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奇妙な動き

今日は何かケンくんの様子がおかしい。

いつもならもう少しシャキッとしててすごく冷静な態度を取っているはずのケンくんが今日は妙に心ここにあらずというようなそう言った様子に見える。


僕はケンくんこと浅沼健一と同じ小学校に通う田端章文と言ってケンくんとは何度も近くの公園で放課後に遊ぶぐらいには仲がいいんだ。確かにケンくんの家は厳しくてあんまり長い時間は遊べないし、休日も数ヶ月に1回遊べるか遊べないかぐらいだが、それでもケンくんのことは親友と呼べるぐらいに仲が良いという自負がある。


だからこそわかるんだ。今日のケンくんは何か様子がいつもとは異なることが。


授業中も休み時間も何か目が泳いでいるような感じで僕が話している時でもどこか遠くを見つめるようにボッーっとし続けて、何の話をしていたか聞いていない時もあった。


そんなことは今まで一度もなかったのに。もしかしてケンくんの身によからぬことが起こったのだろうか。

だけど、それにしては落ち込んでいる様子には見えないし、特段悩みを抱えているようには見えない。

一度だけ、ケンくんの家の悩みを聞いたことはあったけど、それを話している時は随分辛そうな表情を浮かべていたのを覚えてるから今回は全くそれがないから多分悩みとかじゃないんだろう。


じゃあ。一体なんなんだろう......


まさか!......好きな人ができたとか!?......


いや、それも違うかも。ケンくんなら好きな人ができればその人のことを気持ち悪いぐらいに目で追いかけ回すはずだから。見ている感じ特に女子を目で追っているわけでもなさそうだし。


よし!こうなったら、無理矢理にでも二人っきりになって何があったのか話を聞いてやるとするか!




 




◆◇◆◇


「どうしたの?二人っきりで帰りたいって」


「うん。実はケンくんに聞きたいことがあって」


「聞きたいこと?」


僕は単刀直入に今日一日のケンくんの上の空状態の正体について違和感を持ったことを話し、一体何があったのかをケンくんにストレートに尋ねた。ケンくんは少し鈍感なところがあるからこのぐらい直球に聞かないとちゃんと答えてくれないから。


「そんなに上の空だった?ごめん。心配かけちゃって。なら、田端くんには話そうかな。僕の身に起きたこと」


「何か起きたの?」


そうして、ケンくんは包み隠さずケンくんの身に起こったことを全て僕に話してくれた。とても信じられない話だった。夢に出てきた謎のおじさんに願い事を言ってみたらその通りにケンくんの両親が変わってしまったというまるでお伽話のような感じだ。


「田端くん。このことは僕たちだけの秘密ってことにしといてくれる?こんなめちゃくちゃな話信じてくれるの田端くんぐらいしかいないから」


「あ、うん。約束するよ」


ケンくんはそういうとじゃあ。と言いながら自分の家路に向かって走り出し、僕と分かれることになった。


それにしても不思議なことが起きてるもんだ。

夢の中の出来事が現実になるなんて。でも、なんでその謎のおじさんって人はケンくんの夢に現れたんだろう。


どうしよう....それがすごく気になって頭から離れない。

現実に影響を与えれるってことはもしかしたら今は大したことはないかもしれないけど、後々すごく大変なことを引き起こすかもしれない。何故かそんな不安が一気に押し寄せ、そうなればケンくんにも危害が及ぶかもしれない。


でも、こんな話誰が信用して誰が解決してくれるって言うんだろう。僕は悩み続けながらいつのまにか住んでいるマンションのエントランスについており、僕はガサガサと自分の家の鍵を取り、エントランスの扉を開けていた。








 



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