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落し物

細い駅の1本道の通路には朝からの通勤や通学のために電車を利用しようとする人でごった返しており、本来は旅行から帰る日の朝であったはずだが、あの例の殺人事件があった影響で少しの観光を終わらせた後に旅行を打ち切るような形になり、昨日の夜に自宅に帰り着いたばかりだった。


凛は別の日にまた埋め合わせをするといい、私は申し訳ないと断りを入れようとしたが、凛との押し問答に敗れる形になり、また後日に埋め合わせの旅行をすることを約束した。


そして今私はこの駅近くに設置されている家電量販店ですっかり古びてしまった電子レンジでも買い換えようと決意し、その店へと向かっている最中だった。


あれ?......なんか落ちてる......。


ふと私は何かを踏んづけたような感覚が足から伝わり、足元を見てみると小さな茶色い定期入のようなものが落ちているのを発見する。


中身を確認するとカード類が乱雑に入れられており、そのカードの一つに学生証のようなものが入っており、名前は木下友梨という名で都内の有名な私立大学に通っていることがわかった。


近くの交番に届けようかな。


とりあえず、私は運良く駅周辺に設置されている交番に行き、落し物としてその定期入のようなものを預けることにした。









◆◇◆◇


交番に届け終え、私は家電量販店に向かい、歩き始めるが、もしかしたら今頃あの定期入の持ち主はかなり焦っているのではないだろうか。現金は入っていなかったとはいえ、学生証やその他諸々のカード類がしまわれており、いずれにせよ重要な持ち物であることに変わりはなさそうだ。


ただ、警察に預けた今はそんなに心配することはないはず。学生証などで警察から連絡が行くであろうからあの学生さんもおそらくホッと一息つくことだろう。


昨日はモヤモヤするような1日であったが、今日は朝からいいことをしたような気分になり、晴れた気持ちで買い物ができると思うと心躍るものがある。


あ......そうだ.......。


私はあることをここで思いつく。明日久方ぶりに仕事で会う庵のために買ってあげられなかった旅行のお土産の代わりに何か買って帰ろうかということを思いつき、電子レンジともう一つ庵用に何か買っていくことにした。


それにしても、庵ってどんなの送ったら喜ぶんだろうか.....。


あの歳ならゲームとかなら飛びつきそうだが、リビングなどに一つプレ○テ5が置いてあるのは見たことがあるが、あれは庵というよりもレギオたち弟や妹用に置いてある節があるしなぁ........


とにかく、店内を回ってあいつに送るのに良さげなやつを見つけていけばいいかと思い、もう目の前に迫っていた家電量販店内へと足を踏み入れた。


エレベーターを上がり、まずは自分が最優先に購入すべき電子レンジのコーナーを見て回り、できるだけ安くそして機能もそれなりに揃っていればという強欲な条件で探したが、ある程度コーナーを一周してみてもこれといってピンとくるようなものはなかった。


やっぱりネットで買おうかな〜........と改めてネットで自分の条件にあったものを買おうというような意思が固まり、私は切り替えて庵へのプレゼントを探すことにした。


私のいる2階部分は私の目当てだった電子レンジ以外にも掃除機や冷蔵庫類が並んでおり、3階にはスマホやテレビ、パソコンなどが品揃えされている。


どれがいいかな〜と色々と物色するように見て回るが、家電類は庵の家は大抵のものが揃っている感は見受けられるから、ここは何か雑貨系にしようかと思い、そのコーナーなどを見て回っているとその中の一つに値段的にもプレゼントとして送るもの的にも最適であるようなものを私は発見し、それに飛びつくように購入することにし、明日の久々の庵宅へ赴く時のプレゼントとして持っていこうと決めるに至った。













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