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シロモフ転生  作者: あめふらし
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34話 空中のモフモフ

第五章 始まり

 王都サザンロックを旅立ち、何日かが過ぎた。今は街道に沿って、宙に浮く練習をしながら東に進んでいる。練習のかいあってか、俺は半永久的に飛ぶことが可能となった。俺の空を飛ぶ力は周りの魔力を利用する。なので周りの魔力を操るコツを掴めば、あとは周りの魔力が尽きない限り飛ぶことが出来る。

 飛ぶ速度はふよふよという擬音が似合うレベルだが、それでも半永久敵に飛ぶことは可能だ。

 そこで俺は一度、空を飛んで天空の島を目指してみようかな、と思った。

 天空の島は魔力の波に乗って絶えず移動しており、最初に見た時よりも場所は変わっている。といっても地上から見た星みたいなもので、あまり場所が変わっている感じはしない。

「きゅー(それじゃあ飛んでみるか)」

 もしかしたら天空の島に帰れるかも知れない。そんな淡い希望を胸に俺は水中を泳ぐように空を飛んだ。

 風に流されそうになるも飛び続けてはや数分。俺は飛んで天空の島を目指すことを諦めかけていた。

「ギョエエエエエエエエエエエエエエ」

 雄たけびを上げるのはプテラノドンのくちばしに牙を生やした様な怪鳥だ。そして俺を餌として追いかけてきている。

 あっちはビューっという効果音が似合いそうなのに対し、こっちはふよふよという速度だ。すぐ追い付かれ食べられそうになる。そこを全身の毛を逆立て、白銀色になることで、白銀色のトゲトゲとなり怪鳥の口から逃れた。

 ふぅ、危ないトゲトゲにビビってくれてよかった。しかし白銀色の体毛は非常に重く周りの魔力が上手く操れなくなることもあって、俺は自由落下を始める。

 怪鳥がどこかに飛んで行くのを見計らって元のフワフワした体毛に戻す。今のところこの白いモフモフの状態じゃないと上手く飛べないんだよな。

 俺は一度天空の島を目指すのを諦め、地上に戻ることにした。

「あわわわわわわーー!!」

 その時である。空中でボーっとしながら地上に戻っていた時、突然女の子の慌てる声が空に響いた。声の下方向を急いでみるとそこには、箒にのりザ・魔女の様な格好をした女の子の姿があった。そしてその進行方向は俺と被っていた。

 突然の出来事に何もできず、俺は魔女っ娘と側面衝突する。

「きゃーーー!!」

「きゅーーー!!(おわああああああ!!)」

 ぽゆんと俺が吹き飛ばされ、そのショックで魔女っ娘の操作する箒がバランスを失う。

「あわわわわ! 落ちるーー!!」

 そういった瞬間からゆらゆらと本当に魔女っ娘が地上に落ちていく。

 これはやばい。まさか空中で事故るなんて。

 俺は白銀色になって落ちる速度を加速させる。そして魔女っ娘が落ちそうな地点に急いで向かい。大量の毛を生やしてクッションとなるようにした。

 そして魔女っ娘が巨大な毛玉となった俺にぼふんと墜落する。

「あー、いたたた……って痛くない!? 何このモフモフ!?」

 魔女っ娘が驚きの声を上げ、無事だと確認すると俺は体毛を元の長さに戻した。シュルルとメジャーの様に毛が巻き戻っていく。

「おわっ」

 どてっと魔女っ娘が尻餅をつく。あっ、そこまでは考えていなかった。すまん、魔女っ娘よ。

「ふー、一時はどうなるかと思ったけど、君のおかげで助かったよ」

 土ぼこりを払い、魔女っ娘がそういった。

「私の名前はロルル、魔女見習いで今は師匠にお使いを頼まれていたの。君は?」

「きゅーきゅー(きゅーちゃんとでも呼んでくれ)」

 もしかして聖獣の言葉が分かるのかと、俺は返答する。しかし俺の声を聞くやロルルは困った顔をして、

「あれ? 言葉が分からない? 小動物の言葉はちゃんと勉強したはずなんだけどなぁ」

とつぶやく。

 うーむ。俺を小動物か何かだと勘違いしているらしい。俺は聖獣なんだけどな。

 そこまでして、ロルルはポケットをまさぐった。そして周りを見渡す。そして再びポケットをまさぐる。そこまでしてロルルの表情が青ざめていった。

「うわああああああ!! お届け物がどこかいっちゃたよぉおおお!!」

 お、お届け物だと!? まさか俺と衝突した時にどこかに落としてしまったんじゃ。

「きゅーきゅー(落ち着け、たぶん俺と衝突した時に落としたんだ)」

「え、えっと君、いや呼びにくいからきゅーちゃんって呼ぶね。きゅーちゃん、もしかして私の言葉が分かるの?」

 俺の落ち着かせようとした鳴き声で、知性ある獣と判断したようだ。俺はこくりと頷く。

「そっか、誰かの使い魔なのかな? それよりきゅーちゃん! 私さっき大事なものを落としちゃったみたいなの。一緒に探してくれない?」

 やはりそうか、空中事故の時に落としてしまっていたようだ。こうなったら俺も協力するしかないだろう。俺はこくりと頷く。

「ありがとうきゅーちゃん!」

 こうして俺のお届け物探しが始まったのであった。

 


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