表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

明日死ぬんだってさ

作者: ぶる

創作BLです

診断メーカーの《お題ひねり出してみた》で引いたお題『明日死ぬんだってさ、』で書かせていただきました。

なんだかんだ幸せな二人ですが、設定ゆるゆるなのでIQ低くして読んでください。


 金曜の夜、十時。

 二人で飯を食い、二人ともほどよく酒がまわった頃。

「あ、明日死ぬんだってさ、オレ」

「もぉぉぉ〜またぁ!?」


 オレは未来が見える。いや、ホントに!ホントに見えるの!両親の死も、コイツとの出会いも、恋人になることも、まさかの抱かれる側になるってことも、オレには全部見えていた。

 まぁ、数時間先の未来しか見えないんだけど。

「またって言うな」

「だってそれ全然当たんないじゃん!」

「うっ……」


 確かに、確かにそうだけど。嘘じゃないんだ!ちゃんとオレが死ぬビジョンは見えてる。見えているんだが、何故かコイツといると迫り来る死を毎度神回避してしまう。

 いや、めちゃくちゃ有難いんだけど。ホント感謝しかないんだけど。

 死にそうになるたびにコイツのもとに駆けつける、もしくはコイツを呼び寄せねばならないのが面倒になって、とうとう一緒に暮らすことにした。

 《俺のこと、絶対捨てないでね?だってあなたの命がかかってるんだから♡》

 は?そんなこと言われなくても、オレはお前にベタ惚れなんだが?


 はじめて自分の死が見えた時、いま目の前でまたかとウンザリしている恋人に告げた。(この時の死因は心臓麻痺の予定だった)

 コイツはそりゃもう泣いた泣いた。当然だ、オレを愛してるからな。顔面からあらゆる液体を垂れ流し、大声をあげて泣きじゃくって俺も一緒に死ぬんだと喚き散らした。オレがいなくても幸せになってくれとオレも泣いた。二人で泣きながら抱き締めあって……気づけば朝を迎えていた。

 あれ?オレ死んでねぇじゃん。


 何はともあれ生きててよかったと、二人で泣きながら朝飯を食った。

 そんなことを何度も繰り返しているうちに、最近ではコイツはオレに死ぬ死ぬ詐欺だとかなんだとか不謹慎なことを言うようになった。なんだよ、オレのこと愛してるくせに、生きてるオレをもっと喜べ。


「今度はなんで死ぬの?」

「言い方!……風呂で滑って浴槽の角で頭打って死ぬ」

「そんなベタな死因ある?」

 その顔やめろ。

「死に方は選べん」

 それじゃ一緒に風呂に入ろうといそいそとオレの服を脱がし始めた恋人に、いやいや風呂に入るのをやめたらいいんじゃないかと提案したら。

 《二人で運命に立ち向かって行こうぜ》

 なんてキメ顔でカッコ良さげなセリフを吐きやがった。


 日付が変わった頃、オレは死ぬどころか風呂であちこち揉まれ、弄られ、揺すられていた。

 別の意味で死にそうなんだが?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ