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シンキクサイレン  作者: 霜月 秋介
プロローグ
6/45

6

「でもそうなったら僕が犯罪者になるよ?」

「気の毒だけど、そうなってもらうしかないわね」

 わからない。自殺と思われようが他殺と思われようが、いずれにしても死んでしまえば後の事はどうでもいいだろう。自分が気にするほど、他人は自分のことをどうとも思っていないものだ。どこかの心理学者がそう言っていた。それに、彼女の妙なこだわりのために僕が犯罪者にされるのは迷惑な話だ。

「悪いけど、断るよ。そろそろ昼休みも終わりだ。教室に戻る」

「いいわ。じゃあ、私を押さなくていいから、もう少しこっちに来てくれる?」

『おいでおいで』といわんばかりに上下に動く彼女の右手。僕はよくわからないまま、その手に導かれるように彼女に近づいた。

「そう。もっとよ。もっと私に近づいて」

 僕は言われるがまま、彼女に近づいた。

「私の右手を握ってくれる?」

 またしても言われるがまま、僕は彼女の右手を握った。すると、彼女の右手になにやら、ひんやりとした液体が付着しているような感触があった。

 と、次の瞬間。

「うっ!?」

 彼女が突然、背中をのけぞった。彼女の右手と僕の右手はくっついたまま離れず、彼女に引っ張られるように、僕も屋上の手すりを超え、彼女とともに下へと…!



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