55話 モフモフと偽りの予言
考えに考えた策として、俺がフェルエーラに予言を貰ったとして和平交渉して、オルガナと結婚するという案だ。
正直フェルエーラの言葉は分からないが、協力してくれることだけははっきりしている。
そこで俺が考えた策というだけだ。フェルエーラは後ろでふよふよ浮いているだけで良い。俺が何とか口八丁で何とかして見せる。
その意図をフェルエーラに伝え、俺は早速王たる父上に予言を貰ったと相談してみた。
結果は一言でいうとダメだった。
父上はフェルエーラもしっていたし、その位の高さも分かっていた。だが聞く耳を持たなかった。そこにフワフワ浮いているだけの毛玉がフェルエーラだと思えないらしい。それに本当にその予言が正しかったとしても、戦争は止める気はないと。どちらかが勝つまでこの戦いは続く、秘密兵器も手に入れたことだし、こちらの勝ちで終わるがなと笑っていた。
俺は分からないでいた父上の考えが、明らかに国を治めるものとしての考えではない。ただ先祖から続いているとして、意地になっているだけだ。死者も小競り合いで出ているというのに、いったいなぜ和平で終わらせようとしない。たった一つのちっぽけな野原だぞ。名前もないような、平原だ。それのためになぜここまでのことをする。
俺はあの平原に何かあるのではないかと、疑い始めていた。ここまでということは何かあるに違いない。
大臣にも駆け寄り、いろんな奴に聞いてみた。平原の事について、そしたら具体的なことは分からなかったが、何か陰謀の様なものを感じた。平原の詳しい事を聞くと、戦争賛成派はそろって口を濁す。いったい何があるというのだ。
そしてその夜、俺はフェルエーラとともに父上に呼び出された。どうやら俺がかぎまわっていることに気が付いたらしい。
「本当は王位継承の時に話すことなのだが、仕方がない。お前とその毛玉にも教えておいてやろう。あの草原を手に入れる本当のわけを。あそこには一見何もない様に見えるが、あの中心部の地下にはとてつもないアーティファクトが眠っている。国を発展させるのに十分なほどのな。それがあれば小国から大国へと昇り詰めることが出来るのだ」
それが父上の話だった。アーティファクトの具体的な内容は王位継承の時に話すと言われた。その日は話が終わり、俺は自室に返された。
「君はどう思うあの平原の地下にそんなものがあるとは、とても信じがたいのだが」
「きゅー(どうだろうな)」
「だがはっきりと分かったのは俺の力では和平は……無理なのかもしれないな。そこで折り入って話がある」
「きゅー?(なんだ)」
「オルガナに手紙を書くから、それを送ってほしいのだ。彼女の方の国から和平を頼むというのなら可能かもしれない。それを頼む手紙と恋文の返事を書く」
「きゅー(報酬はマスカッシュな)」
「良く分からないが分かった。マスカッシュを用意すればいいんだな? たぶん」
「きゅー(分かってるじゃねぇか)」
こくんとフェルエーラは頷いた。
「そうかあるなら、月光のマスカッシュという極上品も用意しよう。では頼む」
そういうとフェルエーラは
「きゅーきゅー!(まじか、あの月光のマスカッシュを!)」
と声を上げて喜んでいた。
月光のマスカッシュというのはその名の通り、月光だけを当てて育てたマスカッシュだ。魔法の薬の材料にもなる。そのため高値で取引されるのだ。もちろん味の方もただのマスカッシュとは格段に違う。
「では早速手紙を書こう」
その後俺は夜更けまで手紙を書き、夜明け前にフェルエーラに手紙を渡し、見送った。
上手くいけばいいのだが……。
それと俺の恋の行方はどうなるのか。




