表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

話を聞いて

 ゲートをはさんで私と向き合った2人…男の子の方がニヤリと笑うと、門番さんが間にいないのをいいことにそのままゲートをくぐってしまった。


「あ、待ちなさい!!」


 門番さんが止めるも、ちらりと裏を振り返っただけで気にせず歩き出す。そして坂を下りていく…


「すみません止めてくださいっ」

「あ、はいっ」


 つい手慣れてるなーなんてぼんやりと眺めてしまった。このままいかせてしまってままた死体が増えてしまう。もちろんそんなのは自己責任なんだろうけど、目の前で止められている人を素通りさせてしまったら怒られてしまうかもしれない。


 私は走って前へと周りこみ両手を広げた。


「ここから先は猛毒フィールドです。猛毒耐性や猛毒無効が無ければ引き返したほうが…」

「猛毒なんて毒のちょっと強い奴だろう? 俺毒なら耐性あるし、彼女ももちろん持っている。解毒ポーションも常備してるから大丈夫だって」


 大丈夫じゃないから止めているのに話を聞いてくれない。一緒に入った大人たちが苦しんでポーションとか飲む余裕もなさそうだったのを見た。実際体験した私も酷い苦しさやめまいで何もしようと動くことも出来なかった。


「のぼるぅ~ こうすれば早いよぉ~ えいっ」

「わっ」


 女の子の方に押され私は尻持ちをつく。


「ん? なんかへんな…かはっ」


 止められなかった…女の子は伸ばした両手が猛毒フィールドに入ってしまったみたい。口と喉を押さえ膝から崩れ落ちる。


「な…どうした? おい、真由??」


 手を伸ばし女の子に触れようとするので私は足で男の子を蹴り上げ後退させる。それとほぼ同時に倒れている女の子の体の下に水たまりが…


「おい! なにしやが…っ 嘘だろう?」


 流石に状況が飲み込めたのか男の子はその場で震えだした。私は立ち上がり、男の子がそれ以上進まないことを確認すると、女の子の手を取り引きずる。動かなくなった人はやっぱり重い。


「ねえ、運び出したいんだけど手伝ってよ」

「な、なんでっ いや、真由…え?」


 だめだ手伝ってくれそうもない。まあ死にたいわけじゃないだろうし、放置して門番さん呼んでこよう。


 門番さんに説明して私がゲートのとこで他の人が勝手に入らないように見張り、門番さんに男の子を回収してもらう。女の子の方は下手に触れるとうっかり猛毒フィールドに触れてしまうかもしれないので、マジックバックを貸してもらった。交代で私が回収に向かう。


 ゲートの外に出ると門番さんが忙しそうにどこかへと連絡をしていた。こう、話を聞いてくれない人達はどうすればいいんだろうね。そんな様子を眺めながら私は家の中へと帰った。


 下ごしらえしておいた夕食を仕上げ食事を済ませると、『迷宮』のことについて調べ始める。知らないまま進むのは危険だと思ったからね。


「なるほど…モンスターハウスって言うのか」


 あの扉の向こうにぎっちりと詰まっていたスライムの惨状、ちゃんと名前があった。まれにそういったモンスターが大量にいる部屋があるらしい。一応今までの記録ではモンスターハウスは必ず通らなければならない道には設置は確認されていない。だけどその情報の通りだとしてもあくまでも今までは。今回もそれに適応されるとは限らない。


「倒すしかない? どうやって…」


チャンチャララララ~♪


 私はこの音を聞いて顔をしかめた。だってこの音は古場さんからの電話だからだ。音が鳴っているスマホをじっと眺める私。もちろん見ていたって音が止まるわけもないんだけど。


「…はい」

<桜連絡聞いたぞ。まずはお疲れ様>

「はあ…」

<でだ、今回みたいなやつらは最初に止められなかった時点で放置でいい。相手も冒険者だ。忠告を聞かないで起こる出来事は自己責任ということであきらめてもらうしかないな。ちょっと冷たいと思われるかもしれないが、どうしても一定でそういった話を聞かん奴はいる。はっきり言って付き合いきれなんだ>


 なんだ。放置でいいんだ。すっかりこの世界も『迷宮』が当たり前の世界になりつつあるみたい。前だったらきっとどうしてちゃんと止めなかったんだと怒られたんじゃないかな。


「わかりました」

<話は変わるが、『迷宮』入ってたんだろう? 何か変わったことはないか?>

「あ、変態さんがいました。それと、モンスターハウスって言うのを見つけましたね」

<変態? それはよくわからんが、モンスターハウスか…まあ基本無視でいいんじゃないか?>

「そうですか」

<んじゃ何かほかに気になることが出来たら連絡してくれ>


 古場さんとの電話を終えると私はため息を吐きだしていた。


 彼の話によるとモンスターハウスは放置でいいらしい。だけど、やっぱりその先に道があるかもしれないのなら何とかするべきだと私は思う。一度ステータスを確認して出来ることを考えて見るか。



▶名前 桜

▶年齢 16

▶身体能力

 HP 328(+8↑)

 MP 101(+1↑)

 腕力 125(+2↑)

 俊敏 82(+3↑)

 防御 58

 器用 122(+12↑)

 魔力 57(+5↑)

 運  30

▶戦闘スキル

▶支援スキル

▶常駐スキル

 【環境適応】

 【猛毒無効】

 【家事】

 【持久力増加】

 【剣術】

 【短剣術】

 【盾術】

 【格闘術】

 【暗視】

 【投擲術】

 【跳躍】

 【脚力増加】

 【精神苦痛耐性】 NEW

▶魔法



 あ、スキルが増えてる。そうだよね…じっとステータスを眺め納得する。やっぱりこれに頼るしかないのかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ