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14.17-02 極秘プロジェクト?2

 ワルツたちと食事をした後、狩人は満足げに転移魔法陣の向こう側へと姿を消した。ミッドエデンからレストフェンへとやってきた当初とは打って変わり、帰るときの狩人は、憑き物が取れたような朗らかな表情を浮かべていたようだ。ただ、彼女が立ち去る際、その背中に哀愁のようなものが漂っているように見えたのは、ワルツの気のせいか。


 狩人が去った後、今度は大公ジョセフィーヌも帰ることになった。彼女も国のトップとして忙しい日々を送っており、今日のようにワルツたちの朝食にやって来るのも、本来、簡単な事ではないのだ。


「あぁ……大公をやめられたら良いのに……」


「ちょっ……ジョセフィーヌ?なんてことを言うのよ。国の責任者がそれを言っちゃ拙いでしょ……」


 ワルツが思わずツッコミを入れるが、ジョセフィーヌはかなり疲れているのか、苦笑を浮かべるだけだった。本気で大公をやめたいと考えているらしい。


 そしてジョセフィーヌが帰った後は、ワルツたちの登校することになった。この時、一人だけ、ミッドエデンに帰っていない人物がいるのだが、彼女は家の中の掃除を終えた後、国に帰るとのことだ。イブの話である。


「行ってらっしゃいかもだし!」


「あ、うん……。貴女は私たちの家事をやめたくはならないの?」


 ワルツはイブに問いかけた。ところがイブから帰ってきたのは——、


「ん?どうして?」


——という疑問の言葉。どうやら、彼女の中に、やめる気は微塵も無いらしい。


「いや、貴女がそれで良いと言うなら、それでいいんだけど……」


「んー……美味しいご飯と暖かい寝床で眠るためには、働かなきゃダメかもだもん。働かざる者食うべからずかもだし!」キリッ


「あ、うん。そうね……」グサッ


 ワルツの心に何かが刺さった。朝食で食べた魚の骨だろうか。


 イブに見送られて家を出発したワルツたちの内、ワルツは珍しくゲッソリとしており……。その他、アステリアも、イブの言葉に感化されたのか、どこか元気の無い様子だった。


 一方で、ルシアはいつもどおり。今、自分が出来る事をする、という考えをモットーにしている彼女に、凹んだ様子は見られない。今日もハツラツといった様子だ。


 テレサも、いつもどおりだ。地下から地上まで500mほどある天井を見上げ、今日もこれを登るのか、とゲッソリとした表情を浮かべていた。もはや、彼女の無表情とは、ゲッソリフェイスと言えるかも知れない。ちなみに、登る方法はエレベーターなので、肉体的に疲れることはない。ゲッソリとする理由はどこにもないので、やはり、ゲッソリフェイスが彼女の無表情なのだろう。


 そしてマリアンヌ。


「…………」


 彼女の表情も珍しく暗かった。何かを考え込んでいるらしい。


 そんな彼女の様子にポテンティアが気付く。


『どうかされたのですか?マリアンヌ様』


 ポテンティアが問いかけると、マリアンヌは更に深刻そうな表情を浮かべながら、心の内を吐露し始めた。


「……最初に言っておきますけれど、現状に文句がある訳ではありませんの。むしろ、充実しているし、満足もしておりますのよ?その上で、思い出しますの。宮廷にいた頃、食べていた料理の数々や、自堕落な生活……。私……なぜあのような無駄な時間を過ごしていたのかしら、って……。イブ様が作る食事は、宮廷では味わえないほど美味しいし、日々、ワルツ様からお教え頂く知識は、掛け替えのないものばかり。魔法の力を使って、第一皇女の座を奪い取ってまでエムリンザの宮廷に居座ったというのに、あの時間がどれほど無駄な事だったのか……。考えるだけ無駄だと分かっていても、なぜか考えてしまいますの……」


『ふむ……なるほど……』


 ポテンティアは相づちを打ちながら考えた。マリアンヌは世辞を言っていて、本当はエムリンザ帝国に戻りたいのか……。一瞬そう考えてしまうポテンティアだったものの、日々、真剣にワルツの授業を聞いたり、自分たちの作業に参加するマリアンヌの姿を思い出して、彼女が嫌々自分たちの行動に付き合っている訳ではない、と自分の考えを否定する。


 ポテンティアがマリアンヌの発言の意図を考えていると、逆にマリアンヌが問いかけてきた。


「ところでポテ様。エムリンザ帝国は今、どうなっているのでしょう?以前、ポテ様がエムリンザ帝国を滅ぼしたと伺ったのですが……」


『いえ、滅ぼしてはいませんよ。制裁を受けて頂いただけです。そうですねぇ……今の彼らは——』


 そしてポテンティアはエムリンザ帝国の現状説明を始めた。


げっそり

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