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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 後期編
80/154

隣国の王子

ハドとすっかり仲良くなっていたら下りてきやがれコールを父上たちに出されたのでしぶしぶ1階に下りた。


「ドラクルの息子と仲良くなるのはいいんだけどね、死徒に固められすぎてないかな」

「シオンの同類ですよこいつ」

「……ハド君ちょっとシオンとお話ししようか」

「え゛ー……」


この世の終わりみたいな顔するなよ。


ちなみにハドは様付けされるよりも呼び捨てにされた方が親しみを感じるようである。


「……あレ? シオンって、豪傑お嬢様の方だよナ? スレイプニルに乗ってル」

「俺もスレイプニルに乗るんじゃないのか?」

「まだいないノ? フェンリルに乗ってただロ?」


まだフェンリルいませんがな!

つかマジで揃うんだな。


「てか俺、髪の色銀だったのか」

「ア? 今染めてんのカ?」

「こいつ魔術効果全破壊フィルターあるぞ」

「なんだよそのチート仕様」


今まで会ってるといっても俺が髪の色を銀に戻していたとは思えなかったので呟いたのだが……。

ハドが最強の理由を知った気がした。

そういや不意打ち、遠距離攻撃、魔術一切無効だったなこいつ。


「ちなみにハドにその属性やってんのは女将」

「だろうと思ったわ。シヴァが神子なら破壊オンリーなんてその上位しかいねえよな」


また出たぞデルちゃん。デルちゃんどんだけヤバいんだよ――そういやデルちゃん、破壊神サッタレッカの加護のあらんことをとか言ってたな?

サッタレッカが破壊神の名である。


「ハド、シオンもハドと同じだ。もううんざりしてる。俺あの王子に挨拶してこなきゃいけないんだ。その間にシオンに情報を渡しておいてもらえると助かる」

「……ロキ兄の役に立つなら、やル」

「ん、ありがとな」


相当ハドは俺を頼りにしているらしい。

兄上たちにハドを預けて俺たちは殿下たちの方へと向かった。


「何でハドはあそこまで俺に?」

「ハドは一度ヤロウに挑んだ。その時の相手は俺だ。俺を前にすりゃあいつは複雑な心境だろうよ。そして、俺の敵に回っても、お前だけはハドの味方をした。2人ぼっちで俺らと戦ったこともあるんだぞ。ナタリアたちも俺ら側」

「なんだその最終決戦は」


勝ち目無さすぎて泣きそうだわ。


「それでハドを折ろうとしたみたいだぞ。まあ、女将の介入はそこからだから、ハドは転生してて50回がいいとこだろ」

「めっちゃ増えた」


ソレ13歳のガキに背負わせていいものじゃない気がしますが。


「てか、プラム関係なくても戦争かよ」

「おい、このゲームのヒロインの人数忘れたか」

「あー、プラム以外のヒロインもいるのか……」


めんどくせーな。


「イミラブのヒロインたちは皆身分をわきまえてるいい子たちだったわ。だからこそ、プラムの暴走は止められなかったんだよ。他の転生ヒロインの方がプラムを止めようとして死刑になったりしてたね」

「その辺普通に語れるくらいナタリアの精神もすり減ってんのな」

「毎度ロキが育ててたクリスタルの結晶とアルだけが私の癒しだったんだよう」


どんだけきつかったんだ。


「それに、ケイオス家ってゲーム設定では何も出ないのよ? 私は何度も経験してるけどね」


要は、この場に呼ばれちゃうくらい特殊な家なのにその設定はゲームには生かされてなかったと。


そんな話してたら殿下たちの前にまで来たので、会話をやめる。


「やっと来たな、待ちくたびれたよ」

「面倒です」

「相変わらず平常運転だな」


カルが苦笑した。アル殿下もエリオも顔を見合わせて苦笑する。その横の淡い水色の髪の少年、こいつが隣国の王子である。


「カイロス殿、この銀髪はロキ・フォンブラウ。黒い髪のがシド・メタルカ、ピンクパール髪の令嬢がナタリア・ケイオスだ。ロキ、アウルム、ナタリア嬢、彼はカイロス・ロムドギア」

「ご紹介にあずかりました、ロキ・フォンブラウです」

「シド・メタルカだ」

「ナタリア・ケイオスです」

「カイロス・ロムドギアです。3人とも、よろしくお願いします」


淡い水色の髪に対して、その目は金色。ゼロも金色に近くはあるが、やっぱり見た目、雰囲気というべきか? それがかなりアウルムに近い。

彼も半精霊、ということは事前に知っていたので驚きはなかったが、向こうは半精霊がいることに驚いている。


「シド、は、奴隷なのですね……」

「周りから奪われないようにするにはこれが最も手っ取り早かったので」


俺が答えると、そうですか、と少し残念そうにカイロス殿下は言う。


「守ってもらってるから文句はねーよ。それにしても、そっちはそっちで大変だな、水属性の精霊だなんて」

「はは……」


彼がこっちに来た本来の理由は、その有用性から国内の貴族に狙われたためである。

明らかな後出しだったらしいが、ルナが知っていたのでよしとする。

まあ、アウルムもナタリアも分かってたみたいだけど。


「金目ってこき使われるからな」

「銀目より体力あるからね」

「やめろここで生々しい会話すんな」


アウルムとナタリアが笑顔で話し出した内容、興味あるが今は止めとけ。


「えっと、さっきアウルムと呼ばれてましたよね」

「俺に敬語はいりませんぜ殿下。メタリカ族なんスよ」

「それはまた……随分と高位の精霊が……」


あ、でもそれならメタルカってことは、と言って蒼褪めちゃったので、下手に人間を近づけないために名乗らせているだけですよと返しておいた。


「すみませんがアウルムを守るために利用されてください」

「そんなこと堂々と言う人初めて見たよ」

「俺、転生者なんですよ。こいつとは前世からの付き合いです」

「なるほど。我が国にもいましたが、今は地下牢ですね」

「何があった」


たぶんヒロイン、とナタリアが返してきた。


「今回は随分と早く地下牢使ったな」

「姉の進言です。姉も転生者だったみたいで」

「あー、イミラブじゃないシリーズの悪役令嬢だ。リリアナ様、だったかな」

「はい。とても優しい方です」


ナタリアは、よかった、と笑んだ。どうやら、ゲームでは姉弟仲は最悪だったらしい。


「リリアナ様っつったらスカジ姉上と並ぶ脳筋姫だろ?」

「そうそう。スカジ様のライバルに認定されてるらしいね」

「恋愛方面でもライバルなんだろ」

「お家同士がね( ´∀` )」


お互い別の国だからなー。

スカジ姉上、今回は上手くいかないかもしれないね。うまくいってほしいけど。

ガントルヴァの皇子、どっちが好みかな。


「そして置いてかれる俺たち王族」

「エリオ、言うな、言うんじゃない」

「ゲーム知識も前世の記憶も怖いね」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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