表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/37

35フリップさんとお兄ちゃんはダメダメ?

「急にすまないな」


「とんでもございません。それで今日はどのような?」


「今日から彼らと一緒に暮らすのだが。この子の洋服を用意していなくてね。とりあえず、今日は必要最低限の物を買いに来た。また別の日にゆっくり見に来るが」


「さようで」


 お爺さんが僕達を見てきました。それからすぐにお辞儀をしてきて。


「私の名前はラウンドと申します。こっちは息子のクーパー。よろしくお願いいたします」


「優也です。弟の聖也です。よろしくお願いします」


 お爺さんの名前はラウンドでした。ブランドはこのお店で1番偉い人みたい。タマ先生がそう言ってたよ。


 挨拶はすぐに終わって、僕達はそのまま3階に行きました。聖也みたいに小さい子の洋服は、3階に売ってるんだ。1階や2階でも良いんだけど、小さい子は選ぶのに時間がかかったり、ワイワイ騒いだり。

 だから他の人の洋服選びの邪魔になるといけないから、3階に子供服売り場を作ったの。特別な結界が張ってあるから、騒いでバタバタしてもぜんぜん平気なんだ。


 他の人達は大体すぐに洋服を決めちゃうから、1階と2階に、種類で分けて洋服を売ってます。あっ、でも大人の人でもゆっくり洋服を選びたい人達もいるから、そういう人達は、別の場所で洋服を選ぶんだって。


「周り3軒も、全て私のお店でして、色々なことに対処できるようになっております」


「凄いですね。周りもブランドさんのお店なんですか」


「ホホ、私のことはブランドと」


「あ、はい(う~ん、どうもなれないな)」


 お話してるうちに3階に着いた僕達。聖也はお兄ちゃんが抱っこして3階まで上りました。それからここのお店は、僕達が入っても大丈夫なお店だったよ。他の魔獣達が入っても大丈夫。うんとね、この世界のお店のほとんどが、僕達が入っても良いお店なんだって。こそっとフリップが教えてくれました。

 良いね。僕達の世界は、聖也達と一緒に入れるお店、ほとんどないんだもん。これならどこでも聖也達と一緒にいられる。僕は嬉しくなってブンブンしっぱを振っちゃいました。


 3階には、子供の洋服がずらっと並んでてて。可愛い洋服やカッコいい洋服、それからよく分かんない洋服も売ってるし、動物、じゃなかった。多分魔獣の形してる洋服も売ってます。それから、洋服ばっかりじゃなくて、靴とか鞄とか。他の物もいっぱい売ってました。靴やカバンに合わせて、洋服を買う人もいるんだって。


 それからそれから、僕、嬉しいことが他にもありました。なんと、僕達用の物を売ってる場所があったんだ。そう、おもちゃ売ってたの! それからご飯の入れ物とか、僕達用の洋服とか。カッコいい首輪まで。


『タマ先生! 僕達の!!』


『あら、本当ね』


「ああ、そうか。一応うちに、保護した魔獣達用の物はあるが。これから一緒に暮らすんだから、ちゃんとした物を用意しなくてはいけないな。セイヤの物を選んだ後に、ポチ達の物を選ぼう」


『僕、おもちゃ欲しい!!』


「ポチ!! まったく、すみません」


「いやいや。そうだな。そういう物も必要だな。おもちゃと言えば、セイヤのおもちゃも必要だな。それに…。考えると本当に色々必要だな。セイヤの物は後で屋敷で、ゆっくりユウヤに話を聞いてから準備しよう。今日はまずは洋服からだ」


 ふふふん。おもちゃ何を買って貰おうかなぁ。聖也達が歩いて行く方と、僕達のおもちゃを売ってる場所は別の方向で。僕思わずおもちゃの方に行きそうになっちゃいました。そしたらタマ先生にパシってしっぽで頭を叩かれちゃったよ。失敗失敗。今は聖也の洋服買うんだもんね。楽しみは後で。


 そう思ってたんだけどね。う~ん、なんかぁ。フリップさんが最初に聖也の洋服を選ぶって言いました。なんか久しぶりに小さい子の洋服選びができて楽しいからって。だからフリップの後に、聖也が自分で欲しいって言った洋服と、お兄ちゃんが選ぶ事になったんだけど。


「これかなんかどうだろうか?」


「ぶー」


「そうか、これはダメか。ではこちらは?」


「むう」


 最初ニコニコだった聖也。今はすごくむくれちゃってて、お口をプクっと膨らませちゃってます。そのかわりフリップはとってもニコニコだけど。


 フリップが選ぶ聖也の洋服ね、ぜんぜん聖也に似合わない洋服ばっかりなんだ。聖也の嫌いな色の洋服だったり、モコモコしてる洋服だったり。それからなんかゴツゴツしてる洋服だったり。


「せいくん、みじゅいろ、きいろしゅき」


「そうか、それならばこれはどうだ?」


 今度はモコモコとゴツゴツが合わさったような、洋服を選んだフリップ。あ~あ。聖也がもっとむすっとしちゃったよ。


「あ、あの、やっぱり俺も一緒に選びます。その方が後で聖也が選ぶ時間が多くなるんで」


「そうか? ではそうしよう」


 フリップの洋服選びがあんまり酷くて、優也お兄ちゃんが一緒に選ぶことに。でも…。僕はタマ先生の方を見ました。そしたらタマ先生がとっても心配そうな顔してて。うん、僕も心配だよ。だって優也お兄ちゃんは…。


 それから少しの間、優也お兄ちゃんとフリップは一緒に洋服を選んだんだけど。聖也の顔は、今までで1番酷いブスッとした顔になっちゃったんだ。だって、優也お兄ちゃんが一緒に選んでも、今までフリップが選んだ物とそんなに変わらなかったんだもん。ブランドさんが、これなんかどうですかって言ってくれるんだけど、2人ともあんまり聞いてなくて。


 あのね、優也お兄ちゃんがいつも選ぶ聖也の洋服も、変な洋服ばっかりなんだ。それで瞳お姉さんが、いつもブツブツお兄ちゃんに文句言いながら、別の洋服を持ってきてくれて。

 だから僕もタマ先生も心配だったんだけど。やっぱりいつもみたいに変な洋服を選ぶお兄ちゃんと、ずっと変な洋服を選ぶフリップ。タマ先生があんまりにも酷いって、2人を止めようとしました。その時。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ