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第四話 そして始まるリアル?シ○シティー



いやぁ、よく寝た。

って・・・そんなわけあるかぁ!

横に美少女がワンピース一枚で寝てるんだぞ!?

寝れるか!

いや、へんなことはしてないけども!

寝顔はばっちりスマホで撮ったけども!(犯罪です)

因みに俺のベッドにはユーリ。

散々ごねていたが姫は強制的にお部屋に帰っていただいて。

俺はお宝に埋もれるように布団を敷きその上でヘッドホンしながらぴょんぴょんしてましたわ!

いや~マジ癒されるね。

めっちゃ和菓子食いたい。


で。完全に徹夜なわけですが・・・


「トーマさん、おはようございます」

「おう、よく眠れたか?」

「おかげさまでよく眠れました」


と、玄関から入ってきたのはユーリである。

着替えは無いので(姫のものは全て和服とのことで着付けが面倒だったらしい)昨日のままの姿だ。

洗面所は家のは狭いので姫に借りに行ってたというわけだ。


「トーマ、おはよう」

「おはよう姫・・・ってその格好はなんだ!?」


姫の格好は半分以上はだけた浴衣である。

きっちり着付けをした着物とは違い、ボールームのある胸が惜しげもなくさらされている。

もちろんHTMMもちらりと・・・てかこれ下着穿いてんのか!?

某○娘の姉妹じゃないんだから!

ヤヴァイ!いまだ使われたことのない息子さんがガッツポーズしそうだ!


「ん?いいじゃろ?なんなら・・・いいんじゃよ?初めて妾に美しいといってくれた殿方じゃから・・・」

「だが断る!」


やったぜ俺の理性!

深夜テンションでもやっちゃぁいけないこともある。

人としてな!

その反応を見て姫がしゅんとうなだれる。


「まさか、やはり妾がぶさ・・・」

「無いから!それは無いから落ち着け!」

「そうか・・・?」


『にぱー』っという擬音がぴったりなほど顔が明るくなる姫。

いいのかこんなのが神様で・・・?


「あのー、お取り込み中申し訳ないのですが・・・」


ジト目でこっちを見てくるユーリ。

ナイスフォロー!


「ほら姫、ユーリも困ってるじゃないか、早く着替えて来い」

「しかたないのう・・・」


と、おとなしく引き下がる姫。

姫が部屋を出ていくのを確認してユーリが囁いて来る。


「これでよろしかったですか?」


俺は無言で親指を立てる。

通じるかどうかが不安だったが、どうやら表情で読み取ってくれたらしい。


さて、そんなこんなで朝食を作ることになるのだが・・・

ユーリにあわせるわけにもいけないし、冷蔵庫の中から適当に材料を出し調理開始。

っとその前に。


「ユーリはご飯って食べたことあるか?」

「いえ?なんですかそれ?」

「パンは?」

「それなら・・・」

「了解した」


ってことは無難にパンかね・・・

まずは薄切りのベーコンを軽く油を敷いたフライパンに投入。しばらくすると肉の焼ける良い匂いが辺りに充満する。

ジュゥジュウいいながら、旨みが溶け込んだ油と塩がフライパンに染みを広げていく。

こいつはちょくちょくひっくり返しながら、両面カリッと焼き上げる。

そいで、お次は旨みが染みたフライパンに、卵をジュワーっと広げる。

火を弱くして蓋をして、片面焼けたらターンオーバーに。

両面に旨みを行かせるのなら、こっちの方が美味しいのだ。と、勝手に思っている。

因みに、片面焼きのことはサニーサイドアップという。

こっちはご飯のお供が、俺のジャスティス。醤油でな!

あとはトースターで焼きあがったパンに、マヨを塗りつけ、ベーコンと目玉焼き。その上から塩コショウを一振り。

で、レタスを水にさらし、適当に手でちぎって完成。


と、ここまでを後ろで見ていたユーリが、目を丸くしている。


「ん?どうした?」

「いえ・・・手際がいいな、と思いまして」

「まぁ、昔じいちゃんの店を手伝ってたからな」


祖父は今でも喫茶店をしている。高校生のころは、俺も小遣いほしさにバイトしていたのだ。

だからなるべく残業の無い日(土日も怪しかったのだが)には自炊をしていたのだ。


「おじい様のお店を・・・」

「ま、こうして役に立ったんだ。なんでもやっとくもんだね」

「あら、良い匂いじゃの。朝餉か?」

「お、いいところに」


良いタイミングで現れた姫を狭いテーブルに着かせコーヒーを淹れる。


「「「いただきまーす」」」




慎ましやかな食事(とはいってもユーリは、初体験のマヨネーズがいたく気に入ったようで、騒いでいたが)が終わり、外へ出る算段となった。

さぁ、異世界・・・どんなのか見てやろうじゃぁないか!

と、意気込んだのだが出た先は瓦礫の山、山、そしてまた山。


「みんな・・・なくなってしまったのですね・・・」


ユーリが悲しそうに目を伏せる。


「で、この状況をどうしろってのさ。姫?」

「うむ、それなんじゃがな・・・街を、復興してほしい。出来れば1万人規模くらいにな」


それを聞いたユーリが涙を拭きもせず姫に食って掛かる。


「そんな!無理です!以前の王都でも5千人位でしたよ!?ましてや父上たちもいらっしゃらない中で・・・どうやって・・・」


最後は、自分で言った言葉が重かったのだろう。声も、震え聞いているほうが辛くなるような声だった。


「ふむ、姫の力で、俺を元の世界に返すのに、そのくらいの規模の信仰が居るってことか?」

「そういうことじゃな。それと、しばらくは魔物の大発生で、周辺諸国も手出しは出来んじゃろうが。早いに越したことはないぞ?」

「タイムリミット付きかよ・・・」

「やれるかの?」


姫は試すような目つきで俺を見上げてくる。

ユーリは縋るような目で見上げている。

まぁ、美人二人に頼られて悪い気はしない。

幸い資源も何とかなりそうだし、無くすものなんてなんもないしね。


「やってみましょ。何もしないで後悔するより。やって後悔したほうが万倍マシってね」

「なら、頼むぞ?妾も消滅がかかっておる」

「トーマ様・・・ありがとうございます・・・・!」


まぁ、ユーリが少しでも笑ってくれた。

姫も、頼ってくれてる。

少なくとも陰険な上司や強制残業なんかが無い超ホワイト企業なんだ。

好きにやらせていただきますかね。


「あ、でも俺。シ○シティーって苦手なんだよね」

「「シ○シティー?」」

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