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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 後期編
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閑話 ハンジ

ハンジ視点

ハンジ、です。

イミドラの主人公の仕事してたら何かの選択をミスったらしく、本来対応するところではないところの人が対応して、沢山の死人を生み出してしまった村人です。


イミドラの主人公は、基本的にただの村人だ。

ただ、死徒に対して強い属性を持ち合わせていただけの存在。

地元に死徒が湧いたからそれを撃退しただけの少年なのだ。


でも、国際的にはそれじゃすまないものらしい。

それじゃすまなかったから、ゲームでも、死徒を追い払って村人を助ける選択をしたら主人公ハンジはリガルディアの学校へ連れて行かれてしまうんだろう。


特に、今回やっちゃったセーリス男爵領というのは、戦功で爵位を貰ったようなお家だったらしい。

ここがただの貴族様だったら俺もそんなに罪悪感は酷くなかったと思う。

でも、俺がやってしまったのは、転生者――しかも知り合いの、親を見捨てる選択をさせる結果となってしまったのだ。


彼女は非常に演技が上手くて、けれど故に感情をあらわにされるとくるものがあって。


――そうですか。よかったですね、御家族が助かって。喜びなさい。


ああ、そうさ、バカにしているのははっきりわかった、でも、それくらい言わないと泣きそうになっていたのも知っている。


俺の家族は助かった。けれど、ソルの家族は、死んだ。ほぼ全員いなくなったと聞いている。

双子の妹のルナと、その付き人として王都に来ていた使用人以外は助からなかったそうである。


お前のせいだ、とは言われなかった。

それが余計苦しかった。

言外に含まれた棘を俺にも分かる形で表してきた。


俺は、言われた日の夜、泣いた。

ルナの取り乱しようを夢に見た。

文句を言って、責任とれって目をしていたロキ嬢のあの冷たい眼も夢に見た。


――大丈夫ですよ、ええ、死ねとは言いません。ただ、私の親友を傷つけたことは許しませんわ。


何か間違ったのかな、身内を見捨てろっていうことなのかな、なんて考えて気が付いた。

国違うじゃん。

俺たちの国はガントルヴァ帝国で、皆の国はリガルディア王国で。


平民の生活を気にするのは貴族だとしても、別の国の平民のことなんざ知らねえよな。

でも逆にこれで向こうの貴族に俺という特殊な属性を持つ人間の存在がばれたわけで、帝国的には大事だから人質にもできるし、平民身分だからそれだけの対応しかしないで済む。


相手は領地を一つ潰されたようなものだから。

なんだかんだ言って、ロキではなくスズの状態で俺に情報を流してくれたのだから、リョウは優しい奴だと思う。


それはさておき。


本日の俺はギルドに来ている。

雑用押し付けられたのである。

いや、雑用だけで済んでることが驚きだけどさ。


ロキが全ての死徒と同盟関係を取り付けたのだと聞いた。単身でよくもまあ乗り込んでいったものだと思う。


死徒列強は18人もいる。

人間上がりも、神代の者もいるという。

俺が敵に回した列強はいないけれども、下手に動けば列強を敵に回すだけでなく、リガルディアが裏切る可能性が高くなるということで、死徒は帝国側にとってとても厄介な存在になってしまった。


人間の国同士で同盟を組むよりも、死徒の庇護下に入った方が安全なのはどうあっても覆らない。

死徒が人間に倒せる存在だったら、人間はこんなに死徒を気にしない。


たまに命知らずが挑むらしいが、こんなものが届いたよと言って送り返されてくることもしばしばあるらしい。歴史書を見ていたら王族の日記が出版されていて、死徒についての記述があったので読んでみたらそんな感じだった。


列強は人間に興味を持っていないか、人間を餌か苗床としてしか扱わないらしい。

時たま違うものもいるというが、そういう列強は列強と言いつつ2人か3人でグループを作っている。つまり、そこまで強くない。


まあ、そんな方々は基本的に人間上がりなわけで、どこぞのお偉いさんとはむしろ繋がりが強い。

だから、そんなに理不尽なことを言われても、死ねといわれない限りは反発するなとロキからは言われた。そんなに心配しなくたって同じゲームやったっての、と思っていたら、ゲームよりも死徒の力が強かったらしい。


今日の依頼の山。

紙で置かれた俺への依頼は全部街中からのものだ。単純に、雑用して稼げばちょっとは身の安全を保障してやらんこともないよって感じである。

ロキがここまで頑張ったのを俺はソル経由で聞いたのでもう何も文句はございません。


力仕事がとにかく多い。

戦争に発展する直前までいったらしいので、労働基準とか言ってられなかったです、はい。

それ考えると自業自得なとこあったしな。


今日の依頼の紙を見ていく。

薬草集めとかも結構ある。

俺はまだまともに戦えるわけじゃないので、基本的には他のパーティが行くのにくっついて行かせてもらうことになる。


「うわ、死ねって言われてる……」

「どうしたの?」

「わっ!?」


後ろから声を掛けられて跳び上がった。振り返ると、スズがリズさんと呼んでいる女性がいた。


「君、ロキの知り合いだろ?」

「あ、はい……」

「どんな依頼なんだ?」


依頼書を見せると、リズさんは呆れたような顔をする。


「こんな子供に受けさせる依頼じゃないぞこれ」

「でもこれ、やらなくちゃいけないので……」

「うーん。護衛しようか? その森行くし」

「えっ」


え、どうしよう。喜びたいけど大丈夫かな、迷惑にならないだろうか。

そう悩んでいるのが伝わったのか、リズさんのパーティは採集がメインなのだと教えてくれた。腕の立つ剣士と魔術師はいるにはいるが、あくまで採集メインだと。


「……では、お願いします」

「うんうん、ここんとこ貴族の可愛くない子供ばっかり話してたからなぁ、子供は大人の厚意を受け取るもんさ」


リズさんは笑って僕を引っ張っていってパーティメンバーに紹介してくれた。


ちなみに普段の俺が受けている依頼は土木工事の手伝いであるとか、配達であるとかだ。死徒の中には館を王国内に持っている者もいて、そういうところである。

まあ、死徒側もそんなに依頼があるわけじゃないので、基本は王都内でバイトみたいな形で働いている。


リガルディアに尽くせ、だそうである。

正しくはフォンブラウにだが。


フォンブラウ家が今はセーリスの双子を後見している状態にあるので、フォンブラウに全て返せと。


まあ、会うのは学校内でしか許されないんだけどね。罪人扱いでこそないけれど、似たようなものだから。


では、ちょっくら半殺しになってきます。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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