↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ化】妃教育から逃げたい私【コミックス8巻5/1発売】  作者: 沢野いずみ
番外編2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
63/80

美少年の悩み



「僕の何がいけないんだろうか」


 愁いを帯びた美少年が呟いた。


「何の話?」

「マリアが僕に振り向いてくれない件に決まっているだろう」


 決まっているだろうか。決まっているのだろうな彼の中では。だって一言目には「マリア」という単語が出てくるもの。つまりほとんどマリアのことばっかりしゃべっている。

 一応留学に来ているという形のはずなんだけど、この坊やはわかっているのだろうか。

 わかっていなさそうな王子様は、ライルに紅茶のお代わりを淹れさせた。


「で、何がいけないと思う?」

「え、まだ続いてたのその話」

「途切れさせたつもりはまったくない」


 紅茶を一口飲んで、彼は嘆息した。


「僕はとても顔がいいはずなんだ」


 ルイ王子が大真面目な顔で言った。

 思わずその額を手で触って温度を確かめた。


「熱ないけど、頭おかしい?」

「通常でおかしいと言うなんて一番失礼だろうが!」


 ペシリと額に当てていた手を叩かれる。


「だって実際頭おかしいこと言ったじゃない」

「事実だろうが」


 そうか、わかった。頭おかしいんじゃなくて、自信過剰なんだ!


「そういえばニール公爵も同じようなこと言っていた! 血か! 血筋なのか!」

「王太子殿下もなかなか自信にあふれている方ですしね」


 私の発言に、ライルが同意する。


「何を言う! 父上と母上はとても謙虚な方なんだぞ! 血筋だけでまとめようとするな!」

「自分が自信過剰なのは否定しないんだ」


 ルイ王子は黙って紅茶を飲んだ。私もカップに口を付ける。

 改めてルイ王子の顔を見る。うーん……


「世間的にはたぶん美形に入る顔立ちだけど、私のタイプではない」

「別にこちらこそお前のタイプになんかなりたくもない!」


 自分で顔がいいという話を振ってきたくせに!


「お前の好みは王太子殿下だろう。こんなところで惚気られてもな」

「はあ!? 別に今その話してませんけど!?」


 ライルが「否定しないんだ……」とこぼしたから足を踏んでやった。手に持っていたティーポットを手にかけて慌てている。

 ふん! 人をからかおうとするからこうなるのよ!


「この顔の良さなのに、なぜマリアは好きになってくれないのだろう……」


 ふう、と息を吐いてルイ王子は再びナルシストな発言をした。私は正直に告げた。


「そのうっとうしい性格じゃないかしら」

「僕は性格もいいぞ」

「む、無自覚なの!?」


 自信満々に胸を張っているルイ王子に驚愕の声を上げる。

 こんな図々しい性格しておいて、まさかの自覚なし!


「ルイ王子は自分をまず客観視できるようになることが必要だと思う……」

「どういう意味だ!」

「まんまの意味ですけど?」


 私は憤慨するルイ王子を鼻で笑った。


「そうやってムキになるのが子供なのよね」

「な、なんだと……!?」


 ルイ王子が立ち上がった。


「お前の夫の王太子だって、僕にまで嫉妬して、子供みたいじゃないか!」

「ちょっと!」


 私も立ち上がった。


「確かに何で嫉妬するのか私もいまいちわからないけど、でもこうしてお茶を許す度量もあるのよ!」

「でも前怒ってただろう!?」

「自分が見てる前ならいいって許可もらったもの!」

「自分が見てる前って! ……自分が、見てる、前……?」


 言い返そうとしたルイ王子がピタリと止まった。数秒して、扉の前に構えている兵士を見る。

 そう、現在この場には、私とルイ王子、ライルと兵士しかいない。


「ま、まさか……」


 そういうことである。

 兵士は兜を取った。


「やあ、心の狭い王太子だよ」

「ひぎゃー!」


 ルイ王子が私の後ろに隠れた。


「申し訳ございません。決して悪意があって発した言葉ではなく、売り言葉に買い言葉でして。ええ、本心ではございません」


 私を盾にしながらルイ王子は懸命に弁解した。変わり身の早さがすごい。


「うん、今の発言には別に怒っていないんだけど」


 クラーク様は笑顔だった。


「レティシアに引っ付いたのはダメだね」


 ルイ王子が静かに土下座した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『妃教育から逃げたい私』コミックス8巻5/1発売!
 


『妃教育から逃げたい私』

コミックス8巻

本日5/1発売!


最終巻ですー!
もしかしたら番外編とかはポロポロあるかもなのですが、コミックスの本編は一応こちらで完結となります!

(小説はまだ続く予定です)
(マリア編や、ブリアナとナディルの新婚編、子供たち編など書きたいなと思ってます!(未定))

今回特別に
書き下ろしSS収録!

最終巻ということで一生懸命書きました!
巻末の方にあります!
ぜひお楽しみください!

特典情報もこのページの下の方にあります!

諸々詳細はこちら⬇

i00000


『妃教育から逃げたい私』 コミックス8巻


発売日:2026年5月1日

あらすじ

長期滞在していた他国の客人たちが帰国し、平穏な王城。
しかしレティシアはある問題から逃げ続けていた。
それは「お世継ぎ」をどうするか。
周囲からのプレッシャーをかわし、夫・クラークと自分達のペースで夫婦生活を送ろうとしていた。
そんな中、夫婦で気晴らしに出かけた釣りの最中、レティシアはクラークのある変化に気がついて…?
二人は逃げずに、夫婦としての新たな一歩を踏み出せるのか?

逃げる妃と追いかける王子の胸キュンラブコメディ、ついに完結!!



特典情報

i00000




まんが王さんと漫画全巻ドットコムさん
特典がアクリルスタンドなんですが、
もーーーー可愛くて可愛くて!!!!

i00000


数量限定なのでぜひなくなる前にゲットしてください!

まんが王さんは菅田先生のサイン本抽選もあります!

⬇まんが王さん⬇



⬇漫画全巻ドットコムさん⬇



書泉さんではアクリルコースター付きが発売されます!

i00000


とっっても可愛い!
こちらも数量限定なのでなくなる前にぜひ!

 

どれも最高に可愛いです!
お気に入りをぜひ!

コミカライズはこちらで読めます!



ぜひお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!

― 新着の感想 ―
どこまでもレティへの愛が溢れてるの、良いですね!(何か違うだろ) 兵士に扮してるクラーク様、めっちゃ好き!オモロい笑笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。