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7. 楽しませてくれ

 別の世界の人間…ね。数日前に連れてこられた少年のことを思い出しながら彼が提出した報告書を眺めている。この報告書には行動した場所やその時に行った会話、それと本人がどう感じたかが大雑把にまとめられているものになる。私のスキルで今まで暴けないことはなかった。だから彼から聞かされた話は真実で…それもこの報告書からわかることだ。


「知らない言葉が多いな」


 まあ報告の内容に問題はなさそうなので気にするほどではないか。


 …ん? 呼びだしの明かりがともった。以前は音が鳴る代物だったが集中して仕事をしていると気がつかないこともあるので、最近は光が点滅するタイプのものに変えた。それが視界の端で点滅を始めた。どうやら1階からの要請のようだ。となると報告関係だろうか。それならば報告用の部屋へと通してもらえばいい。


 部屋の中に入ると待っていたのは先ほど見ていた報告書、それを提出した少年の面倒を見るように頼んだローズとカナだった。一緒に行動をしているはずなのだがなぜか少年の姿が見えない。


「トールはどうした?」

「そのことで急いで報告がっ」


 2人の話によると遺跡調査で奥まで行き、その帰りに少年の姿が見えなくなったとの報告だった。おかしな話である。あの遺跡はもう調べる個所もないくらい調べつくされており、練習に使われているくらいだ。隠れるところもないし、危険もないのだ。


「一大事じゃないか…」


 さてどうした物か…危険がない場所で人が消える。少年のスキルか何かではないのか? 流石にすべてのスキルは聞けていないと思うんだが。


「そうだな、冒険者を雇ってもう一度調査をやってくれ」

「「わかりました」」


 2人が退出するのを見届けた後、私は椅子の背にもたれ息を吐き出した。異世界の住人か…まだまだこれから愉快なことをしてくれそうなのに失いたくはないね~ さっさと出てきてもっと私を楽しませてくれよ。ああそうだな、今回のありえないことも普段とは違ってこれもまたよし、か?

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