49話 モフモフと告白の行方
「……何よりその美しい毛並み、白く太陽に照らされる姿は雪のように美しい。そして小柄な体格とつぶらな瞳は可愛らしさをこれ以上ないほど持っている。それから……」
とケモナー王子がさっきからずっと俺に対して愛の告白を続けている。フランは顔を真っ赤にしたまま押し黙って俯いていた。
「きゅー(お断りします)」
取りあえず通じるか分からないが俺は王子の愛の告白を断った。まず何より俺は男だ。男のハルフトリーノの告白何て受けれるわけがない。それに俺は告白されるならかわいい女の子がいい。
「さあ返事を聞かせてください、こむぎこさん」
「きゅー(無理)」
と俺は声を上げるとともに首を横に振った。
「そんなダメだとおっしゃるのですか? ならせめて人の言葉で断ってください。頼みます。私の見立てではあなたは聖獣フェルエーラのはず、人の言葉をしゃべれるのでは?」
この王子俺がただの獣でなく聖獣フェルエーラだということにまで気が付いているのか。さすがはケモナー王子? と言ったところか。
「きゅう(俺は幼いから人語は喋れない)」
とまたもや俺は首を横に振る。
「そうですか残念です。なら当然人化も出来ないという事ですよね。一目でいいからあなたが人化した姿を見たかったものです。あれ? ということはあなたはまだ性別がないんですか」
は? 今なんて言った? まだ性別がない?
「きゅー? (どういうことだ?)」
そういうと王子は察してくれたのか説明を入れてくれた。
「えっと、良く分かっていらっしゃらないようで説明しますと、高位の聖獣は生まれたときには性別を持たず、オスでもメスでもありません。人化の術を手に入れたときはじめて性別が決まるのです。私は直感であなたが女の子だと思ったのですが……勘が鈍りましたかね。今まで十五回告白してきて全匹女の子だったのですが。というかこれで振られるのは十六回目ですか、つらい」
性別を持たない? 無性ってことか? というかそうか俺は前世が男だったからな。勝手に現世も男だと思っていたがそうではないのか。それどころかメスになる可能性まであるのか。マジか、俺はどっちに人化するんだ? すっごい不安だ。
とここで押し黙っていたフランがつかつかと王子に歩み寄る。
そして花束を王子に押し戻すと……。
「勘違いさせるなーーーー!!!」
ものすごい勢いでビンタした。
それも王子の顔面にクリティカルヒットだ。
「げふっ」
とっさの事にガードも出来ずもろに喰らう王子ハルフトリーノ。あれ、この光景どこかで見たことあるぞ。
「何なのよ、ケモナーって分かるかそんなもん!!」
そのまま拳を腹に決めて、連撃していくフラン。そして
「馬鹿~~~~!!!」
下あごを的確に狙ったアッパーで王子は少し宙に浮いて、吹っ飛ばされた。
えぐい攻撃の連続をふいに喰らった王子は立てず、戦闘不能となった。
「きまった~! フラン選手の拳がハルフトリーノ様にクリティカルヒット!! これは立てない!」
そして判定でこちらの勝ちとなった。あれ、俺予選からここまで何もしてないぞ。




