動かしフェイントをかけたり…


「ははっ こりゃ凄い」


 そして、私は再び足元へのローキックを繰り出した。それを古賀さんが軽く後ろへと引くことでよけようとする。すかさず私はそこからハイキックへと切り替え古賀さんの腹を蹴り出した。


「ぐおぉぉぉっ ちょっ タンマ!! おまっ スキル増えてるだろう!?」


 また古賀さんがお腹を抱えてやめるように言うので私はステータスを確認。



▶名前 桜

▶年齢 16

▶身体能力

 HP 320(+5↑)

 MP 100

 腕力 125(+5↑)

 俊敏 82(+18↑)

 防御 58(+8↑)

 器用 106(+6↑)

 魔力 50

 運  30

▶戦闘スキル

▶支援スキル

▶常駐スキル

 【環境適応】

 【猛毒無効】

 【家事】

 【持久力増加】

 【剣術】

 【短剣術】 new

 【盾術】 new

 【格闘術】 new

▶魔法



「増えてますね」

「だよな~ 覚えるの早すぎだわ。こっちの対応が追い付かん」


 そんなこと言われても好きで増えたわけでもないし困る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ