Lvの上がらない勇者なんだがどうすればいいと思う?〜番外編2〜
『チキチキ!第2回ファション対決〜!いぇいいぇい!!』
「なにこのデジャヴ感!?」
マイク片手に叫ぶ猫神様と
前回同様に拷問器具のような椅子に
縛りつけられた俺、ブレイト。
前回同様の大きなホール舞台の
目の前にはカーテンの着いた個室。
恐らく試着室か何かだろう。
どっから持って来た。
『このファッション対決では
ヒロイン3名に審査員ブレイトが
何点か点数を付けるシステムと
なっております!
前回優勝のリア選手!
意気込みをどうぞ!』
「えぇっ…!?え、えと、
がんばります…っ!」
やめてくれ猫神様。
リアが困っている。
『ではファッション対決のお題を発表します!
今回のお題はデートの勝負服です!
それでは着替えスタート!』
「出来たよん♪」
「はええよ!」
猫神様が叫ぶと同時にヴァンが
手を上げて言った。
ちなみにヴァンはいつもなら
亜麻色のロングヘアとマゼンタ色の瞳に
黒いチョーカー、
黒いレースのオフショルダーから
ボールドカラーのビスチェが丸見えで
ボールドカラーの超絶ミニスカートから
黒いレースのガーターベルト、
ボールドカラーのピンヒールだ。
「いつものボクとどう違うかな?」
「なんでお前セーラー服なの?」
ヴァンは何故か
超絶ミニスカート+ニーハイソックスなセーラー服で
ニコニコと笑っている。
うわ、嫌な予感しかしない。
「ぱんつもちゃんとブレイトくん
好みの純情カラーにしといたよ♡
いつもはボク履いてないんだけど
今回はト・ク・ベ・ツ♡♡」
ヴァンはそう言うと俺の目の前で
その超絶ミニスカートを捲った。
白いパンツだった。
「ありがとうございまあぁぁあすっ!!」
ブーッ!と鼻から鮮血を吹き出して
俺は床に頭を打ち付けた。
「ふあっ!?めっちゃ面白いなにそれ!?」
ケラケラと笑うヴァンに
俺はビクビクと身体を痙攣させた。
『ブレイト審査員!?何点でしょうか!?』
猫神様の問いかけに
俺はまるでダイイングメッセージのように
自分の鼻血で95と書いた。
「えええ!?95点!?なんでぇ!?」
ヴァンの納得いかないような声に
まだ着替えていないハーフマオリエが
俺に治癒魔法をかけてくれた。
おかげで話せそうだ。
「まず…お題はデートだ。
学校帰りのデートならまだしも
異世界デートならセーラー服は減点だっ!」
「も、盲点だった!」
俺の喝にも似たような講義に
ヴァンはリアルorz状態だった。
「あ、あの着替えました…」
リアの控えめな声がした。
リアはいつもは
髪、肌、まつ毛も真っ白で
瞳のみが真っ赤なアルビノ。
それに村の人たちが着ている民族衣装、
画面の向こうの皆様にわかるように言うならば
アルプス地方の民族衣装だ。
雲色のブラウスに土色の
コルセット風ワンピースには
腰から黒と白のしましまの小さなエプロン。
たまに頭に黒いリボンをしている時もある。
だが今回のリアはデート服の王道、ワンピースだ。
しかもふわふわシフォン素材の
淡いイエローカラーの膝丈ワンピースに
真っ白な麦わら帽子には淡い黄色の花だ。
ちなみに白いサンダルにも同じ花があしらわれている。
「合格です」
俺は鼻血の止まらない中合格札を上げた。
『なんの合格札かはわかりませんが
現在高得点のようです!
リア選手が今回も圧倒的リードを
許してしまうのか!?』
猫神様がテンション高めに言う中、
リアは恥ずかしそうに俯き、
ヴァンはセーラー服のまま
恥ずかしそうなリアを見て涎を垂らしていた。
あのバイセクサキュバスめ。
あと残るはハーフマオリエのみ。
ハーフマオリエは基本的には
魔導師の装備で固めている為、
魔導師の帽子に魔導師のローブ。
歩いてるとたまにローブから
ショートパンツとブーツから
靱やかな脚が見えることがあるくらいだ。
なので一言で言えばあまり
素肌の見えない格好なわけだ。
「…着替えたよ。
あんまりよくわからなかったけれど」
ハーフマオリエがカーテンを開けて出て来る。
ハーフマオリエは
白いヒールに
白いスキニーパンツスタイルに
V字の白ニットタンクトップから
紺色のパリッとしたジャケットと
黒いミディアムヘアを1つに縛っており、
肩からバイカラーのショルダーバッグ。
「ハーフマオリエたん、イケメン……」
ボソッと呟いた俺は
フラフラと起き上がった。
「たしかに、かっこいいかも…♡」
悪ノリし始めたヴァンもジリジリと
ハーフマオリエに近づいて行く。
一方でオロオロしているリアと
面白がってニヤニヤしている猫神様。
「…ところで、ブレイトは着替えないの?」
ハーフマオリエの言葉に
ヴァンもリアも俺をくるっと見た。
こっちみんな。
「ブレイトくん♡
自分だけ着替えないのはタブーだよね♡」
「ブレイトさんのでーとふく、
見てみたいです…!」
ヴァンは悪い笑顔で俺の
座っている拷問器具のような椅子を掴み、
リアはデート自体わかってはいないだろうが、
恐らく好奇心でだろう、
俺の拷問器具のような椅子を引っ張る。
『おおっとブレイト審査員も
緊急参戦!どうなる!?』
「これで変なことされずにすむ」
猫神様の司会進行よりも
ハーフマオリエがボソッと呟いた言葉の方が
気になった。
「ハーフマオリエ!?
俺のことわざと生贄にしただろ!?」
俺が叫ぶ頃には
俺はヴァンとリアによって試着室に
押し込まれた後だった。解せぬ。
俺は普段王様から貰った
銀色の鎧に王国の紋章の着いた
柚葉色のマントに
あまり使わないであろう剣を腰に
ぶら下げている。
今後俺は何を着させられるんだ!?
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?
ナース服はやめてくれヴァン!!
リア、俺は男だからああ!!
スカート履かないからあああ!!」
「ブレイトの虚しい断末魔が聞こえるわね」
『ほぼ、お主のせいだかな☆』
「むかついたから燃やしていい?」
『なんでじゃ!?ツラい!!』
ハーフマオリエと猫神様の声が
遠くなっていく。
俺の最後は変態サキュバスと
ケモ耳ロリにもみくちゃにされて
終わるのか……。
いい人生だった。
ちなみに今回の優勝者は
合格札を貰ったリア。
俺の中ではハーフマオリエのデート服が
かっこよかったが採点不能だったので
取り消しになったらしい。
というかこのくだらない茶番はいつまで
続くのだろうか?
俺の安息よ、戻って来い……。




