第4話 魔王の裁き
「前者は、まだ分かるとして、何故お前を住まわさないといけないのだ」
「まぁ、当然の反応だ。理由は簡単、私の家が消えたからだ。お前のせいでな」
何言ってるんだ?この女。
「空間が歪んだ場所に入っただろう。そこが私の住んでた場所だった。が、お前に力を与えたおかげで、その場所も消えた。故に、お前の家に住む・・・という事だ」
なるほどな、俺のせい・・・か
「いいだろう、住まわせてやる」
「そう言うと思った。じゃあ主人格に変われ、そいつに話をする。記憶は共有しないからな」
記憶は共有しない・・・か
「いいだろう。言っとくが、主人格はチョロい。適当な話をしても住まわせてもらえるだろう」
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「さて、では裁きの件について説明してもらおうか」
コイツの狙いも分かっていないとな・・・
「お前には、裁きの力・・JUDGMENTを持っている」
「ああ、チンピラ共を錯乱させたアレか」
あの時、いきなり脳裏に浮かび、無意識で発動した。
「あぁ、その力でお前は世に蔓延る悪人に裁きを下して欲しい」
「悪人とは?」
「知らん。それはお前のさじ加減だ」
いきなりテキトーになりやがった。
「しかし、悪人に裁きを下せと言われてもな・・・」
「悪人なんて探せば何処にでもいる。何なら他人に募ってみても構わない」
「・・・なるほどな」
そう言い、俺は今ある考えをパソコンにまとめた。
「────魔王の裁き・・・恨みある者を貴方の代わりに裁きを・・・成程な、考えはまとまったな」
ヴァイオは賞賛する。
「あぁ、後はこれをどう他人に伝えるかが肝だ」
「フッ、そうだ、一つ言い忘れた事がある。お前個人の悪人に裁きを下せば代償は発生しないが、それ以外の人間が思う悪人を裁くとソイツに代償が発生する」
そう言う事は先に言え。
「代償とは何だ?」
「ソイツの一番大切なモノを失う」
なるほどな、大分リスキーだな。
しかし、
「注意書きをしとくか・・・まぁ、コレ縋る奴だ、失うモノは何も無いだろう」
「成程。後は、私に任せろ」
そう言って、ヴァイオはパソコンを操作し始めてた。
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「・・・何これ?魔王の裁き?」
ある日、僕は奇妙なメールが送られてきた。
魔王の裁き
・概要
貴方が呪いたい程怨んでいる者に、貴方の代わりに復讐を・・・
・方法
下記に、怨みの対象、された内容を書き込むと数日以内にその者に裁きを下します。
※注意点
裁きを下す代償として、貴方の大切なモノが失います。
よく考えて、送りましょう。
「怨みある者・・・金剛・・アイツに・・・アイツに僕は・・・代償?僕に大切なモノ何て無い。アイツに・・・復讐出来るだけで」
僕は早速ソイツの名前と人となり、された事を書いて、送信した。
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「早速、依頼がきたようだな、シリア」
「何を勝手な事をしている!!逆探知とか住所がバレたらどうする?」
俺はヴァイオを怒鳴る。
何やってる、このバカ女!!
「心配するな。今、私の能力を使って引き寄せただけだ」
能力?
「どういう事だ?」
「私の能力を使えば、闇を抱えている者のみにこの書き込みを送る事が出来る。非通知でな」
それは素晴らしい能力だな。
「さて、早速送られてきたメールを見るとしようじゃないか、シリア」
俺達は、送られたメールを確認する。
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“僕の名前は、田中海斗。柴進高校に通う一年です。”
「ほう、柴進高校か・・・お前と同じ高校ではないか」
ヴァイオが呟く。
“僕は、一学期の頃からある生徒にイジメられてます。”
“そのイジメは最初は筆記用具などが無くなる事から始まりました。”
“自分もイジメを耐えてたんですが、最近は机が無かったり、弁当が捨てられたりとエスカレートしていくばかり”
“でも、昨日、アイツは・・・金剛は・・・俺の母さんに・・・母さんに怪我さしたんだ。”
“警察に行っても、アイツの親、警察関係者だからもみ消されて・・・”
“だからお願いします、金剛に裁きを下してください”
「だとさ、一回目から結構重い内容だな。どうする?この依頼、受けるか?」
ヴァイオが聞いてくる。
「無論だ。代償があるにもかかわらず、依頼してきた者だ」
「では、計画を練ろ「お兄ちゃーん、ヴァイオさーん、ご飯できたよー」
ヴァイオが話している時に理亜が俺達を呼ぶ。
「続きはご飯を食べてからだ」
「そうだな」
ヴァイオが同意すると共に人格を交代する。
キューーーーーン
「じゃあ、早速、理亜にこの事伝えないと・・・」
僕は、ヴァイオさんが狙われている事を理亜に言おうとする。
「まぁ、待て。理亜ちゃんには迷惑をかけたくない。最初の付き合ってる設定で良い」
「ええええええええ」
ヴァイオさんの言葉に驚きを隠せなかった。
「これからもよろしくな、白青」
休載します。
今はもう一つの小説に集中します。
人気が出ればまた書きます。