表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ化】妃教育から逃げたい私【コミックス8巻5/1発売】  作者: 沢野いずみ
新婚旅行編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/80

ルイ王子は秘蔵っ子

こんにちは令和!



 途中で文句を言われたりなんだりしたが、無事に目的地に到着した。


「おおー、立派な城ねぇー」


 ブリっ子が仰ぐようにして城を見上げている。確かにデルバランの王宮はとても大きい。私の住む王城より大きいかもしれない。


「徐々に徐々に増築してこの大きさになったんだ。だから形が独特だろう?」


 自国の王宮の自慢をするルイ王子は鼻高々だ。

 ルイ王子の言う通り、少し形が歪だ。だが不思議とそれが美しく見える作りになっている。


「さあここからは僕が案内する。さ、マリア、僕の隣に」

「いやです」


 マリアの腕を掴もうとして逃げられたルイ王子は、しょぼくれながらも先頭を歩く。ちなみにマリアは侍女として連れてきているので一番後ろだ。

 増築したと言った通り、それぞれの場所で壁の素材が違ったり、石が変わっていたりして面白い。

 周りを観察しながら進むとあっという間に玉座に着いた。

 ルイ王子はノックもせずに扉を開けた。お、おい、いくら王子でもノックぐらいはしろ!

 やや焦るこちらの気持ちとは裏腹に、ルイ王子は中へ走っていく。


「父上―!」


 叫びながら玉座に座る人物に飛びついた。おそらくその人物はルイ王子の父親、つまりは国王陛下だろう。陛下は慌ててルイ王子を抱きとめた。

 グキッという音が鳴り響いた。


「……父上?」


 ルイ王子が飛びついた父親から少し体を離して、顔を覗き込んだ。


「おおう、ルイ、よく帰ってきたのお」


 好々爺という言葉がふさわしい王は、ルイ王子の頭を撫でまわす。


「相変わらず可愛いのう。でも前より少し大きくなったようじゃなあ」

「本当ですか⁉」


 ルイ王子は嬉しそうに父親の上ではしゃぐ。そのたびに王から「ぐぬ」やら「ふお」やらの声が漏れ聞こえる。

 親子水入らずのところに水を差すのは申し訳ないが、いつまでもここで親子の触れ合いを見ているわけにもいかない。私たちはお互い頷き合って一歩前に進んだ。


「デルバラン国王陛下。今回は滞在許可を頂き、ありがとうございます。私がアスタール王国の王太子クラーク。こちらは妻のレティシアです」

「お初にお目にかかります陛下。レティシアと申します」


 カーテシーをすると、陛下はルイ王子を抱きとめている手とは別の手で制した。


「よいよい。そちらではルイが世話になっておる。せっかくの新婚旅行なのだから、堅苦しくせず、のんびり過ごしておくれ」


 陛下はルイ王子をゆっくりと降ろす。降ろしながらたまに「んふ」やら「あう」やらの声が漏れ聞こえた。


「王宮を案内してあげたかったのだが、申し訳ないのう」


 陛下は伸ばした白いひげを撫でつけた。


「わしはたった今ぎっくり腰になってしまったようだから、しばらく安静にしておこうとおもうのじゃ」


 ぜひそうしていただきたい。

 私たちが頷くと陛下は安心したように微笑んだ。


「父上、何故ぎっくり腰に?」


 お前だ。お前だよ犯人は。

 そう言いたいのを父親の手前ぐっと耐え、私たちはルイ王子に案内をお願いした。


「驚かれたでしょう?」


 歩きながらライルが話し出した。


「陛下はあの通りご高齢ですから、遅くに生まれたルイ王子が可愛くて可愛くて仕方ないんですよ。その結果がコレです」

「コレとはなんだ!」


 コレ、と指さされ、ルイ王子は顔を赤くして怒る。私はそれを見ながらなるほど、と今までのわがままな行動を納得した。


「甘やかされたんだろうとは思ってたけど、本当に甘やかされていたのねえ」

「言葉に棘を感じる」


 ルイ王子が不満そうな顔を向けるが、それは無視する。


「私粗相してなかった? 大丈夫だった? 変なことしてない?」

「後ろに控えていただけでしょう。なにも問題ないわよ」

「不安だわ……」


 移動中の元気な様子から一転、ブリっ子は不安でたまらないらしい。


「私ほぼ庶民みたいなものなのよ。絶対なにかやらかす。なにかやらかす……私だけ宿取っちゃダメ?」

「安全を守るためにもここ以外ダメだ」


 ブリっ子は落ち着かない様子で、そわそわしながら提案するも、兄に却下された。少人数で来ているため、別で護衛をつけられないのだ。王太子夫婦の新婚旅行についてきた友達のために、わざわざデルバラン王国の騎士を借りるわけにもいかない。

 ここに泊まるほかないとわかったブリっ子は意気消沈した。


「げ、元気出して。ほら、私の隣の部屋だから」

「それのなにを喜べばいいのよ……」


 ある程度案内が済み、しばらく泊まる部屋の前に来たので、そう声をかけたのに、ブリっ子にとっては気分を浮上させる要素ではないらしい。


「マリア、僕は自室があるから一緒にはいられないけど、寂しかったらいつでもきてね」

「なにがあっても行きません」


 ルイ王子はここではなく、自分の部屋にいくらしい。そりゃそうだ、自分のお家だもの。わざわざ客室には泊まらない。


「俺も隣だぞ。よかったな」

「夜這いさせてくれるなら……」

「しっかり警備する」


 ブリっ子は案外元気かもしれない。


「ああ、レティシア」


 部屋に入ろうとした私を呼び止めたのはクラーク様だった。

 端正な顔に笑みを浮かべる。


「明日はピクニックに行こう。二人で」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『妃教育から逃げたい私』コミックス8巻5/1発売!
 


『妃教育から逃げたい私』

コミックス8巻

本日5/1発売!


最終巻ですー!
もしかしたら番外編とかはポロポロあるかもなのですが、コミックスの本編は一応こちらで完結となります!

(小説はまだ続く予定です)
(マリア編や、ブリアナとナディルの新婚編、子供たち編など書きたいなと思ってます!(未定))

今回特別に
書き下ろしSS収録!

最終巻ということで一生懸命書きました!
巻末の方にあります!
ぜひお楽しみください!

特典情報もこのページの下の方にあります!

諸々詳細はこちら⬇

i00000


『妃教育から逃げたい私』 コミックス8巻


発売日:2026年5月1日

あらすじ

長期滞在していた他国の客人たちが帰国し、平穏な王城。
しかしレティシアはある問題から逃げ続けていた。
それは「お世継ぎ」をどうするか。
周囲からのプレッシャーをかわし、夫・クラークと自分達のペースで夫婦生活を送ろうとしていた。
そんな中、夫婦で気晴らしに出かけた釣りの最中、レティシアはクラークのある変化に気がついて…?
二人は逃げずに、夫婦としての新たな一歩を踏み出せるのか?

逃げる妃と追いかける王子の胸キュンラブコメディ、ついに完結!!



特典情報

i00000




まんが王さんと漫画全巻ドットコムさん
特典がアクリルスタンドなんですが、
もーーーー可愛くて可愛くて!!!!

i00000


数量限定なのでぜひなくなる前にゲットしてください!

まんが王さんは菅田先生のサイン本抽選もあります!

⬇まんが王さん⬇



⬇漫画全巻ドットコムさん⬇



書泉さんではアクリルコースター付きが発売されます!

i00000


とっっても可愛い!
こちらも数量限定なのでなくなる前にぜひ!

 

どれも最高に可愛いです!
お気に入りをぜひ!

コミカライズはこちらで読めます!



ぜひお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ