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9.2-05 世界樹5

『は〜い?お呼びになりましたか〜?』


「……1つ聞いて良い?」


『何ですか〜?妾のスリーサイズですか〜?』


「ちょっ……それ、妾も知らぬのじゃが?」


「まぁ、それはどうでも良いんだけど……貴女、ミッドエデンでマクロファージを操作してるのよね?」


『はい、そうですよ〜?』


「ということはよ?用事があったりしたら、普通、操作できないはずじゃない?例えば、私たちが呼びかけても、反応できないとかさ?でも……今まで一度でもそういったことは無かったように思うんだけど……どうなってるの?」


 と、これまでコルテックスのことを呼ぶたびに、彼女がすぐに反応を返していたことを思い出して問いかけるワルツ。それには、少なくない者たちが同意見だったらしく、皆、頷いていたようである。


 それに対しコルテックスが事情を話し始めた。


『それはとても簡単な理由ですね〜。……単なる偶然です』


「偶然って……」


『普段は、職務が忙しいので、マクロファージちゃんは自立モードで動かしていますが〜……お姉様方が私のことを呼ぶのって、大抵、何か大きなイベントがあったときばかりではないですか〜?どこかの町に着いたとか〜、美味しいものがあるとか〜、世界樹が折れそうとか〜……。そういうときは、仕事の手を休めて、ちょっと景色を除きたくなる〜……それが人情だと思いませんか〜?』


「さっき折れたばかりの世界樹のことを何で知ってんのかは、まぁ、置いておくとしても……何でも無いときに呼ぶなんて、そんな暇なことしないからね」


『ですよね〜?ですから偶然〜……というか、必然的に、呼びかけたときは、スタンバイ状態になっているわけですよ〜』


「ふーん。疑わしいけど、そういうことにしておくわ。……で、何で今は、スタンバイしてたわけ?世界樹が折れたから?」


『世界樹が折れたとか、ぶっちゃけ、どうでも良い話ですね〜。私が今、マクロファージちゃんを操作していたのは〜……ね〜?妾〜?』


「なんじゃ?」


『スパイスを集めましたよ〜?』


「ほう?ならばアレを作れと申すのじゃな?」


「ん?アレって何?」


「カレーなのじゃ。この町の名前が”ライス”なせいか、コルがあの金色の液体を食べたい、と申しての?じゃから、この国で”すぱいす”を集めてきたら、妾がカレーを作る、という手はずになっておったのじゃ」


「ふーん」


『前の拡声器と同じように、また袖の中の異空間に入れておいたので、スパイスはそこから取り出してもらえると助かります。あ、そうそう。そっちの袖の中は、こっちのアイテムボックスに直結しているので、袖の中にカレーを入れてもらえれば、こっちに届きますよ〜?というわけで、完成したら送って下さいね〜?』


「……もちろん容器に入れてじゃろ?」


『私はどっちでも構いませんよ〜?』


「……服がカレー臭くなるのは嫌ゆえ、容器に入れて送るのじゃ」


 そう言いながら、自身の袖の中をまさぐるテレサ。どうやら、彼女は、袖の中に入れられたスパイスが、そのままの状態では無く、しっかりと袋に密封されているか、心配になったようである。その後、彼女が安堵したような表情を浮かべていたところを見ると、どうやら袖の中のスパイスは、しっかりと袋に仕舞われていたようだ。


『で、何ですか〜?お姉様。用事があるんですよね〜?』


「えぇ。あんた、異国でカレーのスパイスを探すくらいなんだから、どーせ暇なんでしょ?ついでに、世界樹の周囲を探検をしてきてくれない?」


『はぁ〜?私が暇なわけないではないですか〜。まったく〜……お姉様は、ミッドエデンの議長様を何だと思ってるんですか〜?仕方ありませんねぇ〜。面白そうなので探検に行ってきます』


「それって……つまり暇って事よね?」


『一日という時間が限られている以上、私に暇はないです。ですが〜……時間が無いというわけではないですね〜。時間が無ければ作れば良いんですよ〜?詳しい話を聞きますか〜?』


「いや、話が長くなりそうだから遠慮しておくわ」


 と、コルテックスの言葉を聞いて、どこか呆れたような反応を見せてから……。ワルツは詳細な要件を話し始めた。


「まず、世界樹の根や幹がどの程度、傷ついているのか、調べてきて欲しいのよ。ユリアたちの話によると、中に大きな空洞ができてるらしいから、場合によっては、内部への侵入調査も必要かも知れないわね」


『それで、もしも、どうにもならないことが分かったら、どうするんですか〜?』


「……世界樹の中をコンクリート詰めにする?」


『……お姉様に聞いたのが間違いでした〜。カタリナ様と相談して、適当に考えます』


「賢明な判断ね」


『しかし〜……あの巨大な世界樹の周囲を調査するには、メンバーが少ないと思いますね〜。勇者様方は、独自に行動できるとして〜……まさか、イブちゃん一人で、調査に出させる訳ではないですよね〜?』


「えっ……イブだけ一人かもなの?!」


『冗談ですよ〜?イブちゃん1人を野に放ったら、3歩も歩かないうちに、虫に食べられちゃいそうですし〜』


「うん。それはないかも……って断言できないのが悲しいかもだね……」


 そう言って、頭を抱えるイブ。どうやら彼女は、3日前の事を思い出しているらしい。


 そんな折、マクロファージに対して——


「コルテックス様。よろしゅうございますか?」


——水竜が声を掛けた。

 どうやら彼女は、人手不足について、何やら言いたいことがあるようだ。



いそが……C……のj……zzz。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 1036/1831 ・時間がなければ作ればいい。名言ですね? [気になる点] 世界樹のコンクリート詰め……割とアリなんじゃないですか? [一言] げっそり。書いた後げっそり。 どう見て…
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