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いつからボクハ
優しさというナイフで
自分の本音を
濁してきたんだろう
かき混ぜても
何がなんだかワカラヌヨウニ…
いつからボクハ
こんな風に
世界に対して閉じてしまったのか
もうすべてをインストールした様な
気になってさ
キミの言葉がボクノ心を打つ
矢継ぎ早に繰り出される
時からの催告状
ボクノ止まった時間が
冬の陽炎のように揺れ
目を背けたくなる毎日が
鮮やかに蘇る
ボクハ恐る恐る
キミのはらわたの中に
手を突っ込む
意識の断片が放つ
血まみれの息吹きを
指先に感じながら
まだそれは
ゆっくり湯気を立てている
昔よくしたように
自らの脳を銀色のスプーンや
フォークで切り分けた様に
ボクハその匂いや
質感をはっきり思い出す
身を切る痛みと
恨みがましい澄んだ瞳で
ボクハボクダケノ物語を縫い合わせて来たんだ
一番苦手な
座席からすぐに立って
逃げ出してしまいたくなるような
不完全で
完ぺきな旋律が
ボクヲ包む
キミの紡ぐコトバハ
一陣のつむじ風
カッと咲く稲妻の花
ボクハ
断崖絶壁から身を乗り出すようにして
キミが血管から搾り出したコトバヲ
一口一口 飲み込むんだ
もっとも苦い薬のように
いったいいつから
ボクハ
優しさというナイフで
自分の本音を
濁してきたんだろう
かき混ぜても
何がなんだかワカラヌヨウニ
いつからボクハ
こんな風に
世界に対して閉じてしまったのか
もうすべてをインストールした様な
気になってさ




