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14.5-17 学生生活17

   ガラガラガラ!


「みなさん!大丈b——」


「ほら、こんな感じで、テレサちゃんが耳と尻尾を外すと、普通の人にしか見えないんだよ?」

「  」ちーん

「なんというか……外れてるのではなくて、千切れてるように見えるのは気のせいですか?ほらこの部分とか、にk——」

「おっと、アステリア?それ以上は口に出しちゃダメよ?皆それを分かっていて敢えて言っていないんだから。でも、大丈夫。放っておいてもナノマシンで元に戻r……あっ、ハイスピア先生!どうかされたのですか?まだ昼休み中ですよね?」


 強大な魔力に焦ったハイスピアが、自分の教え子たちの様子を見るために教室へとやって来ると、そこでは何事も無かったかのようにテレサを取り囲む教え子たちの姿があって、和気藹々とした普段通りのやり取りが繰り広げられていたようである。彼女たちの様子を見る限りは、強大な魔力による影響を受けた様子は一切無い。


 その様子を見たハイスピアは、素直に安堵して胸をなで下ろした。何か引っかかりを覚えなくもなかったが、教え子たちが無事な様子を見て安堵する内に、細かい事はどうでもよくなったようである。


「心配して見に来ましたが……みなさん、大丈夫そうで良かったです!」


「……」びくっ

「  」ちーん

「……」だんまり

「……何の事ですか?」しれっ


「あれ?先ほど、大きな魔力の波が学院全体を襲いませんでしたか?そのせいで他の生徒の殆どが体調不良に陥っているみたいで、皆さんもその影響を受けたのではないかと心配して見に来たのです」


「そ、そうなんですね……」あせあせ

「  」ちーん

「……」だんまり

「ふーん。私たちは大丈夫ですよ?他の皆さんは大丈夫そうですか?」しれっ


「今、教師総出で被害の確認をしているところです。皆さんも、今は体調に問題は無いかも知れませんが、何か違和感を感じたり、体調に変化があった場合は、我慢しないで医務室に行ってくださいね?」


 ハイスピアはそう口にしてから、その場を去って行った。


 その後、ワルツたちは、しばらくの間、ハイスピアを見送ったままの体勢と表情を維持してから、皆一斉に顔を合わせて、こんなやり取りを交わす。


「やっぱりヤバそうなことになっちゃったみたいね……。私には魔力が分からなかったけど」


「う、うん……」


「  」ちーん


「ほら、テレサ?いい加減、再起動しなさい。耳と尻尾を返すから」ブスッ


「……んあ?」ちゅぃぃぃん


「やっぱりこれ……私が悪いんだよね……」ずーん


「そんな事はないわよ。むしろルシアの魔力に耐えられないひ弱な学生の方が悪いと思うわ?ここにいる3人とも耐えられているわけだし。ほら、アステリアとかも涼しい顔をしているわよ?」


「えっと、私の場合は……いえ、なんでもありません(人とは違うから耐えられた、なんて言えない……)」


 ワルツたち4人に影響が無いのは当然だった。ルシアは魔力の発生源そのもので、ワルツはそもそも魔力を感知出来ず、テレサはルシアの魔力に慣れてしまっていて、そしてアステリアは正体が獣であるために人間ほどひ弱ではないからだ。


 ゆえに4人とも、物事を自分の尺度で考えてしまい、ルシアの魔力がどれほどのものなのかを正確に評価できなかった。……魔力が吹き荒れても、良いところ教室の中だけ。最悪、教室から漏れたルシアの魔力に、先生か他のクラスの生徒の一部が気付いて、様子を見にやってくる程度の事だろう……。その程度の軽い考えだったのである。


 しかし現実は異なり、正真正銘の大惨事。卒業までの間、学院内で、ルシアの魔力をむき出しにするのは禁忌だということが明確になった。


「私……皆に謝った方が良いよね?」


 魔力の濁流の元凶となったルシアは、仲間3人に向かって申し訳なさそうに問いかけた。魔力を誤魔化すための幻影魔法を解除したのはテレサだったものの、その魔力の根源だったルシアは責任を感じてしまったのだ。だが——、


「別に気にしなくても良いでしょ」

「故意の攻撃ではないのですから謝る必要はないのでは?」

「この程度の事で音を上げる学生たちが悪いのじゃ!」

 

——少なくとも、その場にいた3人(?)はルシアの見方だった。テレサなどは開き直っているほどだ。


 こうしてルシアも3人の意見に流されるように、責任について深く考えるのを止めるのだが……。事態は未だ収束していなかったのである。


あまりに眠くて駄文過ぎたゆえ、仮眠した後でまた書き直したのじゃ……zzz。

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