第1話 メロスゲーム
「・・・来る・・もうすぐ・・彼が蘇る・・・私も行かなければ・・な・・・」
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「じゃ、行ってくるよ。理亜も学校に行くんだよ」
「お兄ちゃんじゃないんだから、サボらないよ。いってらっしゃい」
僕の名前は、二重白青何処にでもいる普通の高校生だ。
最近、妙な夢ばかり見ている気がする
でも、どんな夢なのか思い出せない
登校中に考えていると
「おーい、シリア〜おはよう」
「どうしたのですか?二重さん、元気ないように見えるんですが」
と、女子が声を掛けてきた
最初に話しかけたのが、幼馴染の咲宮真菜
そして、高校に入って仲良くなった東明寺アリアさんだ。
二人共、毎回一緒に僕と登校している
そのため、登校している時、他の人の目が凄い
何故ならどっちも美少女だからだ
「うっうん大丈夫だよ、東明寺さん。あと、真菜もおはよう」
「ぶぅー、私はついでなのね〜シリア〜」
「仕方無いじゃありませんか、真菜さん。二重さんは、私を優先したのだから」
いや、別に優先した訳じゃないんですけど
「そうなの!シリアは、アリアさんを優先したの?」
見るからに焦る真菜。
「別に優先した訳じゃないよ」
「よかったー、アリアさん勝手に私のシリアを盗ったのかと思ったよ」
「あらっ、真菜さん。二重さんは貴方のじゃないのよ───
そうだよ、僕は真菜の物じゃないよ・・・
───私の物よ」
いや、東明寺さんの物でもないよ
バチバチバチッ
真菜と東明寺さんの間で火花が散る
いつもの事だけど、怖いなぁ
何で争っているんだろうか、分からない?
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───そうこうしてる間に学校に着き、自分達のクラスに向かう
真菜と東明寺とは違うクラスのようだ
「よう、また美少女二人と登校かぁ。いいなぁお前、漫画の主人公かよ」
白青の友達、高橋勝也が話しかける
「別にそんなんじゃないよー。二人共、僕と絶対釣り合わないし」
「ほらっ、そういうとこ・・そこが、主人公みたいって言ってんの」
「えっ、今の何処が主人公っぽいの?」
ああー、もうダメだな
勝也が項垂れる
「それより聞いたか、白青?この町のある場所に宝があるって事を」
「知ってるも何も、自分この町の生まれだから知ってるよ。単なるデマだって事も」
「あっそういえばそうだったな、っていうかデマなのか?じゃあ、あの噂は何なんだ?」
「噂?」
勝也の話によると、その場合に入ると、なんだか空間が歪んむらしく、そこで願うとなんでも叶うらしい。
そんな事生まれてから住んでるけど会った事ないしなぁ
「よし、じゃあ放課後その場所を探しに行こうぜ。あっお前は、美少女二人と帰るのかぁ」
「違うよ。二人共部活で、帰りは僕一人だよ。ちょうど暇だったし、行くよ」
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放課後、僕ら二人は早速空間が歪むといわれる場所を探し始めた
二時間後、辺りは暗くなっていったが例の場所は見つからない
それどころか・・・
ヤバい連中に囲まれた
「おいおい、この場所は子供が来ていい所じゃねぇーんだよ」
ヤバいヤバいヤバい
勝也は、凄く焦っている
自分ももももこんなにににに震えていいいいるのは、初めてだ
そして、親玉であろう人が
「そぅだ、このまま、痛めつけるのもアリだが、面白くない。ゲームをしよう、名付けてメロスゲームだ」
メロスゲーム?
「僕ちゃん二人、走れメロスっていう小説読んだことあるよな、太宰治の」
「「はっはい」」
「邪智暴虐の王に真実を証明する為に、メロスが友を人質にするっていうな。それをお前たちにやってもらおうと思ってな。そこの気の弱そうなお前、お前がメロスな」
ぼっ僕がメロス!?
「ルールは簡単、一時間以内にお前が二十万用意しに家に戻る。その間に警察や親に言えば、コイツは殺す。勿論、来なくても殺す」
えっ・・・えっ!?
「白青、俺はお前を信じているからな」
勝也は、ハッキリ言った。
「勿論、お前は来なくても殺さんよ。だから来なくてもいいよ。じゃあ、スタート」
僕は全力で家へと走った
でも今、二十万だなんて妹と二人暮らししてる自分達には、到底払える額じゃ無い
そう思った瞬間、
足が止まった。
あれだけ自分を信じていると言ってくれた勝也を裏切ってしまうことに恐れていた
なっなんで・・ぼっ僕がこんな目に僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕はぁぁぁぁ
そう地面に項垂れている時、
頭の中がグラグラしてきた
立とうと思っても立てない
おかしいと思って前を見ると・・・
“ある場所に行くと空間が歪むんだ”
空間が歪んでいた
他に連載中、ダークファンタジー
国境騎士団 バリアント ─哀れな同胞の為、クソ野郎供に復讐を─
も連載してます