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暗殺者の死

私には何か敵が言葉のようなものを発しているのを捉えたが、他の皆は気にも留めておらず、おそらくそれが聞こえていたのは私だけだったようだ。


はっきりとは聞こえなかったが、これまでの数多の事件のバケモノとは違い、明らかに人間口調の流暢な言葉を詳細にはわからないが、発していたことは間違いない。


玄翠とサラはそんなことはお構いなしに戦闘を続け、玄翠はサラに何やら耳打ちを始め、サラもそれに納得を示したようで肯首する。


サラは自らに従う影のような蛇を玄翠の掌に近づけ、すぐにその蛇の標的は再び覆面の敵へと向かう。


「.......」


その蛇頭の攻撃を剣で払いながら、玄翠も援護射撃のように毒を纏う閃光を放つが全て跳ね返され、全くこの膠着状態を打開するような戦法であるようには見えなかった。


「どうするの.....二人の攻撃あいつにぜんぜん効いてない」


「いや、心配するな。()()そう見えるだけだ。次期にわかる」


そう見えるだけ?......どういう意味なのかと視線を戻すと覆面の敵は何やらさっきよりも動きが少し鈍っているようにも感じ取れる。


「私の言ったことがわかっただろ?ジワジワとあいつの体は蝕まれていっている」


その言葉通り、覆面の敵はみるみるうちに体が溶けるようにして体の至る所が粒子となっていき、剣、腕、足と順番に消えていき、ドサっと地面に倒れ、そのまま跡形もなく消滅してしまった。


「終わったよ。兄様」


「二人とも、どこも怪我はないですか?」


戦いが終わり、サラと玄翠は私たちに怪我はないかと確認するとホッとした様子でいる。


「それにしても、間に合ってよかった。何か突然兄様の救援みたいなメッセージが頭の中に聞こえてきて、来てみたら、あいつに襲われてたから」


どうやら、本当にこのペンダントの効果により二人へのSOSがしっかりと届いた結果、私たちは事なきを得たようだ。


それにしてもやはり不思議だ.....。なぜ紬さんの作ったペンダントはこれほどのまでの力を有しているのだろう。


その謎は深まるばかりだったが、その傍で無事を喜び合っている皆を見ていると私も一旦そのことを忘れ、助けてくれた二人への感謝を述べながら、四人で疲れた体を癒すべく、本来の目的であったラーメンを食べに行くためにギリギリの時間の中で私たちは向かい風を切り、走り抜けていった。

















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