表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンキクサイレン  作者: 霜月 秋介
プロローグ
1/45

1

 休み時間になると、教室にはいくつかの会話のグループが自然とできる。その数グループが奏でる不協和音が、どのグループにも属さない僕にとっては苦痛極まりない。その苦痛の時間を、僕はただ机にうずくまって、寝ているふりをしてやりすごす。

 小学校、中学校までは、それなりに仲がよかった友人がいたが、高校生になった今、その友人たちとは離れ離れになり、新しい友人もできずに僕は完全に孤立してしまった。

 騒がしい教室の居心地の悪さに、僕はひとり屋上まで昇った。雲ひとつない青空。今の僕の心とは正反対である。

 僕は手すりに寄りかかって校庭を見下ろした。一ヶ月前に校庭の隅に咲いていた桜も、今では新緑の色へと姿を変えた。緑色の木々は風にあおられ、上下左右に揺れている。

 揺れる緑色に見とれていると、僕が寄りかかっていた手すりが突然、軋みだした。何事かと屋上を見渡してみると、景色をみて心を落ち着かせていた僕の目に、衝撃的な光景が突き刺さった。女子生徒が一人、手すりに両足を乗せて立っていたのだ。今にも校庭に落ちそうな状態で。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ