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14.16-01 研究所1

誤字を修正したのじゃ。

 秘密裏に簡易宇宙船の実験が行われた次の日の朝。


「ねむ……」げっそり

「zzz……」ふわぁ


「テレサは……まぁ、寝不足でも寝不足じゃなくても、あまり変わらないけど、ルシアってすごいわよね……。寝ながら宙に浮かんで、魔法で学院に行く準備をするとか、どういう魔法を使っているのかしら?絶対に意識無いわよね?あれ」


 夜遅くまで作業をしていたために、皆、眠そうにしていたようである。例外だったのは、実質的に眠らないワルツとポテンティアくらいのもので、アステリアとマリアンヌも眠そうな様子だった。


 そんな皆の様子を見たワルツが、ポツリと誘惑の言葉を口にする。


「今日……休んじゃう?」


 その言葉を聞いた途端、テレサの目がキラリと輝く。しかし、明確な反応を見せたのは彼女一人で、他の者たちは——、


「zzz……」ふわぁ

「休まなければならないほど、寝不足ではありませんわ?」

「私も同じです。昨日は皆さんよりも早めに上がらせてもらいましたから」

『僕はパトロールがあるので登校します。とういうか、分体たちが常駐しているので、既に登校済みです』


——といったように、学院に行く気でいたようである。


 多数決の結果、今日も学院に行く事になったわけだが、そのせいか、テレサの目から再び輝きが失われた。


「休みも無く毎日登校するというのはブラック学校というやつではなかろうか?というか、ハイスピア殿たち学院教師は、休みなく働かされておるのじゃろう?ブラックすぎるのじゃ……。たまには休みが必要だと思うのじゃ」


 と、主張するテレサだったものの、彼女の主張はワルツに否定されることになる。


「その論点で考えるなら、この前も休んだばかりってことになるじゃない。まぁ、今日は諦めなさい、テレサ。休みたければ、長期間で予定されているカリキュラムを、短時間で片付ければ良いだけの話よ?」


「長期間かかる迷宮探索を1日で終えたときのようにかの?ふむ……。では、グッスリと眠るために、さっさと伐採を終わらせるとするかのう……」


 クラスメイトのフィンと共に、伐採するための新しい道具を作れば良い……。テレサは、技術が漏洩するかも知れないという制約を完全に無視して、伐採作業を行おうと考えたようだ。ワルツがマグネアたちを月の研究所に招待させようとしていることから考えても、ワルツに技術漏洩を気にしている様子は無いのだから、技術公開の枷を外して本気で大木の伐採に取り組むつもりでいるらしい。


 しかし、そんな彼女の計画は、すぐさま頓挫してしまうことになる。


『あぁ、伐採の件については、もうお終いにしようという話になりそうですよ?』


 ポテンティアがそんなことを言い出したのだ。


「え゛?何かあったのかの?」


『昨日、ワルツ様に誘われた学院長先生が、大喜びでカリキュラムの修正を行ったんですよ。ですから、特別教室の学生は、伐採作業や運搬作業から外れて、別の授業をする事になるようです』


「んなっ……」


「マグネアったら、そんなに月で研究できることが嬉しかったのかしら?」


『えぇ、相当嬉しかったようですよ?昨晩も明け方まで、人選でひたすら悩んでいたようですし……』


「マグネアってさ……もしかして、身体は子どもで頭脳は大人、ってやつじゃなくて、身体も頭脳も子どもだったりするんじゃないかしら?」


 マグネアはミレニアの祖母でありながら、その見た目は、ミレニアと同じか、彼女よりも幼いくらいにしか見えないのである。年齢を詐称しているというレベルの話ではない。言葉は汚いかも知れないが、まさしく"化け物"と言えるような若作りをしていたのである。それも化粧云々という話ではなく、何か、根本的に身体の作りを書き換えることによって……。


「あ、この話をマグネアの前で言うのは無しね?絶対、地雷だから」


「「え、えぇ……」」

「じゃろうのう……」

「zzz……」ふわぁ

『それは分かりますが……いつかは質問を避けられない状況に陥るのでは?』


「そのときはその時よ。事故か何かを装って、逃げるしか無いわね」


 マグネアと共に行動する機会が増えるということは、そのうち、彼女のプライベートにも関わる事になる……。その時にどういう対応をすべきか、ワルツたちは今から頭を悩ませたていたようだ。


 そんなこんなのやり取りがあり、ワルツたちは寝不足だったものの、学院へと登校することになった。


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