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戦闘開始 2

 六人が一斉にボタンを押すと、扉が右にスライドした。

 何も言わずとも、皆がそのまま勢いよく部屋の中へ入る。

 見たところ、中には人がいないようだ。

 少し奥の方に合成生物が数匹見えた。

 後ろで扉が閉まったのを背中で聞きながら、六人はそれぞれの武器を構えた。

「……って、茜なんだそれ!!」

 拓也は思わず隣にいた茜の武器を見て叫んだ。

「え……?」

「ごつい!!」

 茜の手に持っていた武器は長い鉄の棒が柄となり、そこの上にごつごつとした尖ったものをつけた武器だった。

 茜の持っている武器で頭を殴られたら頭が砕かれることだろう。

「メイスっていうの」

「メイス……?」

「おーい、何か向かってきてるけど?」

 拓也と茜を横目で見ながら功祐が声をかけた。

 六人の数メートル先から馬とサルが合体した合成生物が現れた。

 明日香は顔を引きつらせる。

「合成生物って、さっきのやつだけじゃないの……」

「「――ケンタウロス!!」」

「お前ら、ふざけていい状況かよ!!」

 率直に思ったことを口にする男子二人に功祐が叫び散らした。

 友莉と明日香の方に一体、茜の方に一体、合成生物が襲い掛かった。

 友莉と明日香はそれを左右に分かれて避け、明日香は合成生物の後ろに回り込んで持っていた斧のような武器で合成生物の胴体を切りつけた。

 しかし、浅かったのか合成生物は怒り狂い、そのまま友莉に突進していく。

「――友莉!!」

「よーいしょ!!」

 突進してくる合成生物をすれすれのところでかわしてそのまま相手の首を縦一直線に斬った。

 ゴロン、と首が地面に転がった。

 茜の方は功祐が茜よりいち早く反応したが、少し遅れて気づいた茜がメイスを勢いよく振り回し、相手の頭に激突させた。

 ボキッという音と、ぐちゃっという音が混ざって聞こえた。

「……ふうっ」

「ご……ゴリラ」

「誰がゴリラよ!! あんたも殴るよ!!」

 拓也の言葉に茜がメイスを振り回す。

「まぁまぁー、茜落ち着いてよ」

「そうそう、力が強いねってことだよ」

 ケロッとした顔で戻ってくる二人を見て功祐がこっそりと凌に耳打ちをした。

「……俺ら、いらなくね?」

「俺もそう思い始めてきた……」

 合成生物が周りにいないのを確認しがてら、拓也は部屋の中を見回した。

 部屋、というより小さな森の中にいるような気分だった。

 広く、向こう側の壁が見えないくらいの幅のある部屋の中に、気が生い茂っていた。

「この部屋の広さだし、多分まだ合成生物はいると思う。……先を進もう」

 六人は生い茂る木の中へと潜り込んだ。

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