第2話 魔王降臨
空間が歪んでいる・・・じゃあ、ここが例の・・・
そう考えているが、
キィィィィィィィンンンン
耳鳴りがヤバい・・・
ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ
頭の痛み・・・も尋常じゃなくなってきた。
あっ・・・意識が・・遠く・・なって・・・
その時、
「まっていたぞ、ここに来るのを。お前がな」
声が・・・聞こえる、でも・・何言ってるか・・・頭が痛くて・・分からない・・・
「・・・さぁ願え、お前の願いを。代わりに私の願いを叶えてもらうがな」
願い
その言葉だけが聞こえる
願い・・願いか・・・それならなぁー
「友達・・友達を助けたい。・・・友達を助ける・・力が・・欲しい」
それが・・今の僕の願い・・・
「・・・ふっ、なら与えよう。魔王となる力を・・」
ドキュー--ン
!? 何かを貫かれた。
ダメだ・・・体が・・熱い・・もう・・・死・・・・・・
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「・・・アイツ戻ってくると思うか?あと一分だぜ」
「大丈夫、大丈夫だ。アイツは・・白青は必ず戻ってくる」
俺は・・ボロボロになりながらも白青を待った。
「あっはははははははは、まだ言ってるよ。お前は裏切られたんだよ」
「ウソだっ。アイツはそんな事しない」
する訳・・・ない
ジリリリリリリー----
一時間のタイマーが鳴る
「時間切れ~~。さて、友達に裏切られた悲しい君、最期に言い残すことは?」
「わっはははははは、裏切られてやがる」
みんな自分を哀れみ、愚かな奴だと罵りながら蹴りをいれる。
「ゴッフッ」
口から血が出てきた。
・・・そうだ・・俺は、愚かだ・・・あんな奴といたから・・・
あんな奴と・・・友達なんか・・なるんじゃ・・なかっ・・・
その時、
「待ちなっ」
知っている奴の声が聞こえた。
が、そこで意識が飛ぶ・・・
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「なんだーお前、遅れてはいるがちゃんと来たじゃねーか。さっさと、金渡せよ。そしたら、コイツ半殺しで済ませてやる」
「ククククククク、それだと面白くないな。・・・また、ゲームしようぜ、この金をかけて・・」
「何舐めてんだクソガ「まて、ゲームか・・良いだろう。私はゲームが好きだ、受けて立とうじゃないか」
コイツさっきまでのガキか?随分と雰囲気変わったな。
「さすがリーダー、心が広い。じゃあ、ゲームを決めよう。・・・そうだな、アンタが手に持っているナイフでフリスビーでどうだ?」
「ほう、中々おもしろそうだな」
コイツ、正気か!?
「ルールは簡単だ。ナイフを投げる。体に当たり取り損ねたら負け。敗者は何でも命令を聞く、以上だ」
「体は、どこを狙っても?」
「ああ、狙いたきゃどこ、狙ってもかまわない」
「相手が死んだら?」
「勿論、殺した者の勝ちだ」
コイツ完全にイかれてやがる。
「だが、もしも俺が、お前を殺してもお仲間仕返しをしない。これが条件だ」
「いいだろう」
死ぬのはお前だ
「お前からでいいぞ。では、ゲームスタート」
白青が宣言すると同時に・・・
「死ねぇークソガキィィィ」
男は、白青の顔面に向かって投げた。
だが、
シュパッ
白青は、人差し指と中指で止めてみせた。
「なにぃぃぃぃ!?」
何だこのガキの反射神経は、人間なのか!?
「クックックックックッ、俺のターン」
そう言って、ナイフをフリスビーのように投げた。
「チィィィ。だが、次は俺の・・・」
と言いかけるが、
ギュルルルルルルー
パシッ
ブーメランの白青の元に返ってきた。
「さあ、再び俺のターン」
「お前、きたないぞ」
「イカサマ野郎」
白青に野次が飛ぶ。
「待て、お前ら。・・・なるほどな、中々の手捌きだ。だが、次は取る」
男は、少しも動揺していない。
「フッ、ソイツは楽しみだ」
白青は投げる。
「はぁぁぁぁぁ」
ブシャァァァ
血飛沫が流れ出るが、
パシッ
「はぁはぁ、どうだ・・・取ってやったぞ」
「何を言っている?お前が持っているのは・・・お前の腕だ」
「はぁはぁはぁ・・・何言っ─────」
目をやると、ナイフは地面に着いており、手にもっているのは・・・・・・
もう一つの自分の腕だった。
「ギャァァァァァ、俺の腕がぁぁぁぁぁ」
「俺の勝ちだ。約束通り、勝也君は返してもらう」
そう言い、白青は勝也に駆け寄ろうとするも・・・
「てっテメーラ、このガキを殺せぇぇぇぇ」
男が子分に向かって命令する。
「おいおい、約束を破るのか。リーダーさん」
「黙れぇぇぇ、ヤれぇぇぇぇ」
男の言葉によって、子分達は一斉に襲い掛かる。
ニィィィィィ
「JUDGMENT」
ズギュー--ン
──────────
───────
────
「────さてと、おおかた片づけた。さてと、勝也君を連れて帰るか」
そう呟き、帰ろうとした時・・・
「中々やるな、それでこそ魔王だな」
!?
驚き振り向くと、
紫の髪の女が立っていた・・・