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プロローグ

俺は根暗でデブメガネの高校3年生。

高1の終わり頃からクラスメイトにパシられたりサンドバッグになったりしている。

俺が虐められている理由は見た目がこんなデブメガネだからだ。

こんな外見からかそれとも性格があれなのか先生からは相手にすらしてくれない。逆に先生からもパシられたりする始末だ。

中学校までは陸上部の短距離走専門でいまのふくよかな体型もスラッとしていたが高校になってから部活を辞めてダラダラと毎日お菓子を食べていたらこんな体型になってしまった。しかも、中学校の頃からアニメとか2次元にしか目がなかったから3次元の彼女なんか出来たこともない。

高校生になってからゲームにもハマってよく学校を休んでまでオンラインゲームのイベントばっかりしていた。親からもらったお金のほとんどをそれに注ぎ込んでオフ会などもしたが、よく両親にめちゃくちゃ怒られたもんだ。

もちろん2次元の彼女なら山ほどいるけどな。

世間一般的に言うキモオタっていうやつだ。

そんな俺は学校のある場所にいた。


「流石に高いな」


風が勢いよく吹いている。確か今日は風が強いってテレビで言ってた気がする。

俺が今ここにいる場所は3年間通っていた高校だ。

この学校は5階建てで俺はその屋上にいる。

屋上には飛び降り防止のフェンスがあるのだが、そのフェンスをよじ登ってフェンスの上に座っている。

昔から俺はこういうのによじ登るだけは得意だ。

何故こんなところにいるのかって?それは俺のどうでもいい人生に幕を降ろすためだ。

死んだら何かしら話題とか残ると思うしな。

未練?パソコンのエロ画像、ロリ画像は泣きながら全て消去したし、エロい本や同人誌、18禁フィギュアは全て焼却処分にした。

遺書だって書いた。骨は全て海に撒いてくださいと書いた。

部屋には俺がいた痕跡を何一つ残してはないはずだ。

あとはここから飛び降りて死ぬだけだ。ところで、俺が死んだらどうなるのだろうか?

今まで俺を虐めてきた奴らは捕まるのだろうか?

先生達は虐めがあった事を正直に話すのだろうか?

てか俺が死んだらニュースとかに取り上げられて有名人になるんじゃね?

そんな淡い期待も出てきた。

死ぬ前に童貞捨てたかったなぁ。

生まれて18年間童貞だったが死ぬまで童貞だとは思いもしなかったなぁ。

これだけが俺の未練だ。

じゃあそろそろ逝こうか。とその時背後でバンッと扉が勢いよく開く音がした。


「お前!そこで何をしてる!」


俺が虐められて助けを求めたが無視していた先生だ。

俺が死のうとしてたのを知った誰かがチクったのだろう。

いらないことをしやがって。そんなにオモチャがいなくなるのが寂しいのか?


「別に何にも」


今から死ぬところですとか言うともれなく3者面談とかになりかねないから適当に言うと、


「何にもない訳ないだろ!危ないからさっさと降りてこっちへ戻ってこい!」


どっちにしろ煩いなぁ。

黙ってても煩いし話しても煩い。こんなことだったらさっさと飛び降りたらよかった。

降りたとしてもどうせ怒られるんだろうなぁ。少し後悔した。

まあ1回降りて日を改めて死のう。

そう思いおりようとしたその瞬間、突風が吹いた。


「うわっ」


俺は突風の所為で体勢を崩しフェンスの向こう側に落ちていった。

落ちていく中白い光みたいなのが見えてきた。これ が噂に聞く走馬灯ってやつか。

おっ虐められてた記憶が蘇る。

高1の時5万持ってこいとか高2の不良集団による集団暴行とか最近で言えば万引きの手伝いを無理矢理やらされて捕まりかけたり数えたらきりがない。

この記憶ももう死んだら忘れられるだろう。もし死んだ後までこんな記憶だけは覚えていたくない。

遠くで先生が大声で叫ぶ声が聞こえる。そりゃあ生徒が飛び降りたら叫ぶよな。自分の評価も下がるだろうし。

あっ地面が近づいてきた。そろそろ地面に激突するんだろうな。下半身不随のか中途半端に死ねなかったらどうしよう。

そう思ったら目から水が出てきた。

えっ何で俺泣いてるの?泣く要素なんてある?やっと俺はこの世界から消えれるのだぞ。


「もし死んだ後可能ならば転生してヒーローになりたいなぁ」


と死ぬ前に思った。


ドカッッッ


そして俺は勢いよく地面に激突した。


ボキボキボキッッッ


体中の骨が折れた。体重が100kgを超えているので脂肪で多少のダメージは免れたが、それでも人間が生きていく上で折れてはいけない骨が折れた。そんな気がした。

だんだんと目の前が真っ暗になってきた。呼吸が出来ない。苦しい。

近くで女性の悲鳴が聞こえる。悪いことをしたなぁ。

何が起きたのか?と見物人が続々とやってくる。

だんだん寒くなってきた。これが死ぬということか。死ぬ前にいい経験が出来たぜ。てかもう死んだのと同じか。


そして俺は死んだ。

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