表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 後期編
73/154

商業ギルド

「久しぶりだな、スズ」

「お久しぶりっス、ギルマス」


俺は冒険者ギルドに顔を出した。


理由は、リズさん――俺たちの作ったモノを積極的に使い、資金を提供してくれているAランクパーティの人から連絡があったからだ。


『ちょっと話がしたい』


なので、わざわざソルと俺、アウルムとゼロの4人だけでやってきた。

他の皆は、ほら。

親とかいろいろあるしな。


話し合いのために個室を予約してくれていたらしいリズさんと合流し、5人で個室に入った。


「久しぶり、ロキ。いや、ロキ様と言った方がいいかな?」

「いえいえ。今まで通りロキでお願いします。堅っ苦しいのはホントにこりごりです」


一緒に席に着けばやってきた給仕が紅茶を出して下がっていった。

俺たちは紅茶に口をつけ、話を聞く。


「それで、お話って何ですか」

「ああ、実は、最近ルガルが、竜種の荒らされた巣を見つけたらしくてな。今度一緒に行ってみないか」

「!」


本当はもっと早く話しておけばよかったんだが、とリズさんは言う。

本当は、俺たちの夏休み中には話そうとしていたらしい。


「竜種の巣とか行ってみたい」

「危険では?」

「いや、それは大丈夫。その検査のための人員を送っていたので時間が掛かってしまった」


なるほど。

と、言うことは。


「人里に近いんですね」

「ああ。はぐれ死徒がもともと群れていた時に襲った可能性があるということでな」


竜種といってもピンキリなので、はぐれ死徒如きに負けたということは、あまり高位の竜種ではない。

でも、この話をするということは。


「なんか珍しい鱗でも見つかったんですか」

「鋼竜種の巣だったらしい。おそらく、鋼竜種が捨てた巣を別の低位竜種が使っていたのだろう、ということだ」

「!」


行くの確定だ。


鋼竜種、というのは、群れるタイプのドラゴンである。

竜種竜種と言っているが、ドラゴンの分類はまず上位竜種と下位竜種がいる。

上位竜種はミィやリオのことを指している。

下位竜種はこの世界に住むドラゴンのことを指す。


そして下位竜種の中でまた高位竜、中位竜、低位竜と3つに分けられている。基本呼び分けはこのようになっているので、聞き間違ってはならない。


そして、鋼竜。

鋼竜種は様々な種類がいる。イミットの分類法をそのまま使っているので、漢字で記号のように表されてしまっているのだが――金、銀、銅、鐵、狼金など、ようは漢字表記である。


こやつらは、実は鋼竜種の幼竜として基本は生まれてくる。

金というのはゴールドドラゴンのことである。アウルムがコンゴウをそのまま孵したことがおかしいのだ。


鋼竜種は群れで生活する。

子供は親から鱗や角を貰い、進化のための準備をする。そして自分の育っている環境に最も適した形の鋼竜種に進化する。

火山が近けりゃゴールドドラゴンになる。特になんてないならアイアンドラゴンになる。それだけなのだ。


ちなみに、進化の方向性が決まったらあとはひたすら様々な竜種の素材を集め、その魔素を取り込ませなければならない。そうしなければ進化しない。

よって。


「行きます」

「ああ、そう言ってくれると思っていたよ」


非常識とかはこの際置いておく。

非常識ではないと言い切ってやったっていい。

セトも誘わなきゃな。


「あの、もう1人連れて行きたい方が居まして」

「んー、誰かによるかな」

「バルフォット騎士爵の令息です。彼は鋼竜の幼竜を連れていますから」

「なるほど。分かった、話を通しておくよ」

「ありがとうございます」


やった、鋼竜の素材ってもともと少ない上に鋼竜種ってアホみたいに強いらしいんだよな。

実際に戦ったことが無いのでよくわからないが、アウルムによれば、アウルムたちのいた世界の竜種にぎりぎり届かない程度の力を持っているようだ。届かないというと低く感じるが、俺たちは1でありアウルムたちは1億とか10億とか言ってる状態である。比べるものが違うのだ。


「ところで、もう1つの話だが」

「はい」

「そろそろお金が溜まって来たの、店舗の場所については考えてる?」

「あ、はい、4番通りの空き地がいいかなと思ってます」


フリーマーケットのあっていた大通りである。小さな空き地があった。

悪霊が住んでいると言われていたので見に行った。精霊でしたってオチである。

土精霊は野ざらしの土や石、岩に対して非常に相性が良いため強力な魔法を使うようになるし、気に入らない人間に対して嫌がらせをしてきたのだろう。


「あそこは……大丈夫かい、あそこに陣取っていた土精霊、かなり頑固者だったみたいだけれど」

「ありゃドワーフが精霊化したモンだ。あそこに昔店を持っていたドワーフの慣れの果て」


アウルムが口を開いた。そうだったんだ。

俺からは、背の低い筋骨隆々の髭もじゃおっさんにしか見えなかったわ。

あ、これ全部ドワーフの特徴か。

まじかー。


ドワーフもエルフもこの世界には存在しているけれど、あんまり会ったことはない。なんたって人間を嫌っている。

ドワーフの最盛期はリーヴァの弟がガルガーテ帝国を治めていた頃だと言われているから、ざっと2000年は前の話だ。


あのおっさん、いい人だった。普通にいい人、というか、面倒見がいい、というか。

アウルムを見たとたん「なぜあなたがここに」と言っていたから、アウルムは相当有名か相当高位の精霊だったんだろうなあ、なんか、アウルムの友達やってていいんかいなと思い始めてしまうこの頃。


「あのおっさんなんで人間嫌ってんのかな」

「人間は盗人も居るからな。ドワーフは自分で作りゃいいからそういうことはしない。盗まれたか、殺されたか、貶されたか、どれも人間しかやらねーよ。そもそもエルフはドワーフの作るモン触んねーし」


あー、思い当たる節が多すぎますわ。


「あと考えられるのは教会だな」

「ここのドワーフの宗教知らんぞ」

「アスティウェイギア」

「はい! はいすべて理解した!」


アストを主神とする宗教になっているのか。

ちなみに他にもちょこちょこヘファイストスやらウルカヌスやらアグニやら、鍛冶の神とか火の神の見知った名前も見受けられました。


「……エルフは?」

「女将」

「デスヨネ」


神同士はあんなに仲がよろしいのに、何故宗教では仲良くなれないんだ。

日本人的すぎるか、この考え。


「風の神フレイライカのことか?」

「ええ。最近来てるんスよ。御安心を、単体っスから」

「……ならばいい。ああ、フレイライカが兄弟連れてくると天変地異が起きると言われていてね……」


俺が何じゃそりゃって顔をしていたんだろう、リズさんが解説をくれた。


風の神フレイライカ、というのがデルちゃんのこの世界での名前らしい。

鳥の姿をしていて、通称は風の怪鳥フーカ。

兄弟に氷の怪鳥ライフレイカ、炎の怪鳥レファランカ、土の怪鳥ヴィヴレンカの3神がいるそうである。


皆、神。

この時点で予測できたことだが、ライフレイカとくればブリザード、レファランカとくれば炎天下、干ばつ、ヴィヴレンカとくれば砂嵐を起こすそうで、人間への怒りからこういった行動を起こすと言われている。


「貴族は知らないだろうね。王都は強力な結界に守られているから、特に分かり辛い」

「セーリス男爵領は何もなかったけど、どっかの領地にはレファランカが行ったみたいだぞ。干ばつ起きてたから」


動く災害かよ。

神、というのは総じてそんなものらしい。


「前から気になっていたのだけれど、アウルムはアスティウェイギアの眷属だよね?」

「はい」

「……ものすごく無理をしていたりしないかい? 本来なら君くらいの力があれば、王都そのものが鉱物に閉じ込められたっておかしくないのに」

「コントロールできるように頑張って来たんで、その辺は大丈夫っスよ。ああ、もちろんこの話はばらさないでくださいよ」


また余計なこと知られたー、とアウルムは顔を手で覆った。外で話聞いてたっぽい奴らはどうしてやろうかね。


「殺すか」

「口止めね。口を割ったら死徒に売り飛ばそうかしら」

「アウルムを死徒側に送ったが早いんじゃね」

「あら、それもそうね」


ソルがなんか怖い案を出してきたが乗っておく。


「す、すまない。気付かなかった」

「相手が戦士ならこちらも見逃しますがね、精霊連れた魔術師なら話は別ですから」


外にいた人はソルに拘束されていた。

土属性も扱うとのことで、インペリアルトパーズで買収しました。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ