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映らない万引き犯

私たちは電話で依頼を頼んできたスーパーの店長である福本さんを訪ね、福本さんは店の入口で私たちをで迎えてくれていた。


「安倍先生!わざわざご足労させてしまい申し訳ないです」


「いえ。それは構いません。ところで依頼というのは?」


「ええ。実はうちのスーパーに万引きが入ったようなんです........」


万引きか......通常ならばそれは私たちの出番ではなく、警察の管轄であるが、そうはせずにあえて私たちに依頼してくるというのはそれなりの理由があるのだろう。


「その万引き犯が少し変でして.....」


「変というと?」


「その証拠を見てもらった方が早いと思います。ですからとりあえず店内にお入りになってください」


私たちはそれなりに活況を呈しているスーパー内を案内され、休憩所に置かれている防犯カメラの映像を一通り見せてもらうことになった。


「この日が万引きが起きた日なんですが、ご覧の通り怪しい人物は誰一人いないんですよ」


「ちなみに盗まれたものはどんな商品かわかります?」


「はい。シーチキンの缶詰が5個、冷凍の餃子や炒飯、おにぎりやコロッケなどもあって総額はおそらく5000円ぐらいでしょうか」


「そんなに!?それだけの食材入れるならでかいバックか何か必要なもんじゃない?兄さん」


確かにレギオの言う通りだ。それにそれほどまでに広範囲の食材を手に取って盗んでいるとしたらどこか店員や客などに不審な行動を見られていてもおかしくはない。


だが、その万引きが起こった日の防犯カメラ映像にはそれらの商品を抱えているような人物は誰一人として確認することはできない。


「店員や客の目撃も一切ないんですよね?」


「ええ。見ていたらおそらく犯人も捕まえられたでしょうし、警察も取り合ってくれてたと思いますから」


福本さんはこれらの事実から警察から事件解決をいわば後回しにされている状態であり、私にこうして相談をしてきたわけだ。



一通りの現象からやはりバケモノの仕業である可能性は当然ながら、念頭に置かれる。例え相当な手だれであっても店内全ての防犯カメラに映らないのは無理があるだろう。


しかし、バケモノが絡んだという明確な証拠すらもない

何か一つでも手掛かりがあれば進展するんだがな。


「あ......ねえ、兄さん。もしかしたらこの方法で犯人像が少し掴めるかもよ!」


レギオは何かを思いついたようで私と福本さんにその犯人を確かめる案を示す。


「音なら、誰かしら聞いてるんじゃないかな?」


音か.....確かに姿が見えないにしても音を完全に消すのは流石のバケモノ達でも苦労はするだろう。

私もその案を採用し、早速それを確かめるべく店内に散らばっている店員達を尋ねることにした。























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