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脱出の方法

「チッ.....めんどくせぇやつが来やがったな」


そう黒服が舌打ちする対象となっているのは黒のハットに厚手のコートと高いヒールの余りにもわかりやすすぎる特徴を備えた女ことサラが仁王立ちのような構えで距離を空けながら、黒服と対峙する。


「命拾いしたな......」


ただ、そう言い残した後、黒服は再び宙に舞い、そのまま姿を晦ましてしまい、サラは私の方へとタッタッタッ!!ととてもヒールを履いているとは思えない凄まじい駆け足で近寄ってくる。


「兄様!大丈夫?」


私に心配な言葉をかけるサラは私の首元を見るとどうやら、少しばかり内出血を起こしているらしく、締められた後が若干残っており、私はこれ以上心配させまいと平気であることを彼女に伝える。


「ごめん.....もう少し早く来れてれば......」


「いや、サラは悪くない。むしろよくここに辿り着くことができたなって褒めてやりたいぐらいだ。それにしてもどうやってこの世界へ来たんだ?」


サラが言うにはどうやら近くのベンチで目を覚ましたらしく、そこから私の反応のようなものを感じ、それを辿ってきたら私とあの黒服の一部始終を目撃したという経緯らしい。


「シスはどうした?一緒じゃなかったのか?」


「ううん。シスには合ってない。あいつはもしかしたら運悪くこっちに来れなかったんじゃないかな?」


サラもここが夢の世界であることはある程度察しがついていたようで、シスの方はおそらく今夜は夢を見ていないと言うことなのだろう。


それにしても、さっき私を襲ったあの黒服は一体誰なんだ。依頼人から聞いていた人物像とは余り合致は見受けられないし、もしかすると共犯かあるいは全く別の存在という可能性もある。


そしてもう一つの問題がいかにここから脱出するかということである。普通の夢と同じであるなら現実の世界にある体が起きれば出られるのであろうが、この世界はおそらく普段人々が見ている夢とは異なっていることは周知の事実である。


「どうするか。私たちがこの世界から出られるって保障はどこにもない。どうにかして出口か脱出方法を探さないとな」


「なら、とりあえずこの世界を一通り見て回るのもいいんじゃない?もしかしたらその依頼の内容の手がかりもあるかもだしね」


確かにサラの言う通りだ。まずはこの世界がどのようなところなのか。そして夢に現れたという謎の男との共通点を見つけるという意味でもこの場所を探索するのは有意義なことだ。その提案を入れ、私たちはこの世界の中へとさらに一歩を踏み出していった。











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