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シロモフ転生  作者: あめふらし
50/60

50話 モフモフと決勝

「棄権する」

 男の声が黒いローブの内側から響いた。

 それは決勝戦の時の事である。

 勝ち上ったサタンコングとその使い手である黒いローブと俺たちの試合が始まったと同時だった。

 その言葉に会場は一気にざわめく。何せ今回のオッズは1.01VS105.6というとんでもないものだったからだ。

 サタンコングはほぼ無傷であり、黒いローブもただ物じゃないと思わせるたたずまい。誰もが決勝で勝つのは、サタンコング側だと思っていた。

 唯一と言ってもいいほど俺たちの勝ちを信じていたのは俺とフランとそしてその母親ぐらいのものだった。

 実況が「今何とおっしゃったのでしょうか?」と敬語で尋ねるも「棄権すると言ったのだ」と同じ言葉しか返ってこない。

 今までで一番呆気なく、俺の活躍も一切ないまま決勝戦は終わった。

 実況者が何故? と聞くも黒ローブは無視だ。そのうち分かるといって、その後は沈黙を続けた。

「嘘……。という事は私たちが優勝? やった~!」

 会場でフランとその母親が喜びの舞を踊りながら騒いでいる。

「やっほー、やっほー、やっほー、やった~!」

 会場は逆に賭けで大損したとかまさかのラッキーだぜと会場の方も騒ぎまくっていた。

 会場の騒ぎが収まると順位の発表と、景品の受け渡しがされた。優勝賞品として、俺たちは百万ゴールドと世界樹のリンゴリンを手に入れた。さらにアキフトルーノ王子から五十万ゴールド相当するレッドローズというバラも贈られた。俺当てらしい。未だ諦めてなかったのかあいつ。

 そのことに敬意を表して人化かつ天空の島に行けたら、会いに来てやろう。俺の人化はオスだと俺は信じているがな。

 そして無事借金は返せたようだ。直々に借金取りが会場まで来ていた。フランは一発ぶん殴っていたが、まぁ擦り付けられた奴だしな。そして父親であるファレグの賞金をフランはもぎ取って行っていた。本戦出場の十万ゴールドはフランの手に渡ったのである。

 他にも準決勝進出として黒いローブが真っ赤なルビーが付いたペンダントを貰っていた。宝物子に会った者らしい。それと二十五万ゴールドを手にしていた。

 が黒いローブは金に興味がないらしく、ぽいっと地面に捨ててしまった。それをサタンコングが拾い上げてむしゃむしゃと食べる。すげー勿体ないことしたぞ、お前。あのゴリラその意味わかってんのかなぁ?

「さてここからが真の決勝だ」

 ぽつりと黒いローブが呟く。

「お前も暴れ足りなかっただろう?」

 そう言って黒いローブはサタンコングに向いた後、意味深に俺の方に向いた。

 その目は真っ赤に染まっており、肌は白すぎるほど青ざめていて、刺青が頬に書かれていた。

「殺せ、あの珍獣をな。そのためにわざわざ強硬手段を取らなかったんだ」

 その命令に、サタンコング……ではなくウロボロススネークのガルニーニョが反応した。不意打ちで俺をビタンっと俺を叩き付けた。咄嗟の事に白銀色に体毛を変化するのが間に合わず、そのまま喰らう。がゴムの様な体質はその衝撃をほとんど地面に受け流した。

「おい! 何しているガルニーニョ! ぐはっ」

 ファレグの胴にガルニーニョのしっぽの薙ぎ払いが命中した。仮にも主人のファレグのことなど眼中にないようで、俺の方を向くと、さらに追撃の薙ぎ払いを繰り出してきた。

 俺はそれをふわりと宙を舞って避ける。

 そして気が付くと俺とフランはこの大会に出場した魔物に囲まれていた。大きな怪鳥、ガルニーニョ、飛龍のゼミシュカ、黒く濁った水の精霊、その他、この会場に集まっていた無数の魔物たち。

「どういうことだ? 一体何が起こっておる!?」

 王様のハルフトリーノもこれには困惑の表情を浮かべている。

 それどころか狂暴化した魔物が付近の人を攻撃し始め、会場は阿鼻叫喚だ。

 逃げ出す人々が続出し、終わりの挨拶どころではなくなった。

「きゅー(これは)」

 俺はその根源の邪悪な力を感じ取っていた。

 確かに感じる。あの真っ赤なルビーの付いたペンダントから邪気を感じる。それは黒いローブが受け取るまで、感じなかったものだ。

 そしてその邪気は魔人の物に似ていた。


当初の目標であった五十話に達しました。

やったぜ。


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