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14.13-25 宿題1

サブタイトルのナンバリングを間違えたのじゃ。

 そしてマグネアの授業が終わり、今日計画されていた授業がすべて終わる。その後で、ワルツたちは、図書館に立ち寄り、マグネアの授業の宿題をすることになったようだ。


 そう、彼女たちは、マグネアから宿題を出されたのである。内容は、今日の授業の内容に沿ったもので、火魔法や氷魔法といった属性で魔法を分類するのではなく、別の観点で分類する方法は無いかを考え、例を挙げる、というものだ。


「(あの論法だと、最終的にはすべての魔法が、本質的には同じだ、って言えちゃいそうよね。言いたいことは真逆で、魔法使いが使う魔法に同じものは無い、って言いたいんだろうけど……。不思議よね)」


 静かな図書館の中の一角を陣取っていたこともあり、ワルツは小さな声でルシアへと話しかけた。


 対するルシアは、応用魔法の授業中に書いたノートに目を落としながら、首を傾げて返答する。


「(んー……どうかなぁ……。光魔法や転移魔法を別の魔法で再現できるとは思えないから、実は同じ魔法って言い切るのは難しいと思うけどなぁ……)」


 するとその会話に、マリアンヌが参加する。


「(そうですわね。流石に、すべてが同じ魔法だと一括りにするのは難しいと思いますわ?難しいからこそ、学院長先生は属性以外の方法で魔法を分類するよう宿題を出したはずですもの。もしもすべてが同じというのでしたら、宿題にはなりませんわ?)」


「(案外、裏を掻いて、答え無し、っていうのが正しい答えかも知れないわよ?)」


「(確かに、否定は出来ませんけれど、それを宿題の答えとして提出するのは、リスクが高すぎますわ?下手をすれば、ちゃんと宿題をしてこなかったと捉えられますもの)」


「(……マリアンヌってさ。案外、しっかりしているわよね?あ、褒めてるからね?)」


 マリアンヌがワルツの話の展開に付いていけず首を傾げていると、ポテンティアが脱線した話を戻そうとする。


『(まぁ、ともかくです。今日の宿題については、答えがあるものとして考えましょう。どなたか、分類についてアイディアがある方はいますか?)』


 とポテンティアが問いかけると、皆の会話に付いていこうと頑張っていたアステリアが手を上げた。


「(た、例えば、私の爆発する火魔法は、火魔法ではなく、爆発する魔法と考える、っていうのはどうでしょうか?よく見かける火球が飛んでいくタイプの火魔法は、飛んでいく魔法。そして、爆発もしなければ、飛んでも行かず、直接物体を加熱するような魔法は、直接作用する魔法、といった感じです)」


 アステリアのその返答に、ルシアが反応を返す。


「(ふーん。魔法属性じゃなくて、効果別に分けるって事だね。でも、その分類で分けるのは難しいと思うなぁ。だって、私が使う光魔法……えっと、例えば人工太陽(フレア)って、1種類しか無いけど、爆発するやつもあるし、飛んでいくやつもあるし、直接作用するやつもあるし……)」


「(1種類しか無いのに、そんなに効果が湧かれてるんですか?!えっと……実は、ルシア様が使う魔法が、特別なだけだったり……しませんよね?)」


「(そうそう、それの?)」


 アステリアの発言に、今度はテレサが反応した。


「(ア嬢の魔法は、何一つとして普通のものが無いのじゃ。ゆえに、ア嬢の魔法を今回の宿題の対象に含めるというのは、問題をより複雑化させる恐れがあるゆえ、やめておいた方が良いと思うのじゃ)」


「ちょっと、それどういうことかなぁ?」


「(しっ!ア嬢!ここは図書館なのじゃ)」


 テレサが指摘すると、ルシアは納得出来なさそうな表情のまま唇と尖らせて、そのまま口を閉ざす。その視線はもちろんテレサへと真っ直ぐに向けられていて、視線だけで不満であることを主張していたようである。


 結果、テレサがルシアとできるだけ目を合わせないようにして、口をへの字に結び腕を組んで目を閉じていると、再びワルツが口を開いて、自身の意見を口にした。


「(アステリアには申し訳ないのだけれど、多分、効果で分類するっていうのは、他のクラスメイトの皆も考えて来ると思うから、別のアイディアを考えない?もちろん、悪い考えではないと思うのだけれどね?)」


「(えっと……ありがとうございます?)」


「(せっかくだし、マグネア先生が"あっ"と言うような分類分けを考えましょう?)」


『「「「「(あっ、と言うような……?)」」」」』


「(そ。例えば、テレサを吹き飛ばせる魔法か、そうない魔法かで分類するとか)」


「!」

「ちょっ……」


「(まぁ、冗談だけど、そんな感じで、斬新な分類分けがあると面白いと思わない?)」


 そんなワルツの提案に、反対意見は無く……。皆、彼女が言うような、斬新(?)な分類分けについて考え始めた。


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