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コミック6巻発売記念:隙のない夫

本日『妃教育から逃げたい私』コミックス6巻発売!

シリーズ累計300万部突破しました!

応援ありがとうございます!

詳細は活動報告、もしくはこのページの下の方をご覧下さい!




「クラーク様ってさぁ」


 ブリっ子がパクパクマカロンを口に放りながら言った。


「女性に迫られたりしないの?」


 私は衝撃を受けた。


「え……え……なんで……?」

「いや、だって……イケメンだし、王太子だし、まだ世継ぎいないし、結婚してても狙い目じゃない?」


 私は再び衝撃を受けた。


「そう……なの……?」

「そうよ」


 ブリっ子が頷いた。


「そうなのマリア!?」


 紅茶をカップに注いでいたマリアに聞いた。


「そうですねぇ。お世継ぎさえできてしまえばまあ、やりようはあるので狙い目とは言えるかもですね」


 なんという事だ……!


「こうしちゃいられないわブリっ子!」

「待って。マリア、このマカロン持ち帰るから包んで」

「かしこまりましたー」


 マカロンを諦めないブリっ子を引き連れながら私はクラーク様の元へ向かった。もちろん本人には見つからない距離だ。

 今は会議が終わったところで廊下を歩いていた。

 私は柱の影からそれを見守る。


「こんなところで夫のストーカーするなんて暇なの?」

「暇じゃないちゃんと仕事してるもん!」


 ちゃんと仕事終わらせてからブリっ子とお茶してるんだもん!


「今のところ誰も話しかけないわね」


 使用人たちと何人かすれ違うが軽い挨拶程度で話をしている様子は見られなかった。


「おかしい……私のカンも外れたのかしら」


 包んでもらったマカロンを食べながらブリっ子が首を傾げた。


「ほら、もう、心配させることを言うから……」

「はっ……! 隠れて!」


 ブリっ子の声に少しだけ柱から出てた身体を柱の影に隠す。


「ほら、あれ」


 小声で指をさされたほうを見ると、1人のメイドがクラーク様に話しかけに行っていた。


「くっ……ここからじゃ何を話してるのか聞こえない……」

「あっちの窓のほうに移動しましょう」


 ブリっ子の先導で、近くの窓から外に出て、クラーク様近くの窓からそっと様子を窺った。


「あ、あの……クラーク殿下……」

「どうかしたのかな?」

「その……今日もとても素敵ですね」


 顔を赤らめて言う彼女は誰がどう見てもクラーク様に気があった。


「ああ」


 しかしクラーク様はまったくそんなことに気づかない様子で笑みを浮かべた。目の前のメイドがポーっとクラーク様を見つめる。完全に恋する乙女である。


「今日の服はレティが選んでくれたんだ」


 一瞬で彼女の顔が凍りついた。


「――え?」

「素敵だろう? レティはセンスがいいよね。ほら、この靴もレティが選んだんだ。全体コーディネートができるなんてさすがだよね」


 クラーク様は彼女の変化に気付かずに話を続ける。


「本当にレティは賢いし可愛いし最高の奥さんだよ。外交でもレティは評判がいいんだよ。それにね」


 クラーク様、クラーク様、そろそろやめてあげてほしい。彼女のためにも私のためにも。


「あと……」

「申し訳ございません! 仕事にそろそろ戻らなければいけないので!」


 耐えかねた彼女が叫ぶように言うと、「ああ、そうだね。時間を取らせて悪かった」と言ってクラーク様は去っていった。

 残されたのは哀れなメイドと、どんな顔をしたらいいかわからない私とブリっ子である。


「あれ、あんた何してるの」


 そこに通りがけに3人組のメイドが通りかかった。


「ちょっと……」


 彼女が気まずそうにすると、1人のメイドがピンと来たようで彼女を突いた。


「あんた、あれだけ私たちが言ったのにクラーク殿下にアタックして玉砕したんでしょ」


 からかうニュアンスを含んだ声に、彼女の顔が真っ赤になる。それはその言葉を肯定してるも同然だった。


「えー! 嘘でしょ!」

「あれだけ言ったのに!」


 他のメイドたちも彼女に信じられないと声を上げた。


「クラーク殿下にアタックして玉砕した人が何人いると思ってるの!?」

「そうよ、何話しかけてもレティシア様の自慢話になっちゃうんだから!」

「付け入る隙がなさすぎてもうみんな諦めてるのよ!」


 彼女はついに俯いた。

 待って、今日だけじゃなく、今までの女性からのアピールも、クラーク様同じようにあしらってたわけ? いや、本人にあしらっている自覚はないんだろうけど!


「アピールしてるのに嫁自慢されちゃ、無理よねぇ」


 ブリっ子がマカロンを食べながらしみじみ言った。いつまで食べてるの、それ。


(ことごと)く私の想像の上をいってくれるわね。いいわね、愛されてるわね」

「うぅ……」

「照れるのは部屋に戻ってからにしてね。残りのマカロンが待ってるの」

「まだ食べるの!?」


 ブリっ子の食欲が本日1番の驚きである。



読んでいただきありがとうございます!

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『妃教育から逃げたい私』本日コミックス6巻発売です!

詳細はこの下、もしくは活動報告をご覧下さい!



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妃教育7巻本日発売!
 


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コミックス7巻本日9/5発売!


菅田先生描き下ろし番外編もあります!!
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ぜひお楽しみくださいね!
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背表紙もあるのでぜひ参考にしてください!

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『妃教育から逃げたい私』
コミックス7巻


発売日:2025年9月5日



あらすじ

◇◆◇◆◇◆TVアニメ化作品◇◆◇◆◇◆

アスタール王国に留学に来た、遠国の王女・アビゲイル。

初日から、初恋相手であるというクラークに猛アタック宣言し、
妻であるレティシアをやきもきさせるも、
実は隣国の王子・ネイサンの婚約者であることが判明する。

恋愛経験ゼロのまま嫁ぐことが不満だと言うアビゲイルに、
レティシアたちはある提案をするが…?



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皆様に楽しんでいただけますように!

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どれもとっても可愛いのでぜひ!
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ぜひお手に取っていただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
相変わらずクラークのレティシアに対する愛と自慢はブレませんね(笑) あれだと、引き下がるしかないですし、それを無自覚でクラークがやっているので、本当にたちが悪いものです。 そして、ブリアナの食べっぷり…
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