弟一話 謎の少女
俺は今、病室にいる。
自分が病気という訳ではない。
俺がここにいる理由は
今もベットで眠っている妹の見舞いだ。
妹がこの状況になったのは二年前、ある事故が原因だった。
俺の家は母さんと俺と妹の真衣の三人で暮らしていた。
父さんは俺がまだ小学生の時に家から出ていってしまったらしい。
ただ理由については俺も知らない。
俺と真衣は二年前の夏に地域の花火大会に来ていた。
その帰り、俺たちは信号の色が変わるのを待っていた。
その間、花火の感想などで盛り上がった。
少しすると信号が青に変わり真衣は飛び出していった。
そして信号を無視した車に轢かれた。
一命は取り留めたものの真衣は二年が経過した現在でも病院の一室で眠っている。
真衣をもっとしっかり見ていれば事故は起きなかった。
母さんは事故だから俺に責任はないと言ってくれた。
だけど俺は自分をそんな簡単に許すことはできなかった。
俺があの日以来、毎日のようにこの病室に来ているのは罪滅ぼしをしているのかもしれない。
俺はそんな事を考えながら部屋を後にする。
病院から家まではそこまで距離はなく徒歩で10分程で着く。
改めて街を歩くと落ち着いた雰囲気のいい街だ。
高校卒業後は地元で働こうと考えている。
まだまだ先の話だが
家に着くと手を洗い自室へ向かう
部屋の前に着く
ドアを開ける
?????
「いやおかしいだろ…」
ドアの先には、どこまでも真っ白な雲が広がっていた。
奥には綺麗な金髪を肩まで下ろした少女が椅子に座っている。
俺は恐る恐る足を出してみた。
すると雲の上に足が着いた。
不思議と雲が地面のようだった。
少女の近くまで行くと少女は椅子から飛び降りてこちらへ走ってきた。見た目はとても幼いように感じた。その少女はクリーム色の髪を腰近くまで伸ばしていて可愛さを感じた。
目の前に居たのは間違いなく完璧少女だった。
「やっと来たのね。」
見た目に反してとてもクールに感じた。
「ここはどこなんだ?」
「君が住んでる世界とは違う世界よ。」
謎の少女は真面目な表情で俺にそう告げた。
まったり書いていけたらいいなと思っています。
どうぞよろしくお願いします。