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それだけを考えろ

私はいかにしてその夢の中に現れるという謎の男と接触するすればいいかという方法を考えに考え、熟考した結果、この方法を一度試してみようと玲香にもそれを打ち明けることにする。


「玲香。いわば今は手探り状態だ。色んな方法を一つ一つ試してみることが案外近道になったりするかもしれない」


「もしかして、何かいい案でも思いついたの?」


「一応な。最も簡単な方法ではあるが、最も難しいことでもある」


「簡単で難しい?......ってどういうこと?」


そうなるのも無理はない。だが、ひとまずこの方法がその夢に結びつく可能性が高い。


「とにかく、その謎のおじさんとやらのことを今日1日はひたすら考えるんだ」


「ん?は?」


「いや、だから今日はそれだけをとにかく考えるんだ。いいな?」


「え?それが考えた案?そんなのでほんとに辿り着けるのかな〜」


懐疑的な目を私に向ける玲香の視線が痛々しく私を突き刺すが、とりあえずこれを実行するようにもう一度は玲香に念をおす。


「でも、それぐらいでその謎のおじさんって人に会えるのかな〜?今までそう言う事例なかったんでしょ?なら会える可能性もそんなに高いわけじゃなくない?」


「いや、だからこそな。今まで事例がなかったってことはそれ以前にはその男はいなかった可能性だってある。これはあくまでも一つの方法だ。失敗した時用の分ぐらいすぐに考えるさ」


まあ、そういうなら。と玲香はソファーに腰を下ろす。

しかし、いくら私たちがその夢に辿り着いたとしてもその男に対抗できる保証はどこにもない。ここはあいつらのうち夢に行ったとしても戦えそうなやつを選んでくるか。


私の頭の中に二人が浮かび、すっかり定着したペンダントを使って、二人にその意思を伝達する。








◆◇◆◇


「夢の世界に?」


「ああ。お前たちならなんとかなりそうと思ってな」


私が呼んだ2人というのはシスとサラで私は事の詳細を説明し、2人はひとまず納得した様子を見せ、今日のところは私の家に泊まることになった。


「でも、兄様。もし兄様だけその夢の中に行って、私たちがいけなかった時はどうするの?」


そう言うサラの一言は確かに私の考えの穴をつくものだったが、ひとまずはその夢に入れるかという第一関門を突破することが先決で2人がもしいなければ隠れるなり逃げるなりで起きるまでの時間を稼ぐしかないだろう。


「とりあえず、その時は逃げも隠れもしてやるよ。今はその夢に乗り込むことが第一だからな」


そうして私たちは夜が来るのをひたすら待ち、その夢の世界への乗り込みの準備を刻一刻と進めていた。













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