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シンキクサイレン  作者: 霜月 秋介
プロローグ
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5

 最近のテレビコマーシャルでよく聞く『九十九.九パーセント』という数字。『百パーセント』とは言い切れない企業の弱さが知れてくる。クレーマーへの対策のためにこのような言い方をしているようだ。この世に絶対などありえないということだろう。

 彼女が手すりに塗ったというその接着剤もそうだ。たしかテレビで『一度くっついたら九十九.九パーセント剥がれません!』と言っていたのを僕は覚えている。

 つまり、手すりと彼女の足をくっつけている接着剤が剥がれ、彼女が落ちる確率は〇.〇一パーセントということになる。彼女の体重が何キログラムかは解らないが、いくら接着剤が強力といわれていても、彼女の体重を支えるほどの力があるとは思えない。

「ねえ、あんた、少し私を後ろへ押してくれない?」

「え?なんで?」

 彼女がまた更に不可解なことを言ってきた。

「今、あんたを見ていて思いついたの。もし接着剤が剥がれて下へ落ちて私が死んだら、自殺したと勘違いされるでしょ?でもあんたに押されて落ちたら、私はあんたに殺されたことになるじゃない。その方がいいかなって…」



 

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