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6前前-10 旅路(ミッドエデン-ボレアス)3

ボクっ子ユキの一人称を修正・・・

「この星のプレートテクトニクスは、一体どうなってるのかしら・・・」


近づくと見えてきた赤い川のディテールに、ワルツはそんな感想を漏らした。

なぜなら、東側の地平線の先から西側の地平線の先まで見渡す限り広がる地面の裂け目から、真っ赤な()()()が絶えることなく吹き出していたのである。

だがその様子は、プレートテクトニクスがどうこうというよりは、巨大な隕石のようなものが、惑星の表面スレスレを超高速でかすめてできた『星の傷』と表現したほうが的確だろうか。


「で、これが『大河』ってわけね?」


幅5km程の大河の(ふち)に着陸したワルツは、目の前に広がる光景を興味深げに見渡しながら言った。


「はい。見ての通り、熱々のマグマで、とても美味しそう・・・じゃなくて、船を浮かべることが出来ないんですよ」


と、マグマの海を前に、恍惚な表情を浮かべながら説明するユキ。


「なるほどね・・・火山性ガスも出てるから、普通に空を飛んで移動するっていうのも難しいわけね」


「はい。なので、魔族領域のある北大陸と、人間の領域である南大陸は、ぐるっと海を渡って移動することが一般的なんです」


「ふーん・・・」


ユキの説明に、嘗てサウスフォートレスの海に水竜が魔物を引き連れて押し寄せたことを思い出すワルツ。

つまり、彼女達が海からやってきたというのは、単に水棲魔物だったから、という理由だけでなく、そもそも陸路も空路もなかったから海からやって来ざるを得なかったということなのだろう。


ところで、


「じゃぁ、貴女も海を渡ってきたってこと?」


ユキは一体どうやって、大河を渡ってきたというのか。


「一言で言うなら、転移魔法ですね」


「え・・・貴女、転移魔法が使えたの?!」


もしもそうなら、わざわざ飛んで移動することもないのだが・・・


「いえいえ、ボクは使えませんよ。・・・・・・いるんですよ。人間側と魔族側の大陸を行き来する『川渡し』が。ただ、彼らに頼むと、法外な金額を請求されるんですけどね・・・」


そう言って、河の向こう側に見える魔族領域の方角を、光のない視線で見つめるユキ。

どうやら、川渡しに相当額を払ったらしい。


「なんか、転移魔法さえ使えれば、誰でも渡れそうなものだけど・・・」


「いいえ、そうでもないんですよ。そもそも、北大陸と南大陸の両方に行ったことのある人が少ない上、転移魔法が使える人もそうそういない。もうこの時点で随分と人は限られてしまうのですが・・・その上ですね」


そう言って右手を大河に向けるユキ。

すると、


チュン!


彼女の手のひらから拳大の氷塊・・・所謂氷魔法が高速で放たれた。

しかしどういうわけか、大河の上空に到達した瞬間、


キラッ・・・


一瞬だけ光って消えてしまう。


「溶けた・・・わけではないわね?」


「はい。この大河の上では、魔法が無効化されてしまうのです。一説によると、神代の時代、普通に水が流れていたこの河に、勇者が魔神を封じたため水がマグマに変わってしまったとか・・・。その際に魔神を封じた魔法が未だに効果を発揮しているという説があります」


「魔神が封印ね・・・。どちらかと言うと、封印・・・というか消されたのは魔神じゃなくて・・・いえ、何でもないわ」


そう言いながら、はるか東の地平線から登りつつある大きな月に眼を向けるワルツ。

真っ直ぐに伸びた大河の先から月が登っているのは偶然かしら・・・などと思っていたが、それを口にすることは(つい)ぞなかった。


「えっと・・・そういうわけで、何故か普通の転移魔法では無効化されてしまうんですよ。なので大河を越えることの出来る特殊な転移魔法を使わなくてはならないのですが・・・それを使える魔法使いとなると、世界中を探しても恐らく片手で数えられるくらいしかいないんではないでしょうか」


「ふーん。特殊な転移魔法ね・・・」


自分の隣に立つ、普通じゃない転移魔法を使う妹に、ワルツは視線を向けた。

すると、


「ねぇ、お姉ちゃん?私も試してみていい?」


大河の様子を伺っていたルシアがそんな事を口にする。


「えぇ、良いけど・・・転移魔法を試すの?」


(もしもルシアの転移魔法が大河ギリギリの場所で無効化されたら、転移させられた人は、大河まで数センチの場所に出てしまうんじゃないかしら・・・)


そんな懸念を考えながら、ユキの表情を思い出すワルツ。

彼女を実験台に使えば、最後の一歩を嬉しそうに踏み出すのではないだろうか。


「んーとね、普通の魔法の方」


「そう。ならいいわよ?でも、マグマを吹き飛ばして、こっちに飛んで来るようなことが無いように注意してね?熱いし危ないし、ユキの身長がまた縮むから」


「うん、分かった」


・・・そしてルシアの魔法砲撃(?)が始まった・・・。


ドドドドド!!


サッカーボール大の氷塊が虚空から現れて・・・()間600発程度の数が、音速に迫る速度で飛んで行く。

だが、


キラキラキラキラキラ・・・


大河の上空に到達した瞬間、次々と光の粒になって消えていった。


「ならっ!」


ドゴォォォォォ!!


・・・所謂冷凍ビーム(?)を放つルシア。

直径20mにも及ぶビームの迫力は、嘗てサウスフォートレスで運河を掘削した際の魔力粒子ビームを彷彿とさせていた。


だがそれも、


キィィィィン・・・


(ことご)く無効化されてしまう。


「凄いよ、お姉ちゃん!どれだけ撃っても消し飛ばしちゃうよ!これなら、魔法の練習に使えそうだね!」


「本当に凄いわね・・・ルシアの魔法すら無効化してしまうなんて・・・」


「・・・」


魔法が打ち消されてしまったというのに嬉しそうに声を上げるルシアと、そんな彼女の魔法を目の当たりにして、言葉を失ってしまうユキ。

ユキがルシアの魔法を直接的に目にするのは、先ほどの超音速飛行を除けば、これが初めてだったのである。


「もっと試したいところだけど・・・お姉ちゃんとの約束もあるし・・・」


暗に、彼女の魔法の中で最大出力を誇る、魔力粒子ビームを全力で撃ちたいと(ほの)めかすルシア。

だがそうすると、爆発した際にマグマが飛び散るのは目に見えていたので、流石の彼女も自重することにしたらしい。


「気は済んだかしら?」


「うん。でも、今度機会があったら、全力でやってみたいかも」


「まぁ、程々にね?」


「時と場合を、だよね?分かったよ!」


「・・・」


一体、どんな会話をしているんだこの姉妹、といった様子でユキが苦笑を浮かべていたが、ルシアの魔法の話をしている間、彼女が会話に入ってくることは、結局最後まで無かったのだった。


「さてと、行きましょうか」


「え・・・どこにですか?」


ワルツの言葉に、おもわず聞き返してしまうユキ。

ワルツが空を飛んでいた事を、(特に説明もしていないので)魔法の効果だと思っている彼女は、副音声で『さっき、魔法が使えないって言ったボクの話を聞いてました?』と言っていることだろう。


「もちろん、大河の向こう側にある魔族領域よ?まぁ、移動するのに魔法を使わないし、問題無いんじゃないんじゃないかしら。何なら試してみましょうか?」


そう言うとワルツは・・・


ガシャン・・・

シュバッ・・・ドゴォォォォォ!!!


・・・機動装甲の背中から、小型のミサイルを打ち上げた。


「・・・うん。流石に、物理現象まで無効化しちゃうトンデモ領域じゃないみたいね。というわけで、行きましょうか」


「はあ・・・」


何の問題もなく飛んでいった飛翔体(ミサイル)に唖然とした視線を向けるユキ。


「・・・あ、そうそう」


・・・何かを思い出したように、ワルツがそう言った瞬間だった。


ピカンッ!!


大河に沿って飛んでいったミサイルが、20km程度の場所でマグマに落ちて・・・辺りを直視できないほどの光が包み込んだ。

・・・ミサイルが爆発したのである。


「構造的に弾頭が外せなかったから、しばらくすると爆風が来るわよ?」


とワルツが言ってから15秒後。


ドゴォォォォォン!!


衝撃波が彼女達の場所まで到達した。


『!!!?!』


「・・・本当、対消滅ミサイルとか何に使うのか分からないわよね・・・無駄装備っていうか・・・。まぁ別に良いんだけどね。というわけで、物理的には問題無さそうだから、ちゃっちゃと行きましょうか」


唖然としている一同を重力制御で浮かべると、ワルツは難なく大河を超えて、いよいよ魔族領域・・・ボレアス帝国へと足(?)を踏み入れたのである。

一部、冗長で回りくどい部分があるのじゃが・・・この部分は相当に悩んだのじゃ・・・。

声に出して読んだ時、テンポが良いとか・・・。

そもそも、マトモに文が書けておらぬから無駄かもしれぬがのう・・・。



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